八ヶ岳・赤岳鉱泉定着
↓ クリスマスルンゼ
八ヶ岳・赤岳鉱泉定着合宿報告
参加 U兄(無所属) 渡辺(山登魂)
2007年12月24〜28日
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12月24日(月) 池袋〜茅野〜赤岳鉱泉
前日の雪で、林道から見える横岳西壁は真っ白。大丈夫か?
酒などの担ぎすぎで喘ぎつつ、なんとか鉱泉に到着。アイスキャンディーがすごい。テン場代はなんと一人1000円!しかし、水をタダで供給してくれるし、便所も快適なので、「勘弁してやるか」という感じである。テント張って宴会。
12月25日(火)
中山尾根登攀
本来は石尊稜に取り付くつもりだったが、取り付きが分からないため中山尾根へ。トレースを追って下部岩壁に出る。
出だしは本来、右下に一段下がった凹角だが、一段下がるのが既に危険。ビレイを取って、U兄がそーっと降りて凹角を覗くが、「悪そうだ。正面にしよう」。で、正面のフェースを選択。天気はちょっと曇り空、正面のフェースはそれほど雪がついていない感じで、コンディションとしてはまずまず。肝心のフェースは、見た目にはステンレスハンガーボルトが連打してあって安心だが…
1p目 U兄リード
正面にとりつき、1ピン目でA0して右トラバース。フォローの俺もあえなくテンショントラバース。その後も簡単ではない。このライン、X級A0以上に感じた。ちなみに、上から見た正規ルートの凹角は雪べっとり。
2p目 渡辺リード
大岩の左を回り込んで雪壁を上がり、岩の下でビレイ。アンカーは木。簡単だし灌木でランニングが取れるので楽勝。
3〜4p 雪稜をつるべ。
5p目 核心のW+ U兄リード
正面右の凹角を登る。フォローしてみると、下部はややスラビー。ハンガーボルトがあるのでトップでも精神的には楽かと思ったら、抜け口の傾斜の強いチムニーは残置ハーケンとアングル。最後のガバも無雪期なら絶対掴まない代物。浮いている岩が凍ってくっついているだけの気がする。ああ、セカンドでよかった…。
6p目 渡辺リード
よく覚えていないが、確か簡単な雪稜で、岩の段差に金ぴかのスチールハンガーが1本あったのでそこでピッチを切った気がする。
7p目 U兄リード
岩壁を左から巻いて、草付きを登る。簡単だが全くランニングが取れず、トップは怖いだろう。
8p目 渡辺リード
トサカ状岩峰を右から巻く。途中、ハンガーボルトでランニングが取れたのでコンテに切り替えて登山道へ。登山道でスタンディングアックスビレイして、U兄を迎える。地蔵尾根分岐まで歩いて、テクテク下降。テントに帰ってパーティ!
12月26日(水) 小同心クラック登攀
大同心沢のトレースから大同心稜に上がり、大同心基部をトラバース(簡単だが超危険)して小同心基部へ。中央大パーティ4人(OB2人、現役2人らしい)が準備していた。(おかげさまでラッセル助かりました。ありがとうございました。)日がさんさんと当たり、6人もいるので、何かゲレンデのようである。
1p目 渡辺リード
傾斜の緩いフェースから凹状に入り、チムニー内のテラスでビレイ。下部のランナウトが精神的にくるが、凹状に入るとハンガーボルトがあって安心。
2p目 U兄リード 核心のチムニー
チムニー登りだが、セカンドだったためあまり覚えていない。とりあえず中山尾根ほどの緊張感はなかった。
3p目
渡辺リード
これまたあまり覚えていないが、途中から尾根に出て、岩峰を右から巻いて、その奥のビレイ点でビレイしたと思う。
以降、簡単な雪稜をコンテで進み、稜線直下の岩稜でスタカットに切り替えてU兄リードで突破。最初、「コンテで行けるか?」と思ったが、スタカットにしてよかった…。ランニングは腐れだが、ここまで来れたパーティなら慎重に行けばそれほど問題ないだろう。横岳頂上にポンと出て終了。この終わり方は最高。中央大パーティは大同心ルンゼを下っていったが、俺たちは硫黄岳経由で帰幕。ピーカンで全てが美しい。今日もパーティ。全体に、支点がしっかりしていたためヤバさがなく、良く覚えていないが、とにかく快適なクライミングであった。オススメの1本。小同心右稜から継続したら最高と思われるが(小同心からだと、右稜は美しいナイフリッジに見えた)、ラッセルが大変そうだ。
12月27日(木) ジョーゴ沢アイスクライミング
今日もピーカン。当初は裏同心ルンゼを目指すつもりであったが、裏同心のF2が雪で真っ白だったためジョーゴ沢に転進。
乙女の滝に取り付く。渡辺が意気込んで右寄りのラインをリードするが3分の1くらいのところでスクリューを設置しようとしてパンプ。結局、ここに2本設置してロワーダウン。U兄が代わってリードし、渡辺到達点から左に移って、3分の2くらいの所でなんとかスクリューを設置して大レスト。その後見事トップアウト。トップロープを張って左のシャンデリアで遊ぶ。シャンデリアがガンガン落ちて、取り付き付近はえらいことになっている。「乙女を暴行中!」といった感じだ。まあ、休日はこんな真似できんでしょうなあ。続いてナイアガラの滝。渡辺リード。中間部にスクリュー設置中、フィフィテンションしていた左手のバイルが抜けて、右手のリーシュで止まった。日が当たって緩んでいたと思われる。なんとかトップアウト。右側の残置支点が岩ごと崩壊していてビビる。左の支点でトップロープを張って遊ぶ。最後にジョーゴ沢大滝。U兄リード。各駅停車ながらも見事完登。トップロープを張って練習。なんだかんだ言って今日が一番テンパった。アイスクライミングはクラックと同じで、舐めるとえらい目に遭うことが良く分かった。テント内で打ち上げ。
12月28日(金) 下山
バス待ちの間に風呂に入り、茅野駅横の駅ビルの信州そばで打ち上げ。なかなか旨かったし、店員のねーちゃんもポイント高し。
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とりあえず、小同心クラックも中山尾根も、ナッツ・カム・ハーケン類を持参したものの、残置のハンガーボルトがあった&全然きまらなかったため、ほとんど使いませんでした。
むしろスリングを多めに持っていくと、岩角から取れたりするので良いと思います。ビレイ点はほとんどがステンレスハンガーなので安心です。
中山尾根、小同心クラックともに、時間的には余裕でした。7時とかにテントを出て、昼過ぎにはテントに帰って酒飲んでました。 とにかく天気がよかったです。
(渡辺)
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