■那須/羽鳥湖スキー場〜鎌房山〜大白森山〜小白森山〜二岐温泉(スキー)

2014.2.23
鮎島、加藤、佐藤
 個人的に無性に縦走系のツアーをやりたくなる時がある。それもあまり記録がないところで。やっぱり記録がないところはワクワクするからね。でも、前日は家族でスノーハイキングをしなきゃいけないのでお手軽で…。
 うーん、そういうおいしいところなんて、そう簡単にあるもんではない。が、無い知恵をなんとか捻り、地図を見て、閃いたのが、グランディ羽鳥湖スキー場〜大白森〜小白森〜二岐温泉の縦走コースだった。
 スキー場からの大白森の往復の記録は多く見つかったが、二岐温泉の記録はついに見つけられなかった。が、北面だし、パウダーが期待できそうなうえ、静かな山旅ができそうなエリアでもある。そのうえ、下山後は温泉。思いつきの割にはまぁまぁいいんじゃないの?
 当初は、関越方面に行きたかったような雰囲気もあるメンバーを半ば強引に誘っていざ羽鳥湖へ。

羽鳥湖スキー場〜鎌房山〜大白森山〜小白森山〜二岐温泉

ルート

大白森山

鎌房山から大白森山。
真白な三角斜面が見える

大白森山

大白森山への最後の登り

大白森山

大白森山からのドロップポイントをチェック

大白森山

大白森山直下の腰パウダーを堪能する鮎島

大白森山

無木立バーンを滑降する佐藤

 前夜、白河は雪が降っていなかったが、羽鳥湖に近づくにつれ、しんしんと雪が降っていた。前泊の道の駅羽鳥湖高原は屋根があったので助かったが、暖房が効いたトイレの中にはさすがにテントは張れなかった。
 トイレ脇にテントを張って就寝するが、でも、ここ。結構人が来るのね。あまり、深くは眠れないのが残念だ。

 朝7時ちょうどに加藤さんが来て、2人で二岐温泉へクルマをデポに向かう。さすがに羽鳥湖よりは二岐温泉のほうが雪が多い。二岐温泉の除雪終了点に加藤号をデポし、往復1時間で道の駅に戻る。
 あとはそろってスキー場へ。

 スキー場の駐車料金は無料だった。さっそく、8時半の営業開始に合わせて準備し、リフト券を買う。
 リフトのトップまでは高速クワッドリフト1本のみでいけるようだが、その料金が800円…。ゴンドラやロープウェイじゃなく、リフト一回券で800円もするのかよ。
 しかし、しょうがないので買って乗ってみると…。う…速い!速いぞ。確かに高速リフトだ。これまで乗ったリフトで一番速い気がする。少し感動するが、フードがないので逆に風が冷たいのが残念だ。フードぐらいつけてくれればいいのに…。

 さて、リフトトップでシールをつけて登り始める。
 いきなり密林に突入。ここを右側にいくように進むとすぐに林道っぽいのに出る。あとはそれをたどるだけ。
 電波塔を過ぎてもまだまだこの道が続いて、ゆるい傾斜を快適に進む。
 この道も底なしラッセルだとつらいと思うが、ちょうど下地がパックされているので、スキーを履けば、すね程度。ラッセルというほどでもないのだ。

 途中で道も終わり、そこからはできる限り右方向を進む感じで行けば、鎌房山山頂につける。
 時計を見ると9時半。リフトトップから30分で着いてしまった。他の記録の大半は1時間かかっているようだが、いたって快調だ。

 それにしても、この鎌房山。
 ちょっと頂上直下の地形は複雑だけれど、スキー場からの往復だったら初心者スキーハイクには最適かもしれない。だって、疎林だし、メローだし、危険なところないし。例えるなら神楽スキー場からの神楽ヶ峰みたいな感じかな。こんないい山あったんだねぇ。

 さて、鎌房山頂から少し密林を漕ぐと真っ白な三角形の山が望める。それが目指す大白森山だった。いやぁテンション上がるぜ。だって、スキーに最適そうな山なんだもん。

 ワクワクした気持ちを胸にシールをつけたまま大白森山とのコルまで下る。
 この斜面は強風の痕跡でボコボコに波をうっているので、快適な斜面ではない。シールをつけたままで正解でしょう。
 なお、この後も稜線は基本的にボコボコな斜面もしくはパックされた雪質で、普段、この辺は強風に晒されていることが容易にわかるところだ。でも、幸い、今日はそんなに風が強くない。

