2009/09/5~6
L高橋弘・佐野智子・大部良輔(記録)・加藤英樹(会外)
9/4(金)
19:30という凄く早い時間に和光市駅集合。宇都宮IC近くの公民館の駐車場で加藤さんと合流。磐越道の津川ICでおり、コンビニで買い出しをした後、蝉ヶ平の集落先の林道終点に12:45着。そこで宴会→就寝。星も見えたので明日の天気は悪くなさそう。天気予報も回復傾向だったので安心して寝る。
ちなみに、今回の山行は高橋&佐野さんには、全装を担いでの1泊2日の沢ということでリハビリ山行の最終段階だ。
9/5(土)
5時過ぎに目を覚ますと雨の音がする。起床時間まで時間があるのでボーっとしているとドンドン雨が強くなってきた。6時前には雨がすごく強いので二度寝をする。雨は7時ころには小雨になった。林道には昨日までは何とも無かった箇所に轟々と水が流れ新しい沢ができていた。敗退ムードのなか準備して出発。
駐車地からは沢は見えなく何もわからないし、転進するにしても、この日は結局移動にしか当てられないのでとりあえず湯沢出合まで行ってみることに。出発するときには雨は止んで晴れてきた。歩き始めて少しすると左手に沢が見える。コーヒー牛乳みたいな色をしているし、水量も多い。「こりゃ駄目だ」と言いながらも、トボトボ歩き、1時間弱で湯沢出合。湯沢を別けて水量は減ったが、水の勢いは強いし、濁っている。ここで引き返すかと思いきや高橋隊長は「笠倉沢まで行ってみよう」と言う。水量は多いが遡行には問題が無いな、とか思っていたら行く手を2つの滝が拒む。水が濁っているので水深が全く分からない。おかげでオーブはここの釜で1回、頭まで完全に水没した。1個目の滝は高橋隊長が左のスラブをA03連発(エイリアン黄・ハーケン×2)で超える。ハーケンの回収に少し手間どった。しかもビレイ点でハーケンを高橋さんに渡すときに落としてしまった。スミマセン。そこからすぐに笠倉沢出合。そこで1本。
とりあえず、御神楽沢とム沢の出合に幕営して日曜日は新高ルンゼかスポンジ沢を登ろうなんて言って、二俣まで進むことに。このころになると沢の水は大分落ち着いてきた。笠倉沢出合から二俣までは単調ですぐに着いた。平水時、御神楽沢出合は伏流らしいが、もちろん水は流れていた。まだ12時前で時間も早いので明日の下見に御神楽大滝まで行くことに。一応ここより先に良いテン場があるかもしれないのでザックは背負ってくことに。胸ほどの深さの瀞を超えると、すぐに御神楽大滝。ロープは2本あり懸垂すれば戻れるので高橋隊長が試登してみることに。右から巻いて灌木帯まで35mほど伸ばす。もう1ピッチ15mほどオーブリードで左上。そこからはノーロープで滝上に出られた。滝上はゴルジュが続く。新高ルンゼの取り付きまで下見してみようなんて言っていたが、内心はこれなら水晶沢の出合まで行けると思った。この先のゴルジュは楽しい。1箇所残置スリングでA0。シャワーをびたり、浸かったり、へつったりしながらガンガン進む。何か所かお助け紐で荷揚げやゴボウで登ったりした。高橋・佐野・オーブの3名は、忍者を履いているが、加藤さんはフェルト足袋だったので厳しそうな箇所があった。
1回ゴルジュが終わると右から新高ルンゼが入ってくる。ここまで来てしまえば、当初の予定通り、水晶沢の出合まで行けそうだ。そうなれば俄然やる気がでてくる。その先のゴルジュもお助け紐で助け合いながら進むと、中の大滝。ここは高橋・オーブが左のルンゼをリード。が、結局ノーピン。その先もゴルジュが続く。一応、小滝を何個か越えてみるも先の滝は直登不可能なので、少し戻って右から巻くことに。高橋隊長がリード。草付きを直上したあと少し左に移り灌木でビレイ。草付き悪い。佐野さんはかなり滑ったらしい。ビレイ点が狭いので続けて高橋隊長リードで左上する。次のピッチからもう2ピッチオーブ=佐野、高橋=加藤でアンザイレンしてスタカットで傾斜の緩い草付をトラバースする。灌木にスリングを残置して懸垂。回収時にオーブが末端の結び目を解くのを忘れ、引っかかってしまった。高橋さんに際どい登り返し&再懸垂してもらう。申し訳ないです。懸垂地点からすぐに、水晶沢の出合。17:45着。奥壁がどんと聳えている。とてもぶったって見える。左岸にタープを張り、薪を集めているとすぐに日が落ちて暗くなった。焚火を囲んで飯を食う。22:30就寝。
9/6(日)
夜は寒く無かった。むしろ温かかった。5:30に起きると、加藤さんは何故かクライミングシューズを履いていた。昨夜まであった下山用のジョギングシューズが見当たらないらしい。この後、結構探したが結局見つからなかった。何処へ消えたのやら??
7:30に出発。すぐ左手にブロックがあるが、遡行には関係ない。右にスポンジ沢らしきものを別けると、すぐ先に小さなスノーブリッジが連続している。巻くわけにはいかないので、下をくぐる。ゴルジュの中のCS滝などをお助け紐をだしながら越えるとスラブの基部。大きなテラスで水を汲む。テラスから左上。一手が悪いので高橋さんにロープをFIXしてもらう。そこからノーロープでもう1段上がった左の小さなテラスでロープを出すことに。ここからは高橋=加藤、オーブ=佐野でロープを組む。
1P目は高橋&オーブリード。スラブを直上。2P目も高橋&オーブリード。滝下までスラブ直上。ビレイ中下からさっきのスノーブリッジの崩壊する音が聞こえた。3P目は加藤&佐野リード。滝を右から巻くように登る。少し脆く、チョット悪い。左上し、灌木でビレイ。4P目は高橋&オーブリード。左にトラバースして灌木帯を抜けスラブに戻る。少し直上してテラスでビレイ。ここから先はとても快適なスラブをもう2ピッチつるべで伸ばす。傾斜の緩くなったところでロープを解く。ここでも水が汲めた。ここでもまたスノーブリッジの崩壊する音が聞こえた。この崩壊によってスノーブリッジは全部消えたようだ。自分たちがくぐってるときだったらと考えると恐ろしい。
ここから先はスラブ&草付きを登りやすそうなところを適当に稜線に向かって詰めていく。それにしても今日は暑い。スラブの中では日差が厳しい。人の声がするな~と思ったら藪こぎ無しで登山道に出られた。ここから南に少し登ると雨乞峰だ。沢靴に履き替え、ガチャを整理した後、御神楽岳を往復する。15分くらいか。山頂は12:30。後は、駐車地に向かって栄太郎新道を下るだけだがこの道が噂の通り、すごい道だった。またとても暑く、汗ダラダラで脱水気味になりながら下る。トーマス・ナベさんが見たという大蕎麦谷の大滝は不明??だった。湯沢出合まで下りてくると、昨日の朝に見た濁流の姿は無く、気持のよい清流となっていた。結局、駐車地に1715着。近くのみかぐら荘で温泉&飯をすませ帰京。
総じて岩は堅く、カムも所々ポケットに決まり、ハーケンも良く利き、フリクションもばっちり、水も冷たくなく最高だった。とりあえずもうチョット先まで行ってみようとダラダラ進んでいたら何だかんだで予定通り行けて良かった。基部から見た奥壁はとてもたっていたが、登ってみると気持のよい快適なスラブだった。
|
|
|
|
|
|
|
|