<南ア奥安倍/雨畑川/ギョーザ>


高橋弘 渡辺剛士

8/15 夜行

15の午前中、突如として発生した台風と、そのた2つくらい日本付近にある低気圧にビビって、加加良からギョウザへ転進。なぜギョウザ?まあ、高橋隊長としては前から気になっていたらしいし、ナベとしては事前にこの記録を読んでいて、「ヤバくはなさそうだ」と思ったわけである。雨畑の街並みや道の狭さに圧倒されつつ、長畑の集落の先で車中泊。

8/16 0500起床 0610出発 0830核心ゴルジュ入口 1000ごろ二股 1140登山道 〜渡辺が2時間リングワンデリング〜 1540ごろ長畑集落

集落中のヘアピンカーブから降りれそうなところを下降して雨畑川本流の河原へ。どっかぶり・しかし横クラックがたくさんあってガバガバのボルダーがあった。ああいうのがもっと御岳あたりに欲しいものである。
すぐにギョウザ出合い。最初、変わった形の溝や釜を持つ小滝(高橋さんはセレクションのトラバースのごとく滝右のアンダークラックをトラバース。)が出てきて楽しいが、すぐに平凡な沢となる。
ひたすら平凡な沢を登り、なんか滝とか出てちょっと面白くなってきたところに、カクッと左に折れた先、「すごい」と言われるゴルジュが現れた。ほほう。これはすごい。二人ともカメラをもっていないので、携帯で写真。うまくとれん。とにかうこれはすごい、完全にV字だ。
で、突っ込んでみるが記録のとおり楽勝。登山大系では「倉沢に次ぐ」とか書いてあるが、二人とも鮎タイツで腹まで固め、上半身もそれぞれ結構厚着なので水温が全く問題にならない。
ようするに、泳ぎ&シャワー系の沢に関しては、ウエットや速乾性ウェアに身を固めた我々と、ゴアカッパすらない登山大系がつくられたころとでは、感じ方・捉え方が違う、ということだろう。
さっさと二股まで上がって大休止したのち、右股へ。平凡な沢は平凡なボサとなり、沢が涸れたりまた湧いたり。記録にある作業道(踏み跡+ピンクテープと言った感じで、いかにもすぐ途切れそう)は2回ほど横切ったが、橋などなかなか見えず、「流されたんじゃねーの」「見落としたかな」などと不安になる。「もう稜線まで行くしかねーよ」とネガティブモード全快の発言をお互いにしていたところ、先頭のナベの手が平らな地面をスローパー持ちで捉えた。「高橋さん、平らです!」
こうして遡行約5時間の、ゴルジュ以外は実に奥多摩的な普通の沢は終わったと思ったのだが、行田山は登山道が崩落していて行く気にならないし(行けないことはない)、おまけにナベが作業道に迷い込んで超リングワンデリングするなどして2時間ロス。
いろいろあったが無事下山。
ヴィラ雨畑は確かにすばらしかった。
竜王のぼんち食堂で、ナベはカツカレー、高橋さんはギョウザとライスを注文。高橋さんが読んでいるスポーツ新聞には柔道の石井が金を取った記事でいっぱい。「冒険はせず、勝ちに行った」らしい。ナベが力尽きた時に備えて「勝ちに行く」オーダーをした高橋さんは、結局助けてくれなった。

<感想>
・結局ロープは一回も出さなかった。さすがに緊急時用にロープは必要だが、ガチャは相当少なめでいい。(今回、ハーケン4本、カムをエイリアン〜キャメ#0.75まで持って行ったが、全く要らなかった)
・ゴルジュは一見の価値アリで、かつ楽しい。
・他は平凡だが、雨畑周辺の雰囲気(「秘境」そのもの)や高い温泉の質、アプローチの近さなどいろいろ考えると、「オススメ」とまではいえないけど「行って損は無い」沢とは十分に言える。下記のような小技を使えば下山もラクチン。
・下山は林道(超立派)が長いので、前夜のうちに登山道入り口となる駐車場にチャリでもデポしておけば超ラクとなるだろう。じゃんけんで負けたほうが空身でチャリをかっとばして、車をまわしてくればいいのだ。

左/核心部入り口
右/核心部出口
 

崩落した登山道