 鎌房山と大白森のコルは平坦になっていて本当に静かな感じ。
 この樹林の間をラッセル(それでも膝ぐらい、雪も軽いぜ)して前に続くのは、「山旅」してる感が強く浮き出るところだ。気分としても「同じ道を戻らなくてもいい」と思うだけで新鮮な気持ちになるというものだ。

 最後に鎌房山から望めた白い三角斜面をジグザグにラッセル登りして、山頂へ。
 ここも雪が軽いし、下地はあるので、それほどきつくはない…と思う。まぁ、トーマスさんの後を付いていっただけだからなんとでもいえるのだけれど。

 っと。人発見。
 あれ?トレースなかったんだけれどなぁと思っていたら、二岐温泉からワカンで登ってきたらしい。うちらの逆コースだ。確かに二岐温泉に車があったもんな。
 でも、ワカンか…。静かな山域でワカン山行。安易な方法を選ばず頑張っているところが、エラいっす。いい山やってるね☆。こちとら、リフト使ってお手軽に来てしまってすいまそん!

 さて、ようやく登った(といってもトーマスさんがすべてラッセル)真っ白な三角はまだ山頂の一角で、本当の山頂はもう少し奥。強風の中、頑張って歩いて山頂へ。
 そうなのです。頂上直下まではまったく風は強くなかったのだが、この頂稜はやたら風が強いのよね。萎えるぜ。

 エビノシッポでいっぱいの大白森山山頂は、価値ある山頂だ。
 やっぱり、遠くから見ても「うつくしま百名山」の風格あるからねぇ。トーマスさんは2回目らしいけど、私自身、この地域の山域に来るのが始めてなので、すべてが新鮮だ。
 那須方面を見れば旭岳がアルペンチックでかっこいい。治田さんが昨年行ってたのはあの山かぁ。確かにそそるよね。


 山頂でちょっと休憩するが、あまりの風の強さに長居はできない。さっさとシールを取って滑降するに限る。
 しかし、ここからどこを滑ろうか。
 スキー場から大白森山往復(おそらく鎌房山から見えた白い三角斜面か?)の記録はけっこう見たが、ここから北面(小白森方面)に行く記録はみなかったのだ。そのため、地図を見ながら考えるしかなく、地図上で見当をつけたのは順当に河内川源流に滑り込んで、小白森に登り返すものだった
 しかし、とにかくこの強風だ。そして頂上から見る限り、河内川源流はその風に晒されている。つまりは完全にパックされていて雪が堅そうにみえ、快適な感じは受けなかった。
 ところが、こんな強風でも風向きによっては当然、吹き溜まりがある。大白森山の場合、それは北東方面。見れば、そこには確かに極上のパウダーがあった。ただし、ちょっと沢筋なので、まずはピットチェック。表面はパウダーだけれど、下地は激安定!これはいける。

 みんなのビーコンをチェックして、さぁドロップイン。
 傾斜は30度ぐらいかな。でも、そんなことより腰パウダーっす。加藤さん、ブッ飛んでるよ。いやぁ、なんなんだろうね。この軽い雪。久しぶりだ。やっぱり気温が低いし、北面だからなのかな。
 軽雪パウダーを味わったらすぐに少し疎林帯に入る。しかし、またすぐに抜け出るとそこには無木立のパウダーバーンだった!!!いやぁ、程よい傾斜の無木立パウダーバーン。
 ここ雪も軽く、思い通りのシュプールを描く。いやぁ、パウダー満喫。

 このあとは左へ左へ進み、大白森北尾根の小ピーク前のコルへ。
 そこから河内川支沢を滑り、河内川Co1320m付近で大休止。ここは風がないし、雪崩の危険もなく、暖かく、静かでのほほんとできるところだ。
 それにしても、あのパウダーは大当たりだったね。余韻に浸ってしまう。
 あんないいところあるんだなぁ。スキー場からそんな遠くないのにね。できれば、シークレットゾーンにしたいくらいだぜ。


 余韻もそこそこに、再びシールをつけて小白森山までの標高差250mを登り返し。しかし、ここからが重い雪のラッセルでつらかった。風もなく、クソ暑く、汗だらだらだ。
 でも、トーマスさん自分から「先頭、替わってください」なんて言わないもんな。トーマスさんは、ちょうど昨日40歳の大台に乗ってしまったらしいが、いやぁ頑張るよね。
 なお、皆さんの協力もあって、小白森の山頂直下だけ私がやってファーストピークいただき。オイシイところいただきました…。すいません。

