南ア/鋸岳 主稜線


鮎島、他1

3月11日(土)晴
 角兵衛沢出合からもまったく雪のない、まるで河又の岩場の
アプローチのような道を歩くこと2時間でガレ場、そこから30
分で大岩下の岩小屋。岩小屋の少し下でようやく雪が出てくる
。テンバでは何とか水が出ているがきっとこれは気温が高いせ
いだろう。
【戸台の駐車地0930、角兵衛沢出合1115、大岩岩小屋1445】

3月12日(日)雪
 幸いそれほど気温は低くない。角兵衛沢は少し雪が乗ってい
て、それをつなげながら登ると多少は楽だ。ツボ足でガンガン
登ると、途中で30分前に出発していた3人組を追い抜いて、角
兵衛沢のコル1番乗り。ここでアイゼンをつける。
 第一高点までは難しくはないが、ラッセルでくたびれる。ほ
ぼ視界がなく、第一高点を過ぎたところで少し迷うが、ここは
落ち着いて読図して少し右に行ってから左へ行くと正解だった
。なんとなく見えている夏道についていくと、いきなり道がな
くなるとそこが小ギャップで、少し迷ったが、懸垂下降支点も
しっかり発見し、懸垂下降を5mする。
 ここからの登り返しは結構傾斜がある雪壁となって少し怖い
ところだが、ダブルアックスにしてノーロープで。ここからの
ナイフリッジを慎重に通過し、小コルから甲州側へ少し降りて
斜面をトラバースすると鹿窓。ここは稜線沿いに行くという記
憶もあったような気がするが、鹿窓の中に鎖がありそれに従っ
て下りる。トラバースして、稜線に這い上がる。悪い。やはり
稜線が正解のようで、ここからは稜線沿いに行く。
 大ギャップへ懸垂20mで下る。1箇所風がないところがあり、
そこで休憩。ここはうまく整地すればビバーク可能だろうが、
まったく快適でないはずだ。安息の地から大ギャップを信州側
へ50mほど下ったところから、第2高点から南へ派生する尾根に
とりつく。アイゼンが小気味いい音を立てて快調に登高でき、
第二高点へ。風も強く早々に下る。しかし、最初のコルについ
た時点で道が分からない。おそらく、中の川乗越はまだ先なの
だろうがここで右へ下りてもいけそうな気がするので、ルンゼ
をくだって左へトラバースをするが..、わからん。結局、や
っぱりルンゼに戻って、そのまま下ると中の川乗越だった。つ
まり、ショートカットで下りたつもりのルンゼが正しい道だっ
たようだ。
 コルから下ろうとするが、風雪が正面から襲い掛かるので前
を向いては進めない。何とか下ると、ガレ場。歩きづらい。ア
イゼンを脱いでそれを避けるように雪があるところをいくと、
滑った。下っていくと、石の上に雪がのっていたり、氷の上に
雪がのっていたりで、2人とも30回は転んだ。疲れる。ボロボ
ロになりながら、下るしかないので下るとようやく土の斜面が
見えるようになって、もうそうなれば転ばずにすむ。戸台川に
ついたときは、素直にうれしかった。
【発0630、角兵衛沢のコル0815、第一高点0850、第二高点1115
、中の川乗越1230、熊穴沢出合1430、戸台の駐車地1615】