北海道沢登り

2015/8/4〜28
Lけんじり(会外)、オーブ

日高で百名谷5本を繋ぐ継続遡下降(ソエマツ川ピリカヌプリ北西面直登沢〜ソエマツ岳南西面直登沢〜中ノ川右俣〜サッシビチャリ川1839峰南面直登沢〜キムクシュベツ沢下降)。その後、芦別岳、狩場山、道南の海岸瀑、奥尻島と遊んできた

8/3 鈍行で盛岡まで、そこからバス&フェリー

8/4 朝、苫小牧着

札幌で小阪と合流。秀岳荘北大店などで買出し、北大山岳部の部室に荷物をデポさせてもらう

8/5 札幌→荻伏駅→ソエマツ林道終点

荻伏まではJRで。日高線は途中からバス代行。運良くソエマツ林道の終点までタクシーが入ってくれた。1万円弱也。

8/6 ピリカヌプリ北西面直登沢

直登沢出合に荷物をデポして、ナップサックでアタック。この沢は何も覚えていない。下降は三俣に降りる尾根を下ったがかなりルーファイが難しい。あとで気づいたがピリカヌプリは岳人選定のマイナー12名山だった。

8/7 ソエマツ岳南西面直登沢

700m二俣までなので、すぐかと思っていたが、ゴルジュで遊びすぎて丸1日かかってしまった。二俣先の左岸の岩小屋で泊。

8/8 ソエマツ岳南西面直登沢〜ソエマツ岳〜中の川ソエマツ岳北面直登沢

ゴルジュを越えて、稜線に近づくと前日からの悪天も回復。中の川の奥二俣まで降りるつもりも間に合わず、1200m地点ほどで右岸からルンゼが入ってくるとこで泊。下降で懸垂2回。

8/9 中の川右俣

三俣手前の釜は飛び込んで突破。上二俣までは綺麗な沢。初めて丸一日晴れる。上二俣手前の左岸で泊。

8/10 中の川右俣〜ペテガリ岳東尾根合流点

上二俣から右俣に入る。朝から小雨で少しずつ強くなる。流れは濁流になる、途中2つの滝を巻くのに4ピッチほどロープを出す。上部の三俣を左に取り、水が涸れた所でヘッドランプを出す。稜線に出た後も幕営適地を求めて北上。登山道と合流する場所が開けていたが、強風でツェルトが張れないのでオープンビバーク。6時前から23時30半過ぎまで行動。この日は本当にへばった。

8/11 ペテガリ岳〜西尾根〜ペテガリ山荘

朝から快晴。濡れた装備がどんどん乾く。のんびり出発。東尾根は顕著な踏み跡は無い。西尾根は基本快適も、下りでも登り返しが多く疲れる。立派な山荘に着くと同時に雨が強くなった。

8/12 ペテガリ山荘(停滞)

快適な山荘で停滞。昼前に4人上がってきた。

8/13 サッシビチャリ川〜1839峰南面直登沢出合

この日ものんびり出発。テン場について焚き火をしようとすると雨。直登沢はすぐに濁流になったが、雨は長くは続かなかった。

8/14 1839南面直登沢〜1839峰〜ヤオロマップ岳

南面直登沢は開けていて気持ちがよい。特段難しいところも無く、昼過ぎには殆ど藪コギもなく稜線へ。稜線の道はよい。1839をピストンした後にヤオロマップの直ぐ手前の快適な台地で泊。

8/15 ヤオロマップ岳〜キムクシュベツ沢

朝、1839へピストンする単独行者に会う。ヤオロマップから南の稜線の踏み跡は不明瞭。ルベツネより北の沢からキムクシュベツに降りるも、巻き下る最中に暗くなる、緩傾斜地に強引に泊。ツェルトの中から半分以上滑り落ちながらのビバーク。水も無いので夕飯は行動食で済ませる。

8/16 キムクシュベツ沢〜5の函先

1回懸垂のみで、Cカールの出合まで降りる。三俣は大雪渓、日高は今年は雪が多いようだ。8の函は殆ど雪渓で埋まっていた。時々泳いで(流されて)下降。時間は早いが、5の函先の河原で泊。翌日の下山が見えたのと、前夜は夕飯を食べてないので飯を大量に消費する。

8/17 キムクシュベツ〜ヤオロマップ川〜林道〜帯広

4の函から先も所々浸かったり泳いだり。ヤオロマップ川出合からは下りやすい。橋の跡がある地点で右岸の林道跡へ。所々崩壊しているが踏み跡はしっかりしている。そして何と車が入れる最奥地点で北大山岳部のパーティーに出会う。迎えの車を待っているとのことなので同乗させてもらうことに。パスタとカルピスも頂く、本当に感謝。帯広まで送ってもらう。

