■関越/魚野川檜又谷大スラブ [クライミング]

2007.7.1
鮎島仁助朗
 前々より、檜又谷大スラブには行きたいと思っていた。尊敬する大学山岳部OBが行っていたからだ。その記録によれば、まったくロープを使うことなく行っているので単独でもまったく大丈夫のような気がした。

大スラブを下から望む
 23時には吉祥寺を出て、関越道を北上する。湯沢I.C.で下りて土樽方面へ向かい、黒金沢出合辺りに車を止めて車中泊。
 朝起きると靄がかかっている。このような天気だとまったくヤル気が殺がれてしまう。できる限り不貞寝を決め込み、やめるもっともらしい理由をいくつか考えることにしたが、天気以外にはなかなかいい考えが思いつかない。しょうがない。結局、いろいろあったが準備をして蓬沢の小さいダムを渡って踏み跡を忠実に辿って檜又谷へと入る。
 檜又谷はなんだかいい感じの川だ。資料ではある程度まで左岸側に道があるらしいが、見つからない。したがって川沿いを溯っていくが、これもまぁ、大河とまでは行かないが川を溯っているという感じで、ただのゴーロ歩きでも気持ちがよい。左岸からダイレクトスラブが入ってきたらその次、右岸から入ってくる沢が大スラブである。もちろん、水量はあまり多くない。
 7月上旬だと出合からちょっとのところに雪が残ることがあるらしいが、今年は一切雪はなかった。出合からちょっと30mぐらいの滝がかかっているが、傾斜も強くないし、階段状なのでいたって簡単である。でも、ちょっとでも足を滑らしたら終わりなので、ロープがあってもいいかもしれないが、私は出さなかった。このあたりから転機もよくなり視界も開け、なかなか爽快だ。やはり、あそこで帰らなくてよかったと思うこと仕切りだ。
 その後の傾斜はそれほどではなく、手をつく程度のが続く。一箇所、段差帯があるが、それは右から巻くようにして登れば問題なかった。その段差の上も好きなルート取りでひたすら登るとスラブ終了点。そこから大スラブ頭までは薮濃いが20分程度、大スラブ頭から武能岳北峰までは全然たいしたことがない薮(股程度)だった。
 蓬峠へ下る。大スラブのルート中は雪がなかったが、この登山道から湯檜曽川方面を見るとまだ雪がぎっしり残っていた。とくに大倉沢はまだまだぎっしり、無理そうな気がしたが、行く予定もないのでどうでもよい。後はよく整備された道をガンガン下れば意外と早い時間に車に戻ることができた。

2008.4.24 鮎島 筆

【記録】
7月1日(日)曇
 黒金沢出合駐車地0630、大スラブ出合0730、武能岳北峰0915、駐車地1030

【装備】
沢靴、クライミングシューズ
※ロープ・登攀具は使用せず

【写真】
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