鈴鹿 御在所岳 藤内壁 

  カリフォルニアドリーミング


11/17 青山・他1 

足下はすっきりした花崗岩スラブ、青い空青い海、伊勢湾から対岸
までよく見え地平線はなんとなく丸い。少々田舎くさいが、カリフ
ォルニアはこんな気分の所なのだろうか。スラブのマルチピッチだ
と思い込んでいたが、真の核心はクラックだった。京都のベテラン
クライマーについていかせてもらい、カリフォルニアドリーミング
というルートを登ってきました。
藤内壁は御在所岳北面に広がる花崗岩の岩場で、目指す中尾根バッ
トレスは車からゆっくり歩いて1時間。近づいて見上げるとなかな
か格好いい。
今回登るのは、そのスラブのきれいなライン+上部クラックをいく
フリーのロングルート。下部は傾斜は緩いけれど、こんなん登れん
の?というスラブ。
試しに取り付いてみたものの、わずか2本目のボルトの先で、こり
ゃ無理・・・落ちそう、いや落ち・・・早くもあきらめ、後はすべ
ておまかせしてしまった。根性なしだけど自分には難しかった。
晴れていても気温は低く、北面で風もあたるのでフリースにカッパ
を着込み、丁度よいぐらい。岩が冷たく指がかじかむ。
1P目 出だしの凹角に水が滴っていてクツを濡らす。ちなみに濡
れていたのはここだけ。フリクションはいいが細かくて、かじかん
だ指には厳しい。カンテに沿うあたりからいきなり難しく感じる。
2P目は適当に登っていけるけれど、支点が少ない。
3P目いかにもスラブな核心で、微妙な重心移動がドキドキ。フォ
ローでも落ちかけた。こんな所よくリードできるなぁ。
4P目、スラブを過ぎるとフェースの人工。人工は簡単で逆にホッ
としたりする。一カ所乗っ越しのピンが遠いのでアブミを残してお
いてもらった。4P目の終
了点から5P目の取り付きまで10m程バンドをトラバース。
5P目草つきのバンドを斜上し、5m程のハンドサイズのクラック。
あと2ピッチで終わりだよね、ルルンとクラックに近づけば、かぶ
ってる。え〜〜、何これ、かぶってるよ!体が上がらないよ。登れ
ないよ。痛いよ(面倒がってテーピングしなかった。手袋でごまか
す。)。”日本の100岩場”には5級か4級-となっていたけど嘘だ
。リードはフリーで抜けたのに、私は情けなくA0。しかも次はさ
らに難しいという。
6P目引き続きクラック。短いが肝心なところがフレアーしてたり
して見た目より難しい。リードもとても苦労して結局悔しそうにA
0まじり。私も、どうしていいやら迷ううち落ちて、またキャメロ
ットを掴む。
無事終了点まで連れて行ってもらい、最後は二人同時下降の懸垂を
初体験(うわー速い!)。3ピッチであっという間に地上に降り立
った。支点は大半が古いリングボルトでたまにペッツル。終了点は
立派に整備されている。ついでに、帰る前に近くのフェースルート
2本やってみた。簡単ながら50mもあるのでぐんぐん登った気にな
れて満足。
ちなみに御在所岳のある鈴鹿山地は、関西から気軽に日帰りの沢に
出かける場所で、冬には雪も積もるし、ちょこっと氷もできます。
下山後、紀伊半島にある泳ぎの沢、池郷川の横にある石ヤ塔という
クラックの岩場へ向かった。が、翌日は残念ながら雨天で岩場見学
だけになった(実はほっとした)。ワイドなクラックが走る岩峰が
いくつも突っ立ていてすごそうだった。