■西上州/御座山 頂上西壁左凹角[クライミング]
2009.5.23
鮎島仁助朗
御座山。「未踏の岩壁」シリーズに載ってはいるものの、まったく詳述なし。さらにその後いっさいの情報なし。マイナーな壁というだけなら、ちょっと興味あるなーぐらいで済ますのだが、御座山西壁はそれでは済ませてはいけないのだ。なにしろ二百名山の頂上岩壁だぜ!!
う~ん、でも御座山。けっこう直線距離としては東京に近いところにある二百名山なのに、非常に地味な山だわね。山域で言っても、八ヶ岳はもちろん違うけれど、奥秩父でもないし西上州でもないし。なんというのが正解なのか?まぁとにかく、アクセスは近くないけれど、とはいってもそんなに遠くはないので、この機会に行くことにした。
P1西壁を望む
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山口登山口から登るべく指導標にしたがってどんどん林道を車は登っていく。4WDの私の車はけっこう奥までは入れてしまうのが、逆に不安で水道設備っぽいところで車を停める。これが大正解。すぐちょっとで、林道に立ち木が覆いかぶさっていてどちらにせよこれ以上いけなかった。勘が冴えてるぜ。
あまり整備はされていないが、まぁ迷うことはない登山道をテクテク行く。基本沢沿いの登山道。いつでも水を汲めると思ったが、途中で水が涸れる・・・。ちょっと不安になったが、水流は復活し、水を汲めるが、すぐに伏流となってしまう。その最終水場が、ようやく御座山西壁が望めるところだ・・。
う~ん、デカい・・・。やばいぞ、このデカさ。この壁は「御座山西壁」と呼ぶよりは「御座山バットレス」というほうが相応しいんじゃないんか・・。いやいや、登山道から見ると本当にデカいのよ。う~む。こんなの単独で登れるわけがない・・。出直そうかな~、少なくとも穏便な北西稜を辿ろうかなーと思うが、まぁいいや、見るだけ見てみよう。
でも、「未踏の岩壁」資料は親切なのか不親切なのか、詳しいアプローチについては書かれてない。途中から登山道から分かれて藪を漕いで取付くのが近いのだろうが、けっこう煩わしい。一度赤面山とのコルまで登山道で登って、そこから適当トラバースすることにする。
1時間ちょっとで赤面山とのコルに到着。コルから山頂の方へ少し登山道を登り、岩っぽくなり始めたところから、左へトラバース。すると、ドンと頂上岩壁が見えた。
あれっ?ショボっっ…。う~ん、どうやら大きく見えた壁は実際は頂上の岩壁ではなく、隣の岩壁、P1西壁というべきもののようだということに気づく。まぁいいか。
「未踏の岩壁」ではA~Cフェイスの概要がかいてあり、まぁ最初だからということで記録のあるAフェイスカモシカルンゼをいこうと考えていたが、まったくわからん。だいたいどれがAフェイスなのか、Bフェイスなのか・・。よくよく概念図を読めば、頂上岩壁ではなくどうやらP1の西壁がA~Cフェイスになるらしく、この頂上岩壁についてはいっさい触れられていない・・。どういうことなのかな。まぁそれなりに見栄えのする岩壁なのだが、といっても2ピッチあればスカイラインに出られだろうが・・。
頂上岩壁。ガレをつめたところにある右凹角というべきスッキリした広い凹角がある。少し中間部が傾斜が強いもののなんとなく登れそうな気もする。が、ハーケンすらもってきていないので、切羽詰ったらいやそうなので、もっと左へトラバース。より簡単そうなところから登ることにする。
念のためクライミングシューズに履き替えて、ノーロープで登る。左凹角(仮称)は岩は堅いが傾斜は少し強いところもあり、途中、Ⅲ級ぐらいのところはあるが、ロープはいらないだろう。50mぐらい登ると、スカイラインで、抜け出たところがズバリ山頂だった。
う~ん・・・、あぁ、やっちまった。まぁ単独でよかった・・。でも、振り替えれば、八ヶ岳が、金峰山が雪をまとって美しい。それにやはりP1西壁はすごい。まぁこの壁を登るのは魅力的だろう。でも、単独ではムリだろうし、傾斜は強いのですくなくともボルトなどは必携だろう。山頂付近にこのような岩壁があり、360度の展望がある。やはり200名山の風格はあるということなのだろう。時間はまだ9時。まぁやることなくヒマなので、いつもはこんなことはしないが、山頂の祠に投げら手いるお賽銭の金額を数えてみることにした。・・・100円玉が4枚、50円玉が6枚、10円玉が42枚、5円玉がちょうじょ10枚、それに1円玉が41枚っと。合計は・・・おおすごい。1111円だ!やったね、なんだか気分がいいね。これで何とか1週間乗り切れそうだ。願わくば、今後だれもこれ以上の賽銭を増減はしないことを望むばかりだ。
もう、これ以上やることないので下山開始。1時間ぐらいで車に到着した。
御座山の頂上岩壁はまぁこんなもんでしょう。もともと単独だったからムリしない方針だったし、偵察ということが主目的だったわけだし。でも、御座山はいい山であることは間違いない。そして西壁。これがまたすごい。特にP1西壁は本当に見栄えがする。今回、頂上岩壁にしか足を運ばなかったので、そのP1西壁の具体的な状況はよくわからないけれども、これは登る価値のある岩壁だと思うし、それほどアプローチもたいしたことがないので、登られていいところだろうと思う。これを機にどなたか再開拓するヒトが現れたら、これまた幸いなのだろう。もっとも上記文章だけじゃよくわからないだろうけど。
う~ん、その記録に男山と天狗山の岩壁の記述もあったな・・。確かに山頂に岩岩マークがついているけど、これはさらにあやしい!!。まぁ小川山の帰りでちょっと登っていく?という感じだろうが、何気に興味も出てきたなー。どうしよう・・。
2009.5.25 鮎島 筆
【記録】
5月23日(土)晴
駐車地0650、取付き0820、頂上0900、駐車地1000
【装備】
クライミングシューズ
※しっかりと登るのなら登攀具は必要。
【写真】
頂上岩壁全景。意外と大きいような、小さいような。
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これは右凹角。なんか登れそう。
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P1西壁を望む。これはでかいしすごい見栄えがする
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頂上の祠。
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お賽銭を数えてみました=ジャスト1111円
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