■赤城/黒檜山&地蔵岳(頂上から滑降)
2006年1月15日
鮎島仁助朗
四阿・根子周回縦走を提案しても、何の反応もない。しかも天気が悪そうだ。さらに悪いことに、木曜日くらいからやたら咳が出る。本当はどこも行かないほうが体にはいいのだろうが、どうやら日曜日だけは晴れそうである。四阿はやめて日曜日帰りで一人でどこか行こうということで考えたが、ノルン水上から吾妻耶とかしか思い浮かばない。しかし、思った以上に体がやばそうである。できれば半日で切り上げたい。そうなれば・・、赤城である。しかし単なる100名山ハントだけでは面白くないので、フリートレックを使って滑ろうというもの。土曜日は東京では大雨であったが赤城では雪でちょうどいいだろうという計算があったからだ。そのうえ、地形図を見ると黒桧山頂上には岩マークがある。いろんな記録を見てもそんなものはあるという話を聞いたことがないが、あれば攀ろうとも思うが・・。
前橋ICで下り、県道4号線で赤城へ。道には雪はそれほど積もっていないが、結構凍っている。大沼周回道路は車でたくさんである。その目当てはどうやら山ではなく、湖。湖上にはいくつも(100以上はあった)テントが張ってあり、わかさぎを釣っているのである。どうやらそういうところらしい。
赤城大沼から沼田へ抜ける道は冬季閉鎖ということでそこのゲートで車を止めて、赤城の最高峰、黒桧山へと向かう。そこには車1台止まっていた。一応シールで登ろうと思っていたが、まったくそんなもの必要ないぐらいに雪面は硬く、ツボ足でガンガン登れる。しかし、斜面がそれなりにあって早朝ということもあり、キックステップを確実に決めないと滑りそうだ。やはり体調が悪く、何度も休憩しながら滑れそうな斜面がないかと見渡しながらトレースにいくと、稜線の分岐となり、左へ進路を取れば頂上だった。やはり山頂付近に岩というか崖もないような。しょうがない。
大沼側ではなく反対側の斜面は木が多少は疎らで滑れなくはなさそうだったが、生憎反対側に滑り込むしかない。頂上で板をつけて、左トラバース。登山道の走る稜線から上から見て左の谷へと滑り込む。これがいやはや。一番上はまぁマシだったさ。谷に入り込むと谷が狭い上、雪室もモナカだったかと思うと、クラストだったりして、ことごとく変化して、本当にワンターンごとに転ぶという有様。そのうえ、滝すら出てきて、ツボ足でトラバース、クライムダウンというのもやったりして、本当に何とか下りる。鳥居近くの周回道路に出たときにはマジでうれしかった。
車に戻って、チョイ移動。今度は地蔵岳を登ろうということだ。この地蔵岳はそれなりにスキーの記録がある。スキー場(リフトではなくロープ・・、久しぶりに見た)からトレース沿いに適当に登っていたら、ダイレクトに登る道があるはずだが、なぜか峠に登りそこを経由して登っていた。頂上にはボーダーが2人いた。どうやら記録は本当のようだ。峠へ滑るのだろう。頂上からは本当に見晴らしがよく、全方向見える。私はやはり頂上で板をつけて大沼方面に滑るが・・。最初はまだ疎らだったがやはり木が多い。それでもまだ黒桧に比べればマシ。それなりに楽しめた。最後はスキー場の上に出て湖まで。やはりスキー場の雪面はオールクラストで怖かった。
まぁこんなもんだろう。率直な所感としては。
黒桧山の頂に岩場がなかったのは残念でもあったし、本当のところゼイゼイ肩を揺らしている状況では、本当に頂上に岩場があったとしても登ろうとしたかどうかは分からないのでまぁしょうがない。しかし、それにしてもスキー。山スキーフィールドとしてあまりオススメではないところであることは確かであるものの、しかし、自分自身、楽しめなかったかといえば、そうではないのだから面白い。次々と現れる木々。その間をなんとかぶつかりながらもすり抜ける。この感覚である。ゲレンデでは決して味わえないものを味わえただけでも赤城に来た価値があったではないか。
完全に風邪は悪化してしまったようだが、この体調として、家でごろごろしているよりは、限界なところにいけてよかったと思う。やったぜ赤城征服!
今度、ここに来るときは大衆と同じように湖の上にテントを張ってワカサギでも釣りたいものだ。
【記録】
1月15日(日)晴
大沼0650、黒桧山0820、大沼0920、スキー場0945、地蔵岳1100、スキー場1130
2006.1.16 鮎島 筆