どこかに行きたいのだけど強い寒波だしなぁと迷った挙句、近場の雲取山でフリート
レックを試してみることにした。
スキーなんて使う山じゃないだろうけど手軽そうだし、気が向けば泊まってもいい。
で、結果ラッセルにとても活躍してくれた。

奥多摩駅からバスで鴨沢へ向かい、登山口で泊。バスって旅情がある。動物らしきガ
サガサいう気配。見たい気はするものの億劫さに負けてツエルトから顔を出さなかっ
た。透明な覗き窓があればいいのに。

1日目 7:30ごろ歩き出す。最近歩いていなかったので早速バテ気味。誰もいない
かと思っていたら、一人軽装のおじさんが飛ぶように抜かしていった。こんなハイキ
ング道を大げさにザックを担いで、よたって進む自分は相当格好悪い。靴も重いし。
ダラダラ続く道に雪は途切れ途切れ、変わり映えしない景色、昼寝でもしようか。
すっかり飽きてきてしまった。気分転換にフリートレックを試してみる。初めてなの
だ。靴の位置も移動できるし、カカトも上がるみたい。はしゃいで着けたり外したり
転んだりして進むうち、周囲も雪山らしくなり、気分ものってきた。おぉこれいい
じゃん!とかやってるうち15時ごろ避難小屋着。というか山頂着。山頂は意外に見
栄えしなくて小屋の方がメインって感じ。でも眺めはよくて、富士山も東京のギラギ
ラの夜景も星も翌朝は日の出も見えた。小屋でぬくぬくしながら他の人達と沢の話で
盛り上がる。泳げる季節が待ち遠しい。

2日目 日の出を見ながら準備。縦走したい気分になって西へ向かうことにした。雲
取から先はトレースがないし気分もずっといい。しょっぱなの下りでこけまくる。意
地で滑ろうとしたが、歩いた方がよっぽど早い。まぁこけても何でも下りは楽。それ
より登り。ラッセルは覚悟していたけれど、やっぱり大変だった。スキーをつけてて
も膝まで沈むし、雪がやわらかすぎて傾斜があると登れない。壷足にすると腿まで沈
む。時間ばっかり過ぎていく。地図見ても何てことない道なのに飛竜山まで夏のコー
スタイムの2倍以上、9時間もかかった、つかれたー。
飛竜山の先は、どこまで進むか迷うところ。ノートレースの山を雪にまみれて進むの
は嫌いじゃないし、天気もいいし、食料も燃料もやたらある。条件はそろっている。
けど、これ以上ラッセルを続ける気は失せたしラーメンも飽きた、週末他の山行バン
ダイとかアイスとかにも行きたい、うん、明日は下山しよう。そうしよう。
ママゴトみたいに水を作ったりして、風の当たらないツエルトの中からゴウゴウと山
を通り抜ける風音を聞くと、山はこれだよ、これ!って満ち足りた気持ちになる。こ
んな所に数日滞在するのもいいなと思う。

3日目、一山こえたら、下るのみ。登りのラッセルさえ過ぎれば、あとは順調。標高
が下がり雪が無くなってくると、それはそれでさびしい。スキーを履いたり脱いだり
しながら最後は丹波の集落へ急斜を転がるように下山。
里の裏山だとなめてたけれど、3日間けっこう充実した。全然滑れるようにはならな
かったけど、まぁいいや。今度はゲレンデに練習に行こう。
ラッセルの稜線なんかにもあこがれているが体力作りが先だと思った。

2/2快晴 鴨沢(7:30)〜七ツ石山〜雲取山(15:00)
2/3快晴 雲取山(7:10)〜飛竜山(16:00)〜前飛竜とのコル泊(16:40)
2/4快晴 コル(7:10)〜前飛竜〜ミサカ尾根〜丹波(13:00)