■北ア/唐松沢Dルンゼ[滑降]

2007.3.3
鮎島仁助朗、佐藤勝(ぶなの会)

八方尾根を歩く(後は唐松沢Dルンゼ)
 今回も入山は八方尾根スキー場リフトを使用するが、下ってくるところは二俣と距離が離れているため車2台で行こうということで梓川SAで待ち合わせ。ここで勝さんのジムニーを見てみると、あれ、キャリアがついていない。この前はつけるっと約束したのに〜〜。まぁそれほど乗る時間は少ないので、今回はかまわないが・・。八方尾根のローソンで再度待ち合わせて、一緒に二俣に向かってジムニーをデポした後、私の車で八方尾根へと向かう。ゴンドラとリフト2つで終点まで。やはり雪が少ないのか、オリンピックの滑降競技スタート小屋が宙に浮いている。
 天気は快晴。やはりというべきか八方尾根を登ろうとする人がワンサカいる。我々も負けじとシールをはいて登り始める。八方池辺りを過ぎ、斜面が硬くなり始めた頃、勝さんが「アイゼンはこうよ」といってくる。どう考えてもまだ斜面は緩やかでまったく必要を感じない。なんでだろう??「いや私はいいです」というよう抵抗してみるが、確かにある程度傾斜が強いところでは、スキーは無理のようでスキーを担ぐが、それでもアイゼンは履かずに抵抗を試みるが、意外とけりこめない。ここは素直にアイゼンを履く。やはり、スキーを担ぐとザックは重い。しょうがない。まぁガンガン進む。
 本当に天気がよく、八方尾根から唐松岳方面は終始眺められるが、はっきり言ってどれがどのルンゼとか沢になるのかまったく分からない。幸い、勝さんは昨年唐松Cルンゼを滑っているので地理感覚があるようで、説明をしてくれる。っっと、Cルンゼ滑ったって??おい、無理でしょう。アソコを滑るのは。すげぇ狭いじゃん。それにドロップポイントは雪庇がかかっているし・・。勝さん、すげぇ。まぁとなりのBルンゼはそれ以上に無理だな。でも、AとDは広いし条件よければ行けそうかな。でもAルンゼはなんか切れていて今回は無理そうだな・・。って今回の予定の唐松本谷ってどれ??え、見えないの?なーんだ。どうせならDルンゼいきたかったなぁ。かっこいいし。まぁ別に唐松本谷でもいいけど。っで、唐松本谷ってどれくらい?Dルンゼと同じくらい。ふーんそうなんだ。という感じで、尾根を歩いていく。
 先行は5名で、そのうち3人がスキーヤーのようだ。我々がちょうど丸山を過ぎたあたりで見渡すと一人はすでに唐松本谷を下ったようでシュプールがあり、ちょうど2人が不帰V峰のところにドロップポイントを探っていた。あぁ唐松本谷、バージンじゃないじゃん。がっかり、ならDルンゼいきたいなぁ。でもあの2名はどこ滑るンかな?BかなCかな、やっぱDなのかな??まぁ気にしてもしょうがないので、唐松山荘を過ぎて、唐松岳の手前のコルにつくと、やっぱり残念なことに彼ら2人はDルンゼとCルンゼを1名ずつ滑ったようだ。どうしようか?本来は唐松本谷の計画だったが、雪はパックされていて雪崩れる雰囲気はないし、唐松本谷もDルンゼも同じバージンじゃないなら、Dルンゼいきたい。そうアピールすると、勝さんもそうしようといってくれた。うれしいね。
 唐松岳山頂で一応記念写真を取り、不帰V峰へのコルへと下ったところで準備。まずは弱層チェック!雪を削り、その上に乗って踏ん張ったりジャンプしたりで、雪の状態を確かめてみる。崩れない。やっぱり大丈夫だ。これまでスキーでは弱層テストはやったことがなかったが、やっぱり必須なんだろう。今回勉強した。
 一息入れて、いざドロップイン。斜度は35度くらいで、谷も広く転んだらやばいとかそういう緊張感はない。いちおう、勝さんが滑り込んでから合図があるまでまってから滑る。多少雪は硬いものの、快適快適!。慌てて連続ターンをしなければ、それほど転ぶような斜面でもない。でも敢えて、やっちゃおうとするんだな。するとやっぱり転ぶんだな。まぁ10mぐらいで止まるが、勝さんに怒られた。転ぶな・・と。それにしても、斜面が硬いというのはとても太ももにくる。久しぶりのアイゼンでふくらはぎが疲れているうえでの太ももはヤバイ。つりそう。そうなってくれば、踏ん張りが利かないのには参った。ちょっとでも不安定になると転んでしまう。前から思っていたが、やっぱり靴のカントの角度調整が甘いのかな。次からはもっと深くしよう。
 唐松本谷を合わせ、左から不帰沢、天狗沢を入れていくにしたがい、谷は大きく開け、次第に傾斜もなくなり、そして雪が重くなる。谷は右に折れ狭まっていくとデブリで谷が埋まり、やがて大滝となる。ガラガラ沢を下ってきたらしいボーダーがいて、右岸の小尾根を登り返しているが、前に滑り込んだ人らしいシュプールは大滝へと向かっていて登り返してきた形跡はない。っということで大滝も繋がっていると思い下ってみると・・。確かに繋がっていること繋がっているのだが、チョットしか繋がっておらずさらに傾斜もあり、これはヤバイ。勝さんはなぜかスキーを履いたまま下ろうとするが、わたしは無理と判断しツボ足で下るが、よーくみるとちょっと切れている。おーい。しょうがないジャーンプ。まぁ3mぐらいだけど。まぁ無事に降り立ってみると、勝さんはまだスキーを履いて奮闘しているが、やばいなぁ。だって下が切れているんだもん。観念したようで、スキーをはずして降りようとしているが、これまたやばいところになっている。まぁ何も言わずに置こう・・。なんとか無事だった。勝さんも自分のいたところを下から見ると蒼白になっていた。
 あとは、川をよけながら進んで林道まで。林道は何とか雪が繋がっているが、最後の最後はやはり雪がなかった。二俣で車を回収して、スキー場へと戻る。

2007.3.9 鮎島 筆

【記録】
3月3日(土)晴のち高曇り
 八方尾根0900〜頂上1230〜二俣1545

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