飯豊川本流

2016/9/22-25
オーブ、鈴木秀昭、山崎

2016/9/22-25夜行3泊4日で念願の飯豊川本流を3人で遡行した。2泊目の夜まで断続的な雨で天候は良いとは言えなかったが、極端に強い雨もほぼなく、雪渓は全く無かった為か水量は少なかったのかもしれない。 しかし、核心の上部ゴルジュ帯は全て姿を露わにし、厳しい高巻きを強いられた。 だが、三人の力を出し切り、行程に少し無理があった計画であったが予定以上に早く稜線に抜けられた。 登攀要素もさる事ながら、高巻きのルーファイが大きなポイントとなる谷であった。

9/22 曇り後小雨

1999年のエアリアでは加治川ダム林道終点まで車が入れたのに。。。 それを元に計画を立て2時間余計に掛かってしまう。

下部ゴルジュでは1ヵ所釜を持つ5M滝が厄介だった。 右岸の側壁を大部良輔さんが微妙なリードで越え高巻く。

下部ゴルジュ終了後、適当な幕場を求めるが適地と言うほどのところではなかったが、左岸にタープを方流れにして張り焚火も出来まあまあのBPになった。

9/23小雨一時曇り

ヒルカルの悪場はそんなに悪場ではなかった。

しかし大きな釜を持つ2M滝のところでロープを切るアクシデント。 その釜で荷揚げ後、セカンドを支点を取りビレーをしてしまい、流されATCガイドが完全ロック。 あのような状況でビレーは適切じゃなかったと反省する。

不動滝は3時間以上の高巻きかと思いきや、山崎さんの見事なルーファイで50分で終了した。 結果論だが初日でここまでの行動は可能だった。

洗濯沢まで一時間弱ゴーロの快速遡行、ここも足並みが揃っているので時間短縮できた。 中部ゴルジュは赤渋沢先で相当川幅が狭まり、流れが速い突破不可能なトロになる。 戻り右岸のルンゼから100M高巻き。

懸垂20Mで地蔵カル沢手前で沢床に立つ。 適所と言う所ではなかったが、滝谷沢先で右岸でBP。 前日同様に何とか焚火も出来、夜には星も出て快適な時間を過ごす。

9/24晴れ午後から曇り一時霧雨

上部ゴルジュはやはり核心だった。 雪渓は全く無く茶色い側壁が我々を威圧した。 この日は天気が良かったのが救いだった。

朝早々、大した滝でもなかったが、なかなかトラバれず朝から20Mの懸垂含めた高巻き。 狭まった突破不能なゴルジュでは左岸のバンドを利用して斜上したが、これが大高巻きの始まり。 途中で雫が垂れていたので水には困らなかったので助かった。 ここで高巻き隊長山崎さんが陣頭、2段階の懸垂で沢床に降りる。

ここから滝の連続で、登れない滝の高巻き〜ながーい草付きトラバースは結構神経を使った。

上部ゴルジュ後半も山崎さんの見事なルーファイで、天狗沢手前まで高巻き無事終了した。

実は前日、2日目も予定よりも早く遡行出来ていたので天狗沢まで行こうという山崎案も出たが、核心の上部ゴルジュ帯に午後の時間から突っ込まなくて本当に良かった。

源頭は文平沢左俣を詰めたが、ぬめる滝が連続し決して快適ではなかった。

9/25曇りのち晴れ

尾西小屋〜加治川ダム駐車地へ下山のみ。

下山のオオウインノ尾根は非常に下りやすいルートで、ほぼ重力に任せて走って下った。 林道終点から駐車地まで地元ハイカーの軽トラに便乗させてもらった。感謝でした!

9/22 600加治川ダム駐車地−900湯ノ平温泉〜1330黒沢出合先左岸 泊
9/23 540泊地〜900不動滝上〜1020洗濯沢出合〜1400滝谷沢出合先右岸 泊 9/24 620泊地〜上部ゴルジュ帯〜1230天狗沢出合〜1330文平沢上部二俣〜1600文平ノ池 稜線−1630尾西非難小屋 泊 9/25 700尾西非難小屋−1000北股岳−1345湯ノ平温泉ー1400加治川ダム林道終点=地元ハイカーの軽トラの荷台に乗せてもらう=1500加治川ダム駐車地

文責:鈴木秀昭


追記

秀さんの報告にあった飯豊でのトラブルに関して詳細と改善点を。

状況としてはオートロックのビレイデバイスでフォロー確保(ザイルピッチで20m強)していたところ、 フォロワーが流されて滝身に巻き込まれ、リードがザイルを切って脱出した。 残ったザイルで山崎が再リードし、持って上がったザイルを使って鈴木が腰がらみでビレイ・突破した。

ビレイヤー:水流の押し流す力が強くロックを緩めることが出来なかった。ビレイのハーケンを ハンマーで叩いたが抜けなかったため、ザックよりナイフを取り出してザイルを切った。

フォロワー:流されて動けなくなった。ナイフはハーネスにぶら下げていたが取ることはできなかった。 急を知らせるためにメットに着けていた笛を吹いた。

問題点は水流に巻き込まれたらスタックしてしまうような方法でビレイしていた、ということと思います。

腰がらみ等のすぐザイルを放せる確保方法か、ビレイデバイスを使う場合でもリードビレイのセッティングで 水流に巻き込まれたらすぐにザイルを緩めて水流から脱出できるように配慮する必要があります。 またフィックスの場合でも、流されてマイクロトラクションやタイブロックがスタックする状況を想定して、 フィックスの支点をすぐに解けるような形にしておく必要があると考えます。
→リードからフォロワーが見えない場合もあり得るので、フィックスの場合でも支点の場所を離れず、  強烈な荷重がかかったら確認する・緩めるようにする、等の対応が必要。

その他反省点。

ナイフがすぐ取り出せるところになかった。
三人目がサポートできなかった。見えなかった&声も聞こえなかった。

山崎

【写真】