期間:2009年5/2-3(前夜発一泊二日)
メンバー:細谷・渡辺
形態:マルチピッチクライミング(定着合宿形式)
5/2 屋根岩V峰南稜レモンルート&ショートルート
10:50レモン取り付き 13:00V峰頂上 移動後、16:30ごろまで西股沢対岸で登攀
手違いでテントをビビイシェルターしか用意できず、かなり寝苦しい。ナベは結局車で睡眠。
そうしたことから寝坊するが小川山なので問題なし。
予定通り南稜レモンに取り付くが、取り付きでナベがテント場にシューズを忘れてきたことに気付き取りに帰りさらに時間が遅れる。
<屋根岩V峰南稜レモン>
1P 細谷 V+
問題なくリード。
2P 渡辺 V+
かつて恐れをなしたトラバースも2度目ともなればもはや楽勝。
3P 細谷 5.8
下部クラックを正対ジャミング&フェースムーブで突破。
中間部からは、ボルトのヌンチャクでA0をぶっこいたもの危なげなくリード。
ナベはフリーで行ったものの2テンション。中間部までは、確かに右壁に意外とスタンスがあるため、例バックよりも安定する気がする。
上部はこれほんま5.8?左ガバとクラックをつかってじわじわ上がった後、クラックに移りこむのだが、いやー、こんなんリードで出来んで。
4P 渡辺 U
狭い岩溝を通過した後リッジを歩きコルまで。
5P 細谷 V
脆いフェースを登った後、弱点を縫って登る。
頂上稜線でザイルを解いて「アヒルの形をした岩」を見学し、懸垂下降で4P目終了点のコルまで戻り、そこから懸垂1発で下まで下降(50Mロープ2本)
一旦テントに帰ってから、マラ岩近くまで移動。手ならしにどうみても楽勝そうな「愛情物語」(5.8〜5.9)をやってみるが、難しい。ナベ辛くもオンサイト(隣のルートのボルト1本借用しちゃいました、テヘ)。細谷さん危なげなく再登。
本当はカサブランカをやる予定だったが時間切れで撤収。
戻ってナナーズへ繰り出し、キムチナベで宴会。
5/3 7:00テント場発 7:20フェニックスの大岩 10:30巨人ゴーレムの頭裏側 11:10右岩峰「仙人の家」取り付き 13:30右岩峰頂上 14:10下降開始 14:30ヨバリ沢 16:25フェニックスの大岩
今日はいよいよ「ヨバリ沢岩峰群」の日だ。
ちょっと出遅れたが出発。
資料によるとフェニックスの大岩の先に赤布があるらしいが当然そんなものは発見できなかった。大岩から対岸に出ている林道を使おうということになり、怪しげな木の橋を渡って少し行くとすぐ右手に、都合よく巨人ゴーレムの頭方面へ伸びているブルトーザー跡があり、これを辿る。
しばらくは快調に進むが、尾根近くから間伐の倒木がうっとうしくなる。
そして奥秩父らしい石楠花の密藪に突入。30分ももがくと原生林の気持ちのよい木立に変わるが、ここからも結構長い。
尾根に出てからは時々出てくる岩塔をいちいちチェックしていたため時間がかかった。
ようやく巨人ゴーレムの頭とおぼしき岩塔にぶち当たったのだが、南側から回り込んだら崩壊していてえらく悪かった。このあたり、もう少し上手くアプローチできたかもしれない。
で、現在地がゴーレムの頭の裏側と分かったので、右岩峰「仙人の家」目指して木立の間を下降し、右岩峰を回り込んだ。「前歯欠損チムニー」などは、名前はイケてないけど滅茶苦茶見栄えするやんけ。
<ヨバリ沢岩峰群巨人ゴーレム右岩峰「仙人の家」>
※グレードと長さは適当です。
1P ナベ 40m W+
右岩峰と左岩峰を分ける顕著なスラブ状ルンゼの右側にあるチムニーを目指して登る。
出だしの草付きフェースはなかなかいやらしい。
これをクリアしてチムニー前でピッチをきると資料にあるが、どう見ても継続できそうなのでそのまま伸ばす。
チムニーは傾斜が強く、しかもちょっと脆いため相当本気になる。一箇所どうしても見通しのつかないムーブがあり、俺は「デジマルで5.6なのだから、あれがガバでないはずが無い」と見切って手を伸ばしたが、そういう前情報が一切無くてこういうところを登る初登者というものは本当に凄いと思う。CS下でワイドのぼりになったり、多彩なピッチ。ちょっと魂入りますよ!
CS上の岩角と木でビレイ。
2P 細谷 10m U
「仙人の家」に突入。先月の瑞牆「トムソーヤ」よりは断然小さいが、それでもトンネルくぐりは何か面白い。
3P 細谷 25m V+
このままオーダーどおりに行くと細谷さんの見せ場が無いので引き続き細谷さんがトップ。
いかにも脆そうなチムニーを登る。ちょっと脆い上にプロテクションが取りにくい。今にも落ちてきそうなCSが恐ろしいが、フォローしてみるとどうしてもそのCSに背中を押し付けざるを得なかった。
4P ナベ 25m V
またもや目の前のチムニーを登る。さっきのより硬く楽勝。尾根の右側をトラバースする感じで登って、一回クライムダウンした後簡単な登りで南峰の頭へ。
南峰の頭からは簡単に巨人ゴーレムの頭(裏側)とのコルへ出ることが出来る。そのまま取り付きまで下降し、下山の準備に入る。
下山の前に左岩峰も見ておこうということになり偵察するが素晴らしいの一言。次回はぜひ「縁とゆかり」をやりたいと思った。
せっかくだからバベルの塔も見たいよね、ということでヨバリ沢上流方面にトラバースしていったがそれらしきものは分からず、仕方なしに小沢を下降。あっというまにヨバリ沢に到着。ふと後を振り返ると・・・うおーすげー!バベルの塔すげー!確かに登攀意欲を掻き立てるね!
上流部には残雪がたっぷり残り、下流ではそこそこ水量のあるヨバリ沢に我々スニーカー軍団はちょっと難儀してしまった。
そろそろ西股沢との出合かな、というところで右岸から巻いたら踏み跡に出くわす。
どうやら営林関係の作業道らしく、結局フェニックスの大岩の近くまで続いていた(地図参照)。ひょっとしてこれを辿れば逆にあっさり巨人ゴーレムに出られたり…しないよね?(誰か検証して!)
※「仙人の家」使用ギア
エイリアン1S
キャメロットC4 #0.5〜#4 1S
旧型キャメロット #4.5 1個
○ハーケンも欲しかった
<写真>
左/レモン1P目 右/レモン3P目
左/ゴーレム右岩峰「前歯欠損チムニー」 右/「仙人の家」1P目(トポ上では2P目)
左/「仙人の家」1P目をフォローする細谷さん 右/「仙人の家」3P目をリードする細谷さん。ちょっと脆い。
左/巨人ゴーレムの頭(ヨバリ沢側) 右/左岩峰「縁とゆかり」。都合のいいクラックが走っている。
ヨバリ沢から見たバベルの塔
行動概略
作業道の入り方詳細
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