■赤城/粕川「銚子の伽藍ゴルジュ」

2011.6.24
渡辺、落石

銚子の伽藍

銚子の伽藍遡行図
 会山行前週、練習もかねて沢に行きたいなぁと思っていたところ、ナベさんからパートナー募集が!天気も良さそうだし、明けで若干きついかもしれないが赤城へ繰り出すことに。途中の前橋は、11時くらいで既に30度以上と大変な熱気だが赤城に登るにつれてかなり涼しくなった。

 明けでの出発の為、現地到着は11時半...。決して山を舐めているわけではない。粕川のホントに美味しいところだけをやろうという企画なのだ。

 早速、沢装備に着替え、通称?ガラン西尾根を下っていく。途中には東屋まで!割としっかりした登山道かと思いきや、伽藍へ直行する道と分岐後どんどん道は悪くなっていき、途中にかなり高い滝を見ながら(ここで下りたら絶対美味しいとこ逃しそうなんて言いながら)何回か道を間違えつつも50分ほどで遡行開始地点へ。

 目の前の二股を左へ進むと、8m程の滝(かめ割りの滝)。オーブが登ったのならとナベさんリード。もう少しのところまで登るも最後は水圧強すぎで登れず、懸垂で降下。左側から巻いて登る。とここで、行きの車でナベさんが「伽藍には最近残置が多く許せない、全部回収してやる!!」と言っていたのを思い出し、巻いた上から懸垂でのハーケン回収。まさか「取ってこいと言われるとは...。」(ナベさん談)このハーケンはハンマー2打で抜けるほどだったそうで、よくご無事でした。

 次に現れる20m滝。左に曲がっているものの、左はルンゼで全く抜け口をつかめず、右から巻いてみる。が、あっという間に右の支流に入ってしまい、この支流沿いにしばらく行って左に戻るかと思ったら、ハングした崩壊滝とか出てきてお話にならず(一応肩車やなんやで頑張りましたよ)戻って左のルンゼを登ることに、ここもナベさんがリード、私は上から確保してもらい、最初はもろーい岩のクライミング、途中から泥クライミング...、泥でもがきながらもう少しのところに運動会ペグがあるが届かない、一回滑ったり、途中ゴボウしたりで何とか。間違いなくここが今回の核心であろう。滝通過に1時間はかかってしまった。しかし、恐らくここが行きに上から見ていた、美味しいと思っていた滝であろう。

 次に現れる滝も激シャワーで登れそうもない、ここで遡行図を取り出すと右巻きであることが分かる。そして先ほどの3連続滝はまとめて皆さん左から巻いている、続けて巻いていればあんな悪いところは無かったのかぁ。しかし遡行図を見なかったことであーでもないこーでもないと泥まみれの沢を楽しめたのだ。

 右から巻いたら、目の前にやっとお目当ての銚子の伽藍が。沢がまだ2回目の自分にはそれがすごいのかどうかも分からないくらい、目の前に迫ってくるゴルジュ。

 伽藍内は滝の連続で、最初は6mほどの激シャワー。左側には残置のハーケン+ナイロンのテキトーなロープ、これをナベさんが回収している間に自分は右から攻める。しかし滝の面はぬるぬる、強烈なシャワーとあって歯が立たず。結局この滝も、確保してもらい登ることができた。次は10m程の滝、こちらは左側から登る。ここにも運動会ペグ、もはやどんな残置があっても驚かない。
 ラスト3つほど小さな滝を越えると静かな、平和な、そして平凡な世界に投げ出された。ホントに気が抜けてしまうほどの。

 少し休憩し帰路を急ぐ。20分程で車まで戻る、急な登り返しだったのに全くといっていいほど汗が出ない。かなり体が冷えていたことに気づく。

 ばたばたではあったが明け発でも十分沢を楽しむことができ、また会山行のいい練習になったのでは、と思う。自分も今回のルートをリードできるくらいに頑張ってなりたいと思う。

2010,6,29 落石 筆

【記録】
1130駐車地、1225入渓、1510伽藍入り口、1620伽藍出口、1700駐車地

<渡辺氏からの短信>

 完全にバカゴルジュノリで行ったら結構エグイ目に何回も遭ったので遡行図と照らし合わせてみたら、うん、みんなが巻いてるところを攻めてますね…どうもおかしいと思った…

かめ割りの滝(8m)
 みんな巻いてるのに、なぜか「大部が登った」と勘違いし最上段まで頑張るが、抜け口でシャワーに抗しきれず、テラスで足元の横リスにピトン2本打ってラッペルして敗退。(ピトンは上からラッペルして回収←落石提案)もう少し水量すくなければ行けるかも。ちなみにピトンはハンマー2撃で抜けました。アゴさえ効いていれば静加重には耐えるんだなあ。

20m大滝
 鮎島隊が「10m(?)滝」としているところか。この滝で沢は左に屈曲している。弱点無し。よって巻き。しかしなんせ右岸が全部壁か急なルンゼなので、左岸から大高巻きかなと思ったら、あっという間に右の支流に入ってしまい(中間尾根は岩で登れない)、それならこの支流沿いにしばらく行って左に戻るかと思ったら、ハングした崩壊滝とか出てきて話にならず追い返される。「やっぱり、逆くの字状に沢がなってるんだから、セオリー通りショートカットできる右岸か」と思いなおし「なんせバカゴルジュなんだから行ってみたら簡単なんだろう」と思い込み、戻って右岸の濡れたルンゼから高巻いたら悪い悪い。ありがた〜い運動会ペグがここぞというところにあったので容赦なくA0。無かったら落ちてたかも。体感X級A0。リードとしてはあの「五輪様」より頑張りました。

その後は皆さんと一緒です。
moto.pさんの記録にあった伽藍内の残置4連打は下部二本のみ回収。疲れて無理でした。打った奴センスはないけど力はあるな。

PS
県道4号沿いの「とんかつ太郎」(前橋市上細井町1963)の焼チーズかつはちょっと高いが味は素晴らしかった。


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