■奥秩父/瑞牆山本峰南壁「トムソーヤ冒険ルート」[登攀]


2010/5/4 小坂、オーブ(記録)


瑞牆山本峰南壁下部洞穴~だるまフェイス~上部フェイス継続】


前日2日間の甲府幕岩のフリーで指と腕は結構疲れているので、ライトそうなトムソーヤに行くことに。

いや、はっきり言ってなめてました。前日に5.11bをフラッシュしたこともあり、ちょっと調子に乗っていたために天狗の鼻をへし折られました。

鮎さんの記録を読むと楽しそうだし、百名山ハイキングくらいのつもりでいたので上部のクラックでかなりビビリました。

それにしても、小坂さん。得手・不得手の差が激しすぎないですか?


朝、高橋隊と別れて一路瑞牆山荘の無料駐車場へ。富士見平小屋を経て、渡渉点の間に樹林の隙間から岩場が見える。どこを登るのかはよくわからないが初めての瑞牆にワクワク。渡渉後も登山道をちんたら登ると大ヤスリ岩が目前に見える。登山道の右手に確かに岩が見える。ザックを置いて偵察をすると、小坂さんが赤テープ発見。この赤テープ登山道からは見つけづらいが、その先は岩場の基部に沿ってしっかり踏み跡&赤テープがある。そのふみ跡を1番奥のルンゼまでたどり取り付き。

  

1P目:小坂15m

・ぱっとしないルンゼの左壁を登り、右上。小坂さんは洞窟を見つけられないというのでピッチを切る。

2P目;オーブ10m

・ビレイ点から少し右奥に行くと洞窟。小坂さんに洞窟の中に入ってビレイしてもらう。

どう登ればよいか良くわからず最初は苦労したが、ムーブが分かってしまえば簡単。洞窟を抜けたテラスでビレイ。

3P目:オーブ10m

 

その先の小さな洞窟(チョックストーン)潜り。簡単。抜けた先の立ち木でビレイ。小坂さんを迎えようとフォローのビレイをするがなかなか上がってこない。特に難しくないと思うのだが…。かなり悪戦苦闘した後、下から「一回ロープを解くから、洞窟(CS)の外にロープを回して」とのこと。オーブが上から懸垂してランナーのカムを回収してロープを外側に投げ、立ち木から振られ止のランナーを取り直す。小坂さんはよほど難しそうに見える薄かっぶりの壁を木を掴んで登ってきた。

 

4P目:小坂25m

・その先の凹角を登り、もう一回大きなCSを潜って平らなとこまで。

5P目:コンテ60m

・平らな樹林帯をだるまフェースのスラブの基部まで

6P目:オーブ15m

・スラブのクラックを登る。ビレイ点はリングボルト×3。

鮎さんたちここコンテで登ったんですか??簡単だけどちょっと怖くないですか?

7P目:小坂10m

・ハーケンがベタ打ちされた目の前のリスは無視して、ビレイ点から右に少し下り気味にトラバースしてクラックまで。

最初、小坂さんはオーブに「リードして良いよ」と言ったが、「下り気味だから、リードのほうが楽ですよ」というと小坂さんがリード。

8P目:オーブ25m

 

核心のクラック。難しくないけど何かびびった。テーピングを巻いてなかったので左手&腕が傷だらけ。クラックを登った後のクライムダウンが激悪。躊躇していると、ビレイ中の小坂さんが「寒~い」と叫んでいる。『「寒~い」なんて叫べてるうちは大丈夫だよっ!!』と内心思いながらも慎重にクライムダウンしてその先のルンゼを登ってコルまで。ロープの流れがかなり悪くなるので注意。

  

6・7・8P目は最初から右のクラックを狙ってだるまフェースの基部を右にトラバースしてから登っても良いかもしれない。上から見た感じはクラック下部も普通に登れそうに見えた。

  

9P目:小坂30m

・簡単な岩場を右上。平らなとこまで

 

後は、簡単そうなところをピーク目指して適当に登ると垂壁にぶち当たったので右から回り込むとそこがピークだった。やった~百名山GETだぜ。ちなみに小坂さんは何度も登ったことがあったらしい。心配していた残雪も頂上付近の北側に少しあるのみで軽アイゼンなどは必要なくても普通に下れた。赤テープがあったし、途中に新しい残置スリングがあったし、結構人入ってるんですかね??

 

最初の洞窟と上部のクラック以外は概して簡単ではあるが、なめていた分だけ痛い目にあった。チョークをもっていた小坂さんに対し取り付きで「このルートはチョークなんていらないでしょ~」なんてほざいていたが核心では普通に手がヌメって恐怖心が倍増したのは内緒である。


【装備】

ダブルロープ×2、エイリアン一式、キャメロット(0.3~4)

鮎隊は小さめのカムは使わなかったようですが、僕らは所々使いました。まぁ数はあまりいらないですが…。


 

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