黒又川左岸流域
羽根川大倉又沢道行沢〜外芝倉沢右俣右沢下降〜右俣左沢〜三ツ又集落
メンバー:長嶋 剛
6月25日
前夜、家を出るのが遅くなり結局0時出発。3時過ぎに中子沢の林道の奥に着き、仮眠。
6時起床7時出発。不明瞭な道を行くが、暑いので早々に沢に下りる。蜘蛛の巣が多く、片手に棒を持って掃いながら進む。水が若干濁っている。唐松沢の出合を過ぎて平凡な渓相をしばらく行くと、いきなり雪渓が出てくる。こんな下からかと少しあせる。ズタズタで左から巻く。降りたり巻いたりを繰り返しながら進んでいく。出合に井戸の底のような5Mの滝のある沢が左から合流し、道行沢だと思って入る。しかし、2〜3の小滝を越えたところで、あるはずの無い二俣になり、間違えたことに気付く。1本手前の沢だった。仕方なく戻ったが、ここで1時間近くロスしてしまった。本流に戻って少し行くとゴルジュの中に巨岩の滝があり、強引に越えると後は平凡な沢歩きになる。しばし歩を進めると左から下段5M、上段15Mの見事な滝を出合に持つ道行沢が入ってくる。雪渓から滝の右に乗り移ると楽に巻くことができた。この先何が出てくるだろうとわくわくしながら進むが、平凡な沢歩きのあと、雪渓歩きになってしまい、その点では期待はずれだったが、いい天気の下、良さげな幕場適地が所々あり、いっそのこと泊まってしまおうかと迷うが、あまりにも時間が早いので後ろ髪を引かれつつ稜線目指して重い足を引きずる。詰めは急で潅木も疎らで思いのほか苦労した。
稜線に上がり、下降点の1001Pを目指す。道というには程遠いが藪漕ぎよりかはぜんぜん快適だ。15:30下降開始。急な潅木帯が続き神経を使うが、ようやく雪渓に乗れた。幕場予定地の右俣の右沢と左沢の二俣目指してずんずん降りる。右から沢が1本入ってきてそこがてっきり2俣だと思いこんで幕場を探し始める。シーズン中だとぜんまい小屋があるはずなのだが平らなところは全然無い。くたびれたのでかろうじて寝れそうな少し斜めった所にフライを張る。目の前15M先にカモシカの死骸が転がっている。こんなはずじゃなかったと思いながら菊水を飲って寝た。
6月26日
4時起床。今日もいい天気だ。稜線から下降に使う尾根の道の状態だけが気がかりだ。
6時出発。雪渓を下りだすが、すぐに雪渓が切れて降りれない滝を右から巻くが、その先も雪渓があり、様子を見ながらそのまま潅木帯をトラバースしていく。雪渓の切れた所に下りて少し進むと二俣だった。中間尾根には道がついており、良い幕場になりそうな所だった。ここまで1時間。昨日もっと頑張るんだった。実はここが昨日の幕場予定地の右俣の右沢と左沢の二俣なのだが、アホーなので右俣と左俣の二俣と勘違いして左にルートを取る。しばらく行くとすぐに雪渓に乗る。右から大きな滝を持つ沢が入ってくるがそのまま左を行く。詰めは涸れたいやらしい小滝が次々に出てきて疲れる。ようやく詰め上げるとアレレ右俣と左俣の中間尾根だった。自分のアホさ加減に愕然とするが、その分早く帰れるから良いかと歩を進める。暑いので多めに背負った水が重い。ちゃんとした登山道じゃないので道を見失わないように進む。902.8Pから派生する尾根に入るが、ところどころ急な所があったり枯葉が積もって滑りやすかったり道を見失いそうになったりで結構必死で歩く。方角のことなど考えないでひたすら道を辿っていたらやっと下の道が見えてくる。おまけに無いはずの神社まで。隣の集落の三ッ又だった。家で資料をよく読んだら三ッ又方面と中子沢方面の分岐から先は中子沢方面は不明瞭とのことだった。1人旅の黄色いフィアットのオープンカーの人に乗せてってあげるよと言われたが、自分でも臭かったので丁重にお断りして罰ゲームで照り返しの強いアスファルトの上を1時間も歩いてようやく車に戻ったのだった(13:30)。