■日光/奥鬼怒(会山行C隊) [沢登]

2011.07.02-03 佐藤、治田、田中、落石、伊佐見(記録)


鬼怒川日光沢~片品川東岐沢(下)~片品川北岐沢~鬼怒川黒沢魚沢(下)


7月1日

24時過ぎに瀬戸合峡付近駐車場に集合。僕と佐藤さんが到着する頃にはみんな飲み始めていた。明日の天気が心配だったが、空を見上げると星がたくさん見える!天の川まで見えた。初めて見た。こりゃ、明日晴れるんじゃなかろうか。好天を望みつつ就寝。「ボコボコだな、うん」とか治田さんがうるさかったがいつの間にか寝てしまった。


7月2日

瀬戸合峡0630―女夫淵温泉0640―八丁湯0740―日光沢出合(日光沢の滝)0802―滝の巻き終了0858―堰堤の巻き終了0945―鬼怒滝1017―二俣1114-二俣1127-鬼怒沼山1355―東岐沢出合1546-北岐沢入渓地点1620

 

治田さんの声で目が覚める。晴天。各自朝食・準備をして女夫淵温泉駐車場に移動。大部さん・金井さんより挨拶の後、出発。林道を500mほど進むと左に奥鬼怒歩道入口となる吊り橋がある。ここでA隊・B隊と分かれる。

吊り橋を渡り、奥鬼怒歩道を歩く。天気がいいことはうれしいのだが、暑い。早く沢に入りたいなぁ、AB隊はもう沢に入っているんだろうなぁとか言っているうちに八丁温泉到着。結構新しい温泉旅館?なんだろうか、綺麗なところだった。ここから加仁湯(土俵とか相撲部屋があった)を通り過ぎ、20分も歩くと日光沢出合に着いた。

 

日光沢はいきなり2段15mほどの日光沢ノ滝が泥ゴルジュの中を落ちてきている。ハングした右側にはロープが垂れ下がってきており、もともとはこちらに道があったようだ。上部に堰堤があるので道があるんじゃない?と行きの車中(だったかな?)で佐藤さんが言っていたとおりだったのだが、登りようがないので左の泥壁を登って巻くことにする。治田さんがリード。泥から顔を出している石がホールドになるのだが、全部浮いているのでだましながら登った。滝とその次の堰堤を右岸から巻き、いったん左岸に渡ってまた堰堤を越える。この辺でのどが渇いたので水を飲んだが、ちょい上に鹿かカモシカの死体があった。ウゲー・・・(今のところ腹は壊していない)。そういえば毛皮がなかったがなぜなのだろ

う。そこからもう一つの巨大堰堤を左岸50m近く登って巻く。高度があってなかなか怖い。やっと沢におりたところで日光沢出合より1時間半、奥鬼怒歩道入口より3時間でやっとホントの沢登りとなる。

 

20分ほど進むと鬼怒滝30mが出てくる。佐藤さんは左岸ぎみに登ったが悪かったようで、他4人は流芯を攻める。滝の中間部は流れが収束しており、水量が多い。治田さんがリード。かなり冷たかった。上部は簡単なのでザイル無しで登った。

鬼怒滝の上の7m滝を越えると、とりあえず困難な場所は終わる。二つ目の二俣(一つ目は鬼怒滝手前にあるのだが・・・記憶無し)を左に、3つ目の二俣を右にすすむ。滝がたくさん出てくるが全部登れるので楽しい。そうしているうちに13mほどの傾斜の立った滝が現れる。治田さんとザイル無しでもいけるんじゃないの?と話し、流芯右を登ってみたがボロボロで難しいのでザイルを出す。何を思ったか、僕はなんだか左のほうがホールドが多くて登れそうだと思いだし、流芯左を登ってみた。4mほど登ったところで後悔しはじめる。アレ?ぬめっていることもあっていいホールドがないのだが、うまくハーケン2枚がきまってくれたので、多少時間はかかったが登れた。

そのあとも連続して小滝が続く。傾斜が増すに従って水量が減ってくるが、稜線近くまで意外と水がなくならなかった。尾根を左に50mほど上がると鬼怒沼山本峰2141mである。ブッシュに覆われて展望は悪い。曇天な上、14時近くと今日の行程を考えると遅くなってしまったので、はやばやと出発。写真を撮り忘れた。

 

下山は東岐沢。ブッシュの少ない源流部から傾斜の強い沢を下る。治田さんと落石さんに追いつこうと急いで下った・・・否、滑った。多少傾斜が緩くなってきたところで治田さんが踏み跡を発見。時々沢を渡ったりしながら走って下り、なんと頂上から1時間45分ほどで北岐沢出合に着いてしまった。あまり滝などは見かけなかった。

 

到着時北岐沢入渓地点(8m滝より上部)にAB隊はいなかった。今日合流することは難しいだろうと予想していたが、17時ごろ(だっただろうか)両隊到着。テン場は良い場所がなく、増水すると危ないようなところであったので退避ロープを設置して焚き火をした。武井さんが大はりきりでカレー&ソーセージを作ってくれた(ハンバーグ900gにも恐れ入りました)。旨かったです。

