錫杖岳 1ルンゼ・左方カンテ・(烏帽子岩)


行ってきました錫杖岳。

アプローチの登山道を見逃し、最初から藪をこいだりして山はどこも甘くねーな。ザックも重いぜ。快適登山なんてないねと独り言しつつ1時間くらいがんばっ て登ると突然樹間から錫杖岳が現れる。これぞ岩山。文句はない。迫力は写真の比ではない!やさしくはないが支点はしっかりしていて岩は硬く日本離れしてい る。岩場の真ん中にあり、この前衛壁の初登ルートである1ルンゼと岩場を代表する左方カンテを登れて遠征隊は大成功。岩を登りきった上の草原もクライマー だけの別天地であった。と、ここまでは前衛壁の話だ。

烏帽子岩は恐ろしかった。 つっこんでいった治田さんが苦労しながらじわじわとザイルを伸ばし、カンテ状を回り込み姿が見えなくなって暫くして突然、谷を揺るがす大音響が。ドッゴー ン・・・バッコーン!バーンバキバキバキ!上方に白い硝煙が舞い上がった刹那岩に張り付いたが、少し離れていた高田さんたちにはテレビ大の岩が落ちてくる のがスローモーションのように見えたそうだ。ザイルの衝撃を覚悟していると治さんは落ちてこなかった。あーいがったー。戦意喪失の高田/青山パーティは昼 寝を決め込み、自分は手繰られるまま、フォローするが岩がぐらぐらしているし見た目と同じく登ってもやっぱり立っている。辞書くらいの岩をつかもうとして 落としてしまう。治さんの所までたどり着き、やめましょうと懇願し、そこからわずかにザイルを伸ばしハイ松で支点を取って下降してきました。登ろうとした 東の肩ルートではなく、南壁であったようだ。

報告 高橋

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