■越後/三国川黒又沢日向沢
2008.8.22
鮎島仁助朗
30m大滝上より |
夜遅く十字峡に停めた車内で寝ていたが、なんだかやたら風が強く、車が揺さぶられている。ここ最近のゴタゴタと、この風の揺さぶりとで全然、安眠できなかった。でも、何でこんな風強いんだろう?もしかして、天気も悪化しているの?と思い、帰ろうかなーとも思ってしまう。
朝5時に起床すると、空は明るい。雨は降っていない。そして、風が強い理由もわかった。黒又沢の近くのゲートに車を停めたのだが、大きい堰堤から落ちる水の風圧。これが強風の理由のようだ。納得。
10mほど、中ノ岳への登山道の階段を登り、そこから「立入禁止」の看板を押しのけて、黒又沢の左岸を走る踏みあとを辿る。結構、踏まれているというか立派な道だ。これが堰堤による黒又沢のバックウォーターが途切れるところまでついている。河原に降り立つと、さっそくメジロちゃんが寄ってくる。そうか。ここ最近、9月ぐらいの陽気で涼しかったから実感なかったけれど、まだ8月だもんね。冷静に考えればいるよね。メジロちゃんにたかられながら、河原を歩くこと10分で、日向沢出合に到着。メジロちゃんにたかられたくないので、さっさと日向沢へ入ると、メジロちゃんはいなくなった。
資料(上信越の沢105)では日向沢は結構滝が続くように思うが、まぁ確かに続くのだけれど、まったく難しくないので記憶に残らない。直登は厳しそうな滝は簡単に巻けるし、また踏みあとも結構あるし。いや、踏みあとなんて無いんだろうなぁと思っていたけど、意外と人はいっているみたいなのよ。そんななかでも唯一、「30m大滝」は見栄えのする素晴らしい滝だ。でも、そんなに威圧感なく、30mあるとは感じられない。実際、簡単だ。それに、かなりフリクションが利く。
わたしは、最近ウォーターステルスラバーの沢靴しかはかないけれど、その弱点がヌメヌメ。逆にヌメヌメじゃなかったら明らかにフェルトより強い。弱点のヌメヌメは結構、気をつければ何とかなるものなので、ラバー靴しかはかないのだが、やっぱり奥多摩とか南アとかヌメっているところが多いから気を使ってとても疲れるのよね。。それが、この沢。一切そういうところがない!いや、越後の沢って一般的にヌメヌメはないのかな。いやーこれはいい。越後大好き!そう感じて、グイグイ高度感を稼ぐ。
資料の「本流筋ではない」水の多い支沢にはいって、水が枯れてから30分で稜線。水が枯れてからは藪漕ぎを覚悟していたが、そんな強いものではなくよかった。ただ、久しぶりの稜線まで出る沢だったのでとても長く感じた。
外れではない沢。残る印象としてはこの表現がもっとも適当のような気がする。奥多摩や南アとは違った雰囲気は間違いなくあるし、アプローチも近い割にはそれなりに見所はある。なんだか癒された気がするのだ。確かに、わざわざ行くようなところではないとは思うけれど、いや、よかった。
2008.8.24 鮎島 筆
【記録】
8月22日(土)曇
十字峡0510、出合0530、稜線0730、十字峡0815