 


出発前、女夫淵温泉駐車場にて


日光沢の滝(点線が登ったところ)


日光沢出合の泥壁を登るハルさん


鬼怒滝


鬼怒滝


伊佐見リード中。結構悪い。


治田さんとオトシブミ(小松湿原にて)


鬼怒沼山到着


鬼怒沼山到着


東岐沢下降


いい感じに宴会中




7月3日

起床0445-出発0614-20m大滝0646-小松湿原0920-黒岩山1050-黒沼田代1137-黒沢に出合う1544

 

今日も幸いなことに晴れ。昨日の宴会も遅くまで続いたようだ。朝、焚き火を見に行くと武井さんがその横で何も羽織らず寝ていた。

今日の行程が長いこともあり、C隊は先に出発。北岐沢中ノ岐に向かう。日光沢や東岐沢と比べると規模が大きくて楽しい。佐藤さんは夜遅くの運転と連日の宴会で撃沈。休むたびに寝ていた。途中の4段15m滝は左側から登る。落口手前がボロボロで悪い。しばらく進むと両岸が急峻な崖となり、沢が右へ左へと蛇行しだす。すると大きな淵を持った20m大滝に出くわした。ココは左岸から巻いて上に出る。巻いている途中で右岸より入り込んでいる支流が見える。こちらのほうがなかなか立派な滝だった。

 

大滝からは、全部登れる滝やナメ床帯を楽しみながらのぼり、小松湿原方向の沢に入る。しばらくして支流は左右に分かれるのでこれを右へ進むと小松湿原に着いた。AB隊も湿原近くを通っていたようだが、200mほどで見逃してしまっていたようだ。テニスコートぐらいの大きな湿原に感動でした。ミズバショウ、コバイケイソウ群落、オトシブミを発見。湿原からは沢を戻って先ほどの二俣の左へ進む。しばらくすると登山道に突き当たるので、そこから左へ歩を進めると1時間もしないうちに黒岩山2163mに到着する。暑くて汗だくになった。頂上は鬼怒沼山と違って展望が良いのだが、曇っていて周囲の高い山が見えるほどではなかった。

 

下山は赤岩沢源流部からその南側の黒沼田代を通って魚沢を下ることになる。源流部にはほんの気持ち程度雪が残っていた。赤岩沢から右の踏み跡らしきところに入り、草を掻き分けるとちょうど黒沼田代に遭遇する。治田さんのルーとファインディング能力が冴えていた。黒沼田代は小松湿原よりも小ぶりだが、治田さん曰く、日本で最も高いところにある湿原だそうだ。モウセンゴケ発見。湿原からちょっと歩くとすぐ魚沢に出合う。治田さんのルートファインディングのおかげだが、迷いそうなところなのにこんなにうまくいくもんなんだなと思った。

沢沿いをずっと下っていくと、滝のある三俣になり懸垂で下りる。右岸を乗り越えて、真ん中の沢を歩いて下りることもできた。長く美しいナメ床帯を過ぎると二段20mほどの滝があるので2回懸垂で下りた。上の滝は歩いて下りることもできる。滝の後はまたナメ&小滝と続く。次の大滝20mくらいは左岸のルンゼを下り、次の大滝2段23mは右岸のバンドをずっと進み急なルンゼを下りた。田中さんが下りている最中足場が崩れ、下の治田さん目がけて大崩落したが2人とも無事だった。すこし進むと深いゴルジュとなった。両岸がかなりパラレルで人工物のように見える。ここには懸垂下降で回収できなかったのであろうザイルが残置してあった。淵に飛び込み3mほど泳ぐ。治田さんはへつっていた。

ココから下には2条20m大滝があり右岸側の細い一条から下りる。そこからはもう問題となるところはなく、黒沢に出合った。長いナメと大きな滝の連続する楽しい沢だった。

 

これより林道に上がる。やった終了だと思っていたら、落石さんに「黒沢を下らないの?」と言われる。脱帽。15分も歩くと女夫淵温泉に到着。AB隊の歓迎を受ける。ちなみに落石さんは行動中ずっとゴミを拾っていたわけだが、この林道でゴミが2倍になっていた。

帰りは上人一休の湯(500円)で汗を流した。風呂から上がったぐらいで雨が降ってきた。運がよかった。C隊の皆さん、特にお疲れの中運転してくださった佐藤リーダーありがとうございました。

 


小松湿原


黒沼田代


泳いだ。


魚沢下流のゴルジュ


魚沢下部のナメ

 


【装備に関して】

30mザイル2本、ブレードハーケン2枚を使用。

魚沢でゴルジュの淵に飛び込まない限り泳ぐ必要はないので、それほど防寒対策は必要ないのかも。

【テン場】

北岐沢の入渓地点(8m滝上部)にはテン場としてあまり良い場所がないので、①北岐沢のもっと上流、②東岐沢出合付近がよかったように思う。


 

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