 小白森の山頂は特に標識なんかなく、また風でパックされていたが、風は強くない。十分に休憩ができる。
 来た道を振り返れば、スキー場の上にあった鉄塔ははるか遠く見え、感慨深い。また、あの大白森北面の無木立バーンには我々のシュプールが刻まれているのがよくわかる。うん。気持ち良いね。いやぁ、縦走良いもんだ。
 しかし、時間はまだ12時半。リフトトップからたった3時間半で来た計算になる。やっぱり、スキーの機動力はすごいねぇ。


 さて、またシールをはずして二岐温泉へ最後の滑降だ。
 まずは稜線を忠実に進もうとするがやっぱり風で凸凹が激しい。楽しくない。
 そのため、尾根の右、北側斜面を滑降することにする。斜度的には35度超はある感じの急傾斜だ。かつ疎林で雪崩が怖い感じなので、雪質を見ながら一人ひとりドロップイン。
 すると、北側斜面のせいか、ここも至福のパウダーだった。ここもいいのか。最高だね。

 適当なところで左へ進み、雪庇の切れ間から主稜線へ。
 主稜線は風でボコボコだ。ここに風で消えかけたワカントレースが見え、いやぁ、あの人たち、いい山やってるなぁと思うことしきりだ。
 東側がスッパリ切れた蟻の戸渡りをCo1309mの小ピークまで西側を巻くようにすすむ。

 Co1309mの小ピークからは適当に北側の沢を滑降する。
 この辺になると標高も低いため、まったくパウダーは期待していなかったが、それでもやっぱり北側だからか、パウダーだった。少し重いけど。

 快適なメローな疎林の斜面から細くて急な沢筋へ。パウダーじゃなかったら苦労するんだろうけれど、パウダーなのでまったく問題ないぜ。
 この細くて急なゾーンを越えれば、またメローになり、あとは林道までスイスイ〜と樹林を縫ってすべる。密林でもなく、漕ぐでもない。いやぁ快適だね。

 林道について、あとは林道を5分程度漕げば、あっけなくデポした加藤号が見えた。橋を渡って終了。

 時間はまだ13時半。リフトトップからたった4時間半でここまできてしまった。でも、大充実だ。
 さらに二岐温泉から小白森を望めば、滑降した斜面がかっこよく見え、これもまたよし。


 〆は温泉。
 「秘湯を守る会」の大丸あすなろ館は門構えからして、高そうだぞ…という雰囲気があったが、735円とフツーの料金設定。
 入ってみると、内湯はフツー。また、内湯にある露天は超ぬるくて入ってられない。
 しかし、外にある自噴の岩風呂は最高だった。いやぁ、無色透明だが、本当に底からお湯がボコボコ沸いてあり、雰囲気も昔ながらの感じで風情漂う。もちろん、お湯も良かった。ここに男三人、長居してしまった。ただ、混浴だからね。(なお、川沿いの露天風呂もあったが、ここもぬるくて論外)
 また、来たいと思ういい温泉でした。ただし、日帰り入浴は15時までらしいので、早く下りないと難しいかも。

 確かに時間的にはたった4時間半の行動。でも、中身がギュ〜〜っと凝縮した会心の山行だったと思う。それに、この条件とこの足の揃ったパーティだから我々は4時間半で抜けられたけれど、通常なら6時間ぐらいはかかるんじゃないかなぁ。

 とにかく、スキー場リフトを使ってのお手軽縦走ツアーなのに、静かなの山旅の雰囲気を味わえ、滑降は駐車地までずっとパウダー。おまけに、下山後は秘湯の極上温泉(但し、混浴湯に限る)。
 いやぁ、こんなのないよ。山スキーをやっててよかったと心から思うのだ。

 また個人的には、記録がないところを地図を読み、そして現場で状況を見て、臨機応変にルートを選んだ結果がことごとく大当たりだったことが、なにより気持ちよかった。皆さんから明るい顔で「とても、よかったね★」という言葉をいただけたことがプランナーとしてはなによりうれしいのです。おそらく、過去に計画した山スキープランのなかでも、5本の指に入る山行だったと思う。
 本当に同行してくれた皆さんに感謝っす。

2014.2.27 鮎島 筆

【記録】
2月23日(日)晴れ
 リフトトップ0900、鎌房山0930、大白森山1030、小白森山1230、二股温泉1330

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