■北ア/毎日槍を見ながらスキーツアー(新穂高〜双六〜槍ヶ岳)[山スキー]

2005.5.1-.4
寺本久敏、青山方子
 白神大縦走は日程の都合であきらめ(ホントは体力に自信が無いから)、青山さんと槍・双六スキーに行って来ました。  結果は最高の天気の下、大満足なスキー縦走が出来ました。
4月30日
 19:30川越駅で集合し関越・上信越経由で新穂高へ向かう。全く渋滞も無く0:00新穂高に到着。登山者用駐車場の場所が分からなかったので手前の駐車場にテントを張り軽く一杯やり寝る。

5月1日
 登山者用駐車場へ車を移動して6:30出発。登山届を提出し右俣林道を進む。
 穂高牧場付近までは全く雪が無く、白出小屋辺りから雪が出てきたのでスキーに履き替える。チビ谷を渡った所から沢に降り先を急ぐが荷物が重く息は切れるし時間ばかりかかる。12:30やっと槍平に到着。テントが2張り、冬季小屋は誰もおらず広々とした空間が手招きしてくる。明日は雨の予報でもあり誘惑に負けそうになるが、まだまだ時間が早すぎる。バテバテになりながら14:30、大喰岳西尾根を回り込んだ辺り宝の木近くに幕場を決める。
 テントを張り終えたころ雨が降り始めた。予報より降り始めが早かったので明日からの天気は期待出来そうだ。新メニューのおかずで楽しく飲み早めに就寝。

5月2日
 夜中降り続いた雨も上がって天気は回復の兆し。雨でゆるんだ飛騨沢を詰めて行く。途中で荷をデポし10:30飛騨乗越に着いた。槍ヶ岳がバッチリ見える。今日は出来るだけ進んでおきたいので槍へは登らず飛騨沢を滑り始める。
 荷物を回収してあまり高度を下げないところから西鎌尾根に取り付くが急斜面+岩稜登りで苦労した。
 尾根に上がると反対側に千丈沢の大斜面が広がっている。これがまたスゴイ斜面ではるか下まで絶好の大斜面が続いている。
 あーあそこまで行ったら登り帰しがキツイだろうな、という訳で今回はあきらめ先を急ぐ事にする。
 西鎌尾根上は千丈沢側に雪が多く残っており結構スキーが使えました(雪庇に注意)。目指す樅沢岳のコルはまだ遠い。
 振り返ると槍と北鎌尾根がどっしりと構えている。進む方向には薬師、鷲羽が遠くに見えている。弓折岳から蒲田川左俣への斜面も楽しそうだ。(青山さんは気に入ったらしく、いつか行きたいと言っていた)小ピークをいくつか越えやっと樅沢岳のコルに着いた。
 (あ、そうそう、西鎌尾根縦走中に近松さんに会いました。わらじの方と双六方面から来たようです)
 さあ今日2回目の滑降だ。雪の状態も思ったより良く誰のシュプールも無い大斜面に飛び込んでいく。
 ウヒョひょ〜イと500m程下りた二俣付近に最高のテン場を発見!即ねぐらに決定。天気も良いので外で一杯やり始める。
 酔いも進み、ちょっとしたいたずら心で白樺の薄皮を集め火をつけたら、まあーよく燃える事。いかんいかんと思いながらも青山がせっせと枯れ木を集めてくるのでついつい・・・。
 濡れた靴下・手袋を乾かしテントも場所を移動させ、赤々と燃える炎にグビグビ酒をあおる2人でした。雪の上でも結構燃えるものですね。

