■中国/伯耆大山 八合沢、別山沢(滑降)
2005.3.26-.27
鮎島仁助朗
水曜日の山登魂の例会へ行っても2名しかおらず、この週末のプランが出されることはなかった。この週末は暇だが、先週の八海山でちょい疲れているので楽して誰かのプランに乗ろうと考えていたので、急遽プランを考える。いろいろ資料をめくってみる。東北道は遠いし、関越は先週行ったし、中央道・・・。そういえば28日月曜日は、朝から宇部で会議だった。土日、西日本は天気が良さそうだ。先週、苦労して全コピした「山スキー百山」。最終ページには大山が載っている。3月下旬にみんな行っているようだ。よし、伯耆大山行こう!23日の水曜日夜、決めた。
朝8時半に家を出て11時すぎ羽田空港を離陸、12時半すぎに米子空港に到着する。そこからの移動はレンタカーを予定していたが13時に予約していたレンタカー屋の迎えが来ない。電話すると、1日間違えて27日から予約していたらしい。幸い、空車があったらしくその車、ミラを使わせてもらう。カーナビ付き。
14時に米子駅前店で手続きを終え、いざ登山口大山寺へ。カーナビのおかげで30分で到着。諸々の準備を終えて14時45分出発。レンタカー手続で予定より遅くなってしまった。金曜日は米子市内でも吹雪いたらしく、川沿いの駐車場には雪が積もっている。ただし、本日の気温は15℃ですでにベチャべチャだ。
フリートレックを担いでペースMAxで行く。荷物は軽くガンガン行く。足元軽くガンガン行く。天気もよいのでガンガン行く。すると1時間20分で弥山の山頂についてしまった。やったぜ。理由なくうれしい。大山では剣ヶ峰が最高点であるが、登山道が閉鎖されている今、ここが大山頂上といってよい−−−。しかし、やはり最高点である剣ヶ峰へ行きたいもの。幸い、体調万全、時間もあり、天気もよく、さらにトレースがあり−。多少やせているが先週の八海山ほどではないと確信し、アイゼンを履きピッケルを持って空身で剣ヶ峰まで。確かに目測どおり、2箇所ほど嫌らしいところはありアイゼンもダンゴになるが苦労なく、さくっと誰もいない剣ヶ峰山頂で咆哮。30分で往復。弥山山頂小屋の管理人のおじさんに、「キミみたいに平地で歩くように登ってきて、さくっと剣ヶ峰往復してきたヒト初めてだよぉ、しかもスキーで下るんでしょ」と言われれば、やはり気分はよい。「また明朝来ます」と言い残して、さっさと下りに入る。その途端、雲がささ〜とくるが、少し夏道登山道を下がれば、問題なし。とりあえず、全然地理感覚がないのでシュプールがある斜面で一番上の斜面から元谷側へドロップイン。上部は35度くらいか。やはり、先行者のスキーが落とした雪で小デブリ状になっていて上はゆっくり滑らなければならないが、幸い雪が緩んでいて転んでも絶対に止まる(一度も転ばなかったが)。またまったく雪崩れそうもない。しばらくそんな感じで上部を滑れば、途中から沢は開け左側へ行くと小デブリはなくなり、そこから思い切り攻め込む。う〜ん、気持ちE。大山北壁のなかこの遅い時間で誰もいない谷を本当に独り占め。そこから元谷とすぐ合流すると斜面はゆるくなり、すぐに堰堤。それからは崩壊している大山北壁からの岩石を食い止めるように堰堤が続くがすべて左から。最後に右岸へ渡り、大山寺参道を滑ると大山寺。ここで雪が途切れる。そこから5分で駐車場。
とりあえず、レンタカーがもったいないので昨晩100km離れた鳥取砂丘まで出かけてみるも、夜でまったく何かわからない。「月の砂漠」か・・。あまりピンとこないな。夜は大山寺まで戻って、レンタカー内で就寝。
朝6時出発。昨日と同じく1時間半で登るペースで最初はガンガン行くが、やはり疲れているし斜面も朝なので硬く途中からアイゼンをはいていると、先ほど抜かしたばかりのいいペースで登るおばさんに抜かれた。悔し紛れに六合沢はシュプールが描かれていないので、とりあえず足慣らし。100m滑って登山道へ。再び登る。実は昨日滑った沢がどこの名称になるのかわかっていなかったが、この登り返しの際に八合沢であることを確認、とりあえず弥山頂上へ。今日も昨日と同じように薄晴れという感じだが海が見渡せる点で違う。
とりあえず、まだ時間が早く、レンタカーを返却にもまだまだ余裕がある。しかし、どこへ行こうか。剣ヶ峰は昨日行ったし、南壁や西面の大ノ沢も興味があったが、登り返しが面倒だ。そうだ、境港でカニ食べよう。カニかに蟹クラブ。そうと決まったらできるだけ早く下りようということで登ってくるときに見た別山沢へ。別山沢、昨日滑った八合沢のもう一本山頂よりの沢筋であるがまだシュプールがなかった。記憶によれば、なんだか斜度は40度以上あって、落石もあると資料に書いてあったような気がするが、天気もいいし昨日の雪質であればきっと大丈夫。
昨日、ホメ殺しにあった山頂小屋の管理人の見送りを受けていざ別山沢へ。確かにドロップポイントから両岸とも岩壁に囲まれ、下がどうなっているのかわからないし、40度ほど傾斜がありそうだ。しかし、雪は緩く初っ端体勢を崩すも果たしてまったく大丈夫。そのまま快適にやっぱり小デブリ状になったところを下りると陽のあたっていないところは硬くて緊張するが、そのまま傾斜が緩まるところまで。まったく雪崩や落石などの予感がなく快適。振り返れば、なんかルンゼ滑降した感じに両岸が切り立っているところを滑った感覚となるが、そんな難しくはない。
八合沢からの沢と合流すればそのまま昨日と同じ途をたどり大山寺へ。そのまま境港へ向かう。
霧が峰→美しが原と同じく思いつき山行だったが伯耆大山、最高mAx。毎週スキーでもうそろそろマンネリ化しつつあった東北・関越スキーとは違ってなにより山頂より海が見えるというのはなんだか気分がいい。
そのまま行った境港でのカニも旨かったし、最高。その「さかなセンター」隣にある「みなと温泉館」はなかなかお勧めの風呂である。露天からは海を挟んだ対岸に大山が見える。米子空港にも近いし、晴れていればよいところだ。−−−しかし、それからの宇部までの旅路は長かった。米子空港から自宅へ帰ったほうが逆に早く帰れたような・・。まぁそれはそれでよし。
2005.3.31 鮎島 筆
【記録】
3月26日(土) 薄晴れ
大山寺1445、弥山1605、剣ヶ峰1625、弥山1645、大山寺1725
3月27日(日) 薄晴れ
大山寺0600、弥山0830、大山寺0915
@七合目より
A八合沢ドロップイン
B別山沢ドロップイン