四阿山


"詳しい報告は、のちほど高橋リーダーから。"とある 以上受けて立たないわけにはいかないが、これがなかなか難しい山である。歓喜に溢れた”
ヤッター”ではないし、ひそかに狙っていた山をやり遂げた充実感というのとも違う。なにせ、最近まで四阿山の読み方さえ知らずにいたのだ。万
座にスキーに行った際に浅間の隣にドロンとした山について看板か案内書を見たのだろう、字の存在は知っていた。場所といい山容といい浅間の小
型版として印象が薄いのか。なにせ向こうは荒ぶる神の実在を表象するかといった存在なのである。山スキーを始めなければ登る事はなかった自信
はある。

登頂しての感慨は"ニヤッ"とほくそえむといったところか。百名山だしね。帰ってから百名山のページを繰りながら飲むビールがうまい。山も仲間
も自分も変わっていくもんだなーとおもいながら。

さて、花粉マスクで防備した代表と前夜名古屋から帰還したばかりの寺本さんの参加を得、賑わいの総勢5人は上越道で日の出を迎え途中のパーキ
ングで腹ごしらえし登り口の四阿高原ホテル下Pを8時過ぎに出発。前夜から停まっていた車の上には雪が10センチくらいのっている。登りだしこそ
小雪交じりではあったが、雪はすぐやみ、あとは曇天/横風、視界はある。結構冷え込みである。同ルートこれで4回目の寺さんをはじめ高橋を除
くみんなこの山の経験者であるため、どうしてもお気楽な気持ちが入ってくる。牧場をつっきり、きれいに雪をつけた木々の切り開きを通り、露岩
/灌木帯の上部まで来ると登ってきたなだらかな斜面と軽い雪のコンディションからいやがうえにも滑降への期待は高まる。左手には浅い谷を隔て
何年かまえに、佐藤さん/浜野さんらが1泊2日の苦闘の末頂上にたどり着けなかった尾根がきれいな雪稜を伸ばしこちらの尾根とは趣を異にしてい
る。頂上台座にたどり着くと北東の端にピークがそこだけ"すっ"と立ち上がって、細い尾根に雪煙が舞っている。今年の大雪で雪の量は申し分なく
頂上までスキーをつけたまま登りたかったが、そこまで行くと突然吹き飛ばされそうな強風にあっという間に体が凍えていく。治田さんは手指の凍
傷を警戒してぶんぶん手を振り回し始める。スキーをつけたままでは進めず、残念ながらスキーを外し体をひくくして頂上までの残り30メートルを
勝ち取った。頂上からは北東に延びる稜線が意外なナイフリッジを見せ今度はあちらから登ってくるのもいいかも、なんて思ったりする。根子岳か
らなんてのもいいかな。おいおい、また来る気になってるよ。寺本さん4度目、佐野さん/治田さん2度目、佐藤さん/高橋始めての山頂である。

いよいよ下りだが、意外にも、風のためかアイスバーンが交互に現われ極楽スキーとは程遠い。尾根を嫌って樹林に滑り込むと軽いパウダーは一瞬
"ウッキー"となるがすぐ藪でさえぎられ尾根に戻るのが一苦労。その上広い尾根は下界が見渡せるにも関わらず迷いやすく、ルート確認を止まって
繰り返しながらの滑降となる。最後の牧場だけはゲレンデのようで二重丸。駐車場に戻ると陽射しは確かに春のものだった。楽しい山でした。われ
ら登頂せり

2005年3月13日(日曜)
参加: 高橋・佐藤・佐野・治田・寺本
0830HRS 高原ホテル発、1130HRS山頂、1400HRSには帰りの車中

記 高橋