8/18 帯広→山部

帯広の図書館で読書、終電で山部駅へ。札幌を出た時は暑かったが、すでにかなり寒い

8/19 芦別岳ユーフレ川

この日も雨、旧道から入山。小屋の先にゴルジュがあるのみ。ガスに包まれたおどろおどろしい周りの風景は正に地獄谷。さっさと下山して13時前の電車で札幌へ。 ケータイが壊れて充電できなくなる。不便でもあるが自由でもある。

8/20 札幌でレンタカーを借りて、ニセコ経由で下道で狩場山へ

8/21 須築川〜580m二俣

水量が少ないのか、函が埋まってしまったのか難しいところは無い。快適で楽しい。ヤカンの底の手前の巻きで5mほど懸垂。ヤカンの底は右壁をリード。580二俣は最近人が泊まったような跡は無かったので整地する。

8/22 須築川〜狩場山

この日はほとんど見所は無い。最後は1時間ほど薮こぎ。下山路は歩きやすいが長い。途中ヒグマと15mほどの距離で遭遇。

8/23 道南せたな町鳥居ノ沢

せたな町の大田地区の砥歌川学校の沢川の右岸の支流を山越えで入渓。期待したような海岸瀑は無かった。もう1本北の沢も見に行くが、これも目ぼしいものでは無かった。

8/24 江差→奥尻島→男滝女滝

江差からフェリーで奥尻島へ。到着後、男滝女滝へ。

8/25 ホヤ石川ゴルジュ→ホヤ石→江差

ホヤ石の脇のホヤ石川ゴルジュへ。なかなかのゴルジュだが、ゴルジュは30分で終わってしまった。水力発電で取水されていなければもっと面白いだろう。ホヤ石は東面のリッジから登る。2ピッチ目はボロくてやばかった。夕方のフェリーで帰る。

8/26 日昼部トンネルに掛かる沢

せたな町の日昼部トンネルの北側から海岸をへつって入渓。これも期待したほどの沢では無かったのでさっさと札幌へ行き、洗濯やギアの整理をしてジンギスカンを食う。

8/27 小阪は朝に帰ったので秀岳荘の壁で登るが、15分も登るとヨレヨレ。一日中、岳人・CJ・ロクスノを読みあさる

8/28 帰宅

カメラは持ってないので写真は無いです。北海道滞在中は基本天気が悪かった。日高で1日中晴れていた日は2日しか無かった。 もともとの予定では8泊9日+予備4日で入山した日高は11泊12日かかり、過去最長の山行となった。

日高は本州の山とは違い、山塊が大きく、山裾が広い。登山道も少なく、場所により稜線上の踏み跡も薄いため、入下山も楽では無い。稜線に向かって一筋の滝のように突き上げる直登沢が多く下降も一筋縄には行かない。またヒグマも怖かった(糞を見ただけ)。4日目以降は登っている時はただただ辛かったが、日高のエッセンスを十二分に感じ取ることができた。

主な装備50mダブルロープ×2、カム・キャメ1番まで、ハーケン10枚以上、ツエルト、タープ… ロープ思ったより使わなかった(使えなかった)。ハーケンは残置も考えて多目に持ったが殆ど使わなかった。スリングはソエマツ岳からの下降で古いスリングを1本交換したのみ。天気が悪かったので、ツエルト&タープは快適だった。基本幕営地では乾いたフリース上下に着替えて、シュラフカバーのみで寝た。(オーブは封筒型の銀紙も使用)。ザックはマカルー60Lを使用、まだ少し余裕があった(小阪は50L)。食料はアルファ米とジフィーズを8日分。棒ラーメンとパスタで5日分用意した。他にスープ、コーヒー、高野豆腐、海草サラダなど。結果的に足りたがもう少し多い方が良かった。行動食はフルーツグラノーラを中心に飴や柿ピーなど。ラジオを忘れたので天気が分からず困ったが有ったら有ったでヒヨってしまったかもしれない。足回りは新品のカモシカ足袋。ウェアは下が中厚タイツ、薄手ズボン、ドカヤッケ。上が薄手下着、長袖Tシャツ、ドカヤッケ、雨具。

日高の後の、芦別・須築・せたな町の海岸瀑・奥尻島は日高に比べるとインパクトがかけるが、奥尻島のホヤ石は記録未見で初登かもしれず、登ったラインも非常に格好よかった(もろいのでお勧めはしないが)。せたな町の沢は虫が非常多くある意味で大自然を満喫できた。ある日など下山したら10匹近くダニがついていた。

オーブ