■北ア/焼岳黒谷[滑降]

2009.2.15
佐藤勝(シーハイル)、鮎島仁助朗
カリカリの黒谷を慎重に下る
 4時に松本の佐藤宅を出発。6時前には中尾温泉奥の登山口間に到着。シールをつけて歩き始める。うっすらとトレースがある。きっと早川先生たちのものだろう。それにしたがって林道を歩く。黒谷を渡り、白水谷と黒谷を分ける尾根を忠実に登っていく。それにしても天気は快晴。しかし、雪は堅く締まっている。なにせ、昨日は4月下旬の暖かさ。きっと、パウダーなんてないに違いない。それでも、なんとかザラメは期待できるかもしれない。
 途中からクトーをつけて、北面台地を登り始める。ここも、疎林でスキーするには適しているだろう。雪質がよければ・・。あいにく、登っているときはクトーがとても有効だと感じるほど、しっかりクラストしているので緩まないとムリ。本当に良くクトーが良く利く。というか、雪待ちしないと雪が堅すぎて滑れないんじゃない??どうせ、黒谷とかパウダーじゃないし、う〜ん、天気も悪くなるような兆候も一切ないし、あわてて登る必要ないなー。ということで、休憩をしてゆっくり登る。それでも最後は岩とか出てくるのでアイゼンに履き替えるとお釜だった。おぉ標高を1200mぐらい登ってきた割には結構余裕あったなぁ。体力ついたのか、ゆっくり登ったのが良いのか良くわからないけど。
 天気は本当に快晴。でも、容赦なく照りつける太陽が雪はまだまだ緩ませてはいないようだ。なら、山頂へ。お釜のふちにスキーなどをデポして、南峰へ上がる。勝さんははじめての焼岳山頂のようだ。ワタシは南峰は2回目である。あぁ、天気いいなぁ。笠がキレイだなぁ。いやぁもう一回登りたいなぁ。うとれる。夫婦かどうかわかならない2人組に写真を撮ってもらって、デポ地まで戻る。
 さてどこを滑るか??さっきの北面台地を滑るなら、岩々しているところをアイゼンでくだらないといけないし、そもそも北面なので日が当たらず斜面が緩んでいるとは思えない。一方の黒谷は日が当たっていて緩んでいるように見える。まぁパウダーでは絶対ないとは思うが、完全に雪は安定しているようだし、谷筋を滑っても大丈夫でしょう!
 黒谷のドロップポイントまでアイゼンでトラバースして、斜面を見る。太陽は当たってるし、多分大丈夫でしょう・・。勝さんからドロップイン。最初は20度ぐらいの傾斜か・・。ってガリガリやんけ〜〜。横滑りを多用、ワンターンごとブレーキングのゆっくりゆっくり、でも確実に転ばないように滑る・・。おぉぉ太ももイテェ。さらにどんどん下る。。でも、まったく同じ・・。カリカリやんけ。しかも、ところどころモナカや・・。それに下るに従い、デブデブデブデブリ・・。うぉぉぉおぉ。試練だぁ・・。楽しくねぇ。狭い谷をできる限りでぶりを避けながら下ると、ノド。まぁ、こけたらヤバいというところじゃないが、落ちたら痛そうなので慎重に横滑りで通過。したには一番の規模のデブリがある・・。それに右後を見ると、明らかに今にも崩れそうな崩壊斜面がむき出し・・。おいおいおい・・。おちおち休憩もできない。雪質は大きく変わる。ガリガリになったり、緩々になったり、いやいや、側壁からの雪崩は怖いし、雪崩だけじゃなく落石も怖いし、スキー操作難しいし・・。途中からは水流も出てきやがって、あちゃゃぁぁ・・。ガリガリな最後の最後の斜面を下るとようやく、林道が見えてきた・・。あぁ助かった。ようやく終わりか。大堰堤を左から巻くように下ると林道の上に降りられた。あぁ良かった。あとは林道を辿って車まで。結局、下りでは一度も休憩しなかった。まぁする場所がなかったというのが適当だけど・・。
 天気は無風快晴。眺めは最高だった。でも雪質最悪・・。すべりは全然楽しくなかった。「どこがパウダー天国なんだよ」と恨めしく思いたくもなるし、あのデブリを見ちゃうと「逆に雪崩怖くない!?」と思っちゃってオススメポイントじゃねぇなぁと思っちゃうが、まぁ雪質最高のときは確かにいいのだろう。まぁ今回パウダーなんてボクは期待してなかったからね。でも、このような条件のとき、どこが一番当たり斜面なのだろうか。焼岳南面なら何とかなったかもしれないが・・・。
 それでも、来なければよかったとは思わない。いやぁ、勉強になった。またいい修行をさせていただいた。勝さんが言うには「ルンゼ滑降のいいイメージトレーニングになった」とのこと。まぁその概念はまだつかめないけど、でもあのようなガリガリ斜面でもなんとかなんとかできたことはちょっと自信になったといっていいかな。それに1200mUPもそれほど苦しくなかったし。

2009.2.16 鮎島 筆

【記録】
2月15日(日)快晴
 駐車地0615、焼岳南峰1120、ドロップイン1215、駐車地1310

【使用装備】
 スキーセット【鮎:(SALOMON「Teneighty Thruster」153cm、silvretta「Pure Performance」、SCARPA「Spirit4」)、佐:(BlackDiamond「Nunyo」167cm、Diamir「FREERIDE」、Nordica「TR12」】、クトー各自、アイゼン各自

【写真】
お釜にて記念フォト
ドロップイン
黒谷中間部
黒谷中間部


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