■関越/谷川岳マチガ沢東南稜[登攀]

2009年9月20日
高橋、佐野、亀田
 マチガ沢は地形的には沢以外の何物でもなく出合から稜線まで望めその一気につきあげる様はアルペンムードに満ち溢れているが登ってみると水流が全くもって少なく、今回は特に渇水なのかもしれないが沢登りと言うには無理があるかも。水分補給は岩肌に口をつけてすする状態でスラブをなめる白い水流と透きとおった緑の釜を期待していったのは残念ながらちょっと期待はずれでした。そしてゴーロになっているところが案外長い。そうは言っても時々現れるきれいなスラブと簡単なゴルジュでどんどん高度を上げていくのは爽快で西黒尾根をたどるよりはずっと楽しい登路だ。
 出合から忠実にゴーロをたどる。巌剛新道第一見晴台から踏み跡をたどって本谷に降りてきたのだろうか、途中出会った単独行者は最初の30M滝(には見えないが)で引き返したようだ。8月半ば西黒尾根から望見した雪渓は一ヶ月たって雪塊が一つ転がっていただけだった。遠い台風の影響だろう、風強く灌木がざわざわと揺れている。さみい。国境稜線は例によってガスで覆われているが目指す東南稜は見えていたのでまさかと思ったが、確か青山さんがそうだったように本谷ではなくて4の沢に入り込んでしまった。どうも谷筋が東南稜に向っていないようなので戻るのも面倒なので本谷までトラバースして戻った。分岐はよく覚えているが水流・谷地形は4の沢のほうが立派で本谷は左岸スラブに吸収されているように思えたのだ。こりゃ間違うぜ。遡行(?)ではザイルは使わなかった。
 懐かしい東南稜基部に着いた。ガスが下りてきて、さらに寒くなってきたので雨具を着込む。要の滝方面にトラバースして水を汲む。基部少し上に人が通れる穴が空いているのを初めて知った。取りつきは凹角とトポにはあるが凹角というよりはルンゼで、名称からリッジルートをイメージしているとわからなくなるところだ。が、すでに昔間違えたことがあるので今回はそういうことはないのだ。

1P(高橋)W 20M:
 一か所ハングに抑えられて右に移るところはIV+と言ってもいいような。とは言っても、残置豊富で緊張はしない!
2&3P(佐野)W- 30&20M:
 左の凹角は濡れているので頭上のクラックから。抜けて右上してからから左に回り込む。ルートがわけわかんないんで近くでピッチを切る旨コールがあった。登っている途中雨がぱらつきだした。”根性出して最後まで伸ばせよ”と思って、実際そう言った様な気がするが(笑)フォローしてみると確かにルーファイに一抹の不安がよぎるところで且つザイルの流れからしてここで一旦ピッチを切って正しいと思いました。すみません。佐野さんはムカついたのか次のピッチもザイルを伸ばしていった。実際どこにでも残置があるので右のクラックから登った場合ルーファイに迷うと思う。トポにはこのセクションはワンピッチ30Mとあるが、佐野ラインで30Mはあり得ない。合計50M近くはあるでしょう。因みに私は前に来た時は左の凹角を登ったようだ。
4P(亀田)U 45M:
 ガスの合間から国境稜線の登山者が見える。こっちを見つけて指さしているようだ。気分いいね。途中簡単なレッスンを積みながら登ってきたので亀田さんがリード実践。簡単なリッジクライミングは最高だぜ!

ザイルを解いて踏み跡をたどりオキの耳直下10Mのところにつきあげ終了。この終了点がAランク。人混みの百名山山頂を早々に退散し西黒尾根に入ってやっと落ち着いた。

 ユテルメは混んでいるはずなのではなからパス。湯檜曽と水上の何軒もの温泉宿に日帰り入浴を断られ(シルバーウィークだからしようがありません)、国道をたどり上牧で入浴。中華タムラはやっぱりヘビーだった。リベンジはあるか微妙です。
 念願の沢をまたひとつやれた。
 これでマチガを通る時見える風景も変わるに違いない。

記)高橋

【記録】
 マチガ沢出合 06:30 - オキの耳 12:30 - ロープウェイ駅P 15:000

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