5月3日
 今日は湯俣川まで滑り込んで弥助沢を目指す。昨夜は放射冷却の影響でずいぶん冷え込み寒い思いをした。
 雪はガチガチで滑り辛く足はパンパン。途中、滝の所で沢が割れており慎重を期してアイゼンに履き替えトラバースする。その後、雪は硬いものの快適に滑って出合いに到着。ここで少しビーコン練習をする。
 弥助沢まで緩やかに高度を上げ振り返ると昨日滑ったモミ沢がよく見えた。弥助沢は途中1ヶ所急斜面がありスキーを脱いだが、特に問題なく三俣小屋に出た。三俣蓮華岳からの斜面には何本ものシュプールが見える。
 予定では黒部源流を滑るつもりだったが、この辺りの黒部源流は斜度もあまり無くかなり下まで滑らないと面白くなさそう。って事をを言い訳に黒部源流滑降も中止して三俣蓮華岳への登りに取りかかる。結構遠くに見えるんだけど、やっぱ遠いんだろうなー。
 正面に見える岩を左から巻き最後の急登はアイゼンに履き替え頂上へ。薬師、北ノ俣、黒部五郎、笠、穂高と全くの絶景だ。
 スキーを途中に置いてきたので双六へはトラバース道をとった。
 もったいないほどの大斜面を延々とトラバースし双六岳への登りに入る。今日最後の登りなので、ファイト一発!気合で一気に登りきることは出来ませんでした。大きくジグザグを切りたどり着いた頂上からは笠が岳が大きくお出迎え。
 黒部五郎からスキー2人組もやって来て絶景に感動している様子。はやる気持ちを抑え滑降の準備に取り掛かる。
 青山は待ちきれないようで大斜面に飛び込んで行ってしまった。丁度よい斜面が延々と続き、途中振り返ると山頂ははるか彼方、気持ちいいけど高度を下げるのがもったいなく途中、何度も振り返ってイイネーイイネーを連発。
 下り切った二股は沢が割れていて、南峰側の沢で水を補給する。やっぱり沢の水は美味い。二人で7―8リットルも水を汲んで今夜の分は十分すぎる程。重くなったザックにフラフラしながら滑り大ノマ乗越取り付き付近にテントを張り最後の夜を迎えた。
 今日は結構登ったので2人共お疲れモードだったが、ラーメンを食べるとたちまち元気回復。明日の行程は大したことはないので遅くまで飲んで、次はあそこに行きたいこっちも良いよ、なんて話しているうちに夜はふけていきました。 

5月4日
 陽が当たって雪がゆるむのを待ってゆっくりと出発。大ノマ乗越までの登りは短いが急斜面で息が切れる。
 登りきったコルからは槍・穂高連峰が大迫力。ゆっくりと絶景を堪能してから滑降に取り掛かる。
 出だしから快調にスキーを走らせるが南向き斜面で所々雪がくさっていて足を取られそうになる。
 この斜面はスキー、縦走組と人だらけ。日帰りでここを滑りに来ている人も多く確かに素晴らしい大斜面だ。下部は秩父沢からのデブリがひどく注意しないとコケそうになる、特にショートスキーの青山は苦労していた様子。
 左俣谷林道に入ってからもずっと雪は続いており、笠新道入口までスキーが使えたのでずいぶん時間短縮になった。
 その後はスキーを取ったり付けたりしながらしつこく穴毛谷付近まで滑る。賑わう新穂高で下山届けを出し帰路に着いた。
 帰りは予想通り大渋滞で青山さんには悪いが藤岡から電車で帰ってもらいました。
 また次に来るときは十分な日程であちこち滑りたいです。とにかく何処をとっても素晴らしいスキールートばかりが記憶に残った山行でした。

寺本 記

【記録】
5月1日
 新穂高6:45−白出沢9:00−滝谷10:00−槍平12:30−宝の木手前2:30(泊)
5月2日
 テン場7:30−飛騨乗越10:30−飛騨沢滑降−千丈沢乗越12:10−西鎌尾根縦走−樅沢岳手前コル15:20−テン場16:45
5月3日
 テン場6:30−本流出合−弥助沢−三俣山荘10:30−三俣蓮華岳12:30−双六岳15:10−双六沢滑降−大ノマ乗越下16:45(泊)
5月4日
 テン場8:30−大ノマ乗越9:30−新穂高12:30

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