F1から上へ |
F1@(10m、V−、ノーロープ)その後は問題なさそうだったのでロープをしまい、スラブを登る。水流は三つに分かれる感じになり、その真ん中に行く。そこにかかる10mほどの滝を越えると赤いナメになり、それも30mほどいくと水流は消える。ここでクライミングシューズから沢靴へ履き替え、藪に突入。この藪、なんかトゲトゲしたものが腹立たしいしが、20分ほどで登山道に着き、短くてよかった。そこから山頂までは10分程度だった。
沢の右側を登る。ホールドは多い。ただし、沢靴で登ったら結構怖いので、この上でクライミングシューズに履き替えた。
F1A(30m、V、ノーロープ)
沢の左側から登る。最初はハング気味だが、潅木を頼りに強引に越し、後はスラブを右上して、沢身に近づく感じで登る。コンクリートに小石を埋め込んだような岩質でちょっと怖いが、ここはしっかり埋まっているので大丈夫。どうやらこの上がF2のようだ。ここからはロープを出したほうがよさそうなので、ロープを出すことにした。
1P(40m、V+、ナベ)
滝身から10mほど左のルンゼ状の凹角を30mほど登り、スラブを10m右上したところまで。10mところ行ったところのハングを越える所が核心。そこではカムで支点が取れるし、ガバなので難しくはないが、いきなりスタンスが崩れたときにはかなりビビリが入っていた。上のアンカーもカムで。
2P(40m、V、鮎島)
右のバンドをトラバースして、滝に突入。シャワーを受けながらさらに右上し、滝右の細い潅木まで。水が流れているところは磨かれており、岩もがっちり入っていてグイグイロープを伸ばせる。このピッチ、ノーピン。
3P(35m、V、ナベ)
さらに滝から離れて右上する。まったく難しくないが、滝から離れるに従い、ホールドが緩くなっている。アンカーはカムで。
これでF2を登り終えるが、次はF3が聳えている。このF3は右壁が堅そうだがハング、左壁がいかにもボロそうなスラブ。もちろん、どちらも残置支点はまったく期待できない。資料では左から登っているし、スラブのほうが何とか対処できそうだったので、ノーロープで30mほどF2の落ち口まで歩き、さらに包丁草の生えた緩傾斜を10m行き、左壁に取り付く。
4P(40m、W−、鮎島)
うーん。やっぱり見た目からしてヤバいぜ。特に色がね。さっきまではコンクリート色だったのだが、土色なのよ。資料では「ロープの流れだけでも落石が起きる」ので「ロープ操作は慎重に」とか書いてあるが、ここを登るのに必要なことはそんなことでは絶対にない。具体的に書こう。まずビレイヤーは絶対にハング下にいること。これは最低条件。実際にナベの頭上を100石程度は越えて行っただろう。そしてトップは確実に3点支持をこなすこと。実は、一度スタンスが崩れて結構ヤバかったのだが、それでも何とか耐えられたのは基本に忠実に登っていたためだ。本当に冷や汗かいたなー。なお、潅木でランナーがとれるが、実際に落ちたら抜けそう・・。技術的にはV+あるかどうかなんだけど、精神的にはW+。
5P(40m、V+、ナベ)
F4は完全にハングしているので、そのまま左壁を登る。でも、土壁や草付がけっこうイヤらしい。ここも終了点はしっかりとした潅木で安心。
6P(45m、V、鮎島)
傾斜が緩くなったスラブをノーピンで。この辺から岩質が最初の「コンクリート」色っぽくなり、安心安心。プワァーとガスが晴れ、高度感が気持ちよい。
7P(45m、V、ナベ)
傾斜が緩いスラブをノーピンで。ロープは一応出すという感じ。
取り付き付近から見たワニ口の大滝 (見えているのは多分F2) |
F2の左の凹角を上るナベ (もろそうでしょ、実際このあとスタンスが崩れます) |
2ピッチ目 (かなり快適なピッチ) |
3ピッチ目 (奥に見えるはお駒の菱。登れるわけもなく、左へトラバース。) |
6ピッチ目 (ほぼ終了点から。このあたりの景色は最高!) |