西伊豆/波勝崎海金剛「ネイビーブルーに抱かれて」「白波ルート」

メンバー:伊佐見、大部1
日程:2014年11月22〜23日
形態:クライミング(マルチピッチ/トラッド/本チャン)

2014年11月22日(土)
「ネイビーブルーに抱かれて」

取り付きはスーパーレイン取り付きから左へ10m行き、中央稜を登ったところ。取付き不安定。

1P目 50m(大部):左上するハンドクラック15mを登る。このピッチが最も脆かった。そのままブッシュと露岩の境目を登り、上部V字ハングが見えるところで切る。
2P目 50m(伊佐見):ブッシュの少ない露岩をたどり、崩壊地を右から巻いてV字ハング下まで。崩壊地の上をトラバースするところにハーケンがあった。崩壊地といっても安定してそうなので、まっすぐ突破した方が充実しそうだった(あくまでこの岩場にしては安定してそうという意味で)。
3P目 10m(大):V字ハングのコーナークラックを登る。大きめのハンドぐらいのサイズ。とても短い。弓状クラック取付きに出る。
4P目 20m(伊):浅いコーナーを右上する弓状クラックを登る。下部3mくらいは指が入らないほど細い。これに耐えながら、微妙なガストン・レイバック・コーナーへステミングで一段上がり、右上にある今にも剥がれそうなフレークで頑張ると、快適なフィンガークラックになる。日陰であるせいか地衣類が粉っぽく、かなり滑るのに、出だしはほとんどホールドが無かった。10回ぐらいフォールしたあとフリーで突破。出だしちょっと上がって安定したところで取った紫マスターカムにクリップしたまま突破したのでRPじゃないと大部さんに言われてしまった。終了点は古くなったハンガーボルトが2本ある。
5P目 30m(大):4P終了点の左から巻くように右上し、ヘッドウォール直下へ。
6P目 10m(伊):通常はスーパーレインと同じピッチだが、先行者がいたので白波ルートの最終ピッチを登った。短い。日本マルチピッチ集に写真が掲載されているが、本当にあの写真に納まっている部分しか登るところが無い。5.11c PDとあったが、そこまで問題なかった。「11台後半PD登ったぜ!」としたい方は早くトライした方がいい。エイリアン青サイズが決まるので安心してトライできる。

全体として「あえてこっちを登る」感があったかもしれない。5.11c弓状クラックを登りたい人のためのルートだった。最終ピッチは大部もRP。また4P目右のフィンガークラックが気になった。終了点もあるし、だれかトライしてみてー。

11月23日(土)
「白波ルート」

取付きはスーパーレイン取付きから10m位右へ行ったカンテ部分。ブッシュが濃い。

1P目 50m(大):ブッシュの先の露岩に走っているハンドクラックを登り、右上。途中のトラバース部分は載っているだけに見えるガバ岩を利用するので、勇気が要る。唯一まともなクラック。
2P目 10m(伊):スーパーレイン2P目取付きから右へ顕著なフィンガークラックを登り、ガバ地帯から右の立木まで3mほどトラバース。本来ここはガバ地帯から左上するクラックを追うらしいが、よく分からず、進退窮まってスリングが掛かっている右の木を目指す。形状の少ないスラブトラバースになりそうで落ちるかと思ったが、岩をもいだらスタンス出現。無事成功。しかしどうやらここはVAGABONDの終了点らしい。5.10a。
3P目 50m(伊):トラバース気味に左上する極細クラックを登り、本来の2P目終了点から極細クラックを直上し、ノープロで右へ5mくらいトラバース。その後も嫌なトラバースやフィンガークラックが出てくる。最初の極細クラックは指が入るところがほとんどない。ナッツNo.1くらいを2個決める。木に乗ってなんとか届くところに右手指の腹が当て、カチ力で張り付く。そのままほとんどプロテクションが取れず、2P目終了点の木へ。木のすぐ上極細クラックにエイリアン、ボールナッツ、ナッツを決めて5.8Rとやらの右トラバースに入る。最後に決めたナッツはお尻の割れ目みたいなしわに挟まっているだけなので、ノープロトラバースにはだいぶためらったが、ぶつくさ言いながら突破。しかし5.8はひどいと思う。5.10はあるのでは?あとはさらに右のフィンガークラックを登る。フィンガークラックまでが悪く、落ちたらジッパー式にナッツが吹き飛ぶのが想像される。スリル満点。全体で5.10b R(Rなんて初めて付けました テヘッ)
4P目 20m(大):ハンドクラックで大テラスへ。
5P目 25m(伊):スーパーレインと同じ。
6P目(大):昨日も登ったピッチ。

ちょっとVAGABONDに迷い込んでしまったが、白波ルートを登ったとさせてほしい。3P目は時計回りに弧を描くように登ってしまったので、落ちたらナッツなんて全部取れてしまったかもしれない。フリー化した人工ルートだからかあまり素直なルートではない印象。極小ナッツを駆使して、スリルを味わいたい人向け?

記 伊佐見


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