■西丹沢/東沢本棚沢[溯行]
2009.10.11
高橋弘、佐野智子、渡辺剛士
日程:夜行日帰り
形態:遡行(沢登り)
6時起きしてラーメン食って、7時過ぎに車に乗り、7:30ごろ西丹沢自然教室の駐車場から出発する。
出発して500mくらい車道を歩くと右手に檜洞丸への登山道(つつじ新道)がある。
ものすごく暗い登山道にびっくりするが、すぐに尾根に上がって明るい平らな道になりほっとする。
ゴーラ沢出合で休憩した後、そのまま登山道を登り、1040の二等三角点の先にある(と思われる)顕著なコルから森林巡視路を辿ってつつじ新道側の岸の林道に出て、そのまま林道を辿って赤い橋から入渓。なんか意外とナメで綺麗。
すぐに10mくらいの滝と出会うが、水流右からサクッと登る(ザイル使用)が、ちょっと渋く、朝イチのザイル慣らしとしては厳しい。
またちょこっと登ると本棚(25mくらい?)。
どう見ても左のルンゼから簡単に落ち口に出れそうなのだが、隊長はそんもん眼中にないようでザイルを引いてシャワーに突っ込んでいく。
隊長はモンベルの沢シャツ&ネオプレンベスト、土方ヤッケ、カッパとヘビー級の装備で固めているが、俺も佐野さんはちょっとこの水温でシャワーするには装備が貧弱なので、「やめてくれよー」って感じだったが、その願いが通じたのか、「何にもみえねーよ」と言って攻撃対象を左壁に切り替えて、ぬめったところはたわしでクリーニングしながら登っていった。
俺と佐野の同時登攀でフォロー。出だしからシャワー。超寒い。
佐野さん側ザイルに水流中の高橋ピトンが決まっており、佐野さんはシャワーを浴びながら必死で回収。悲鳴と呪いの声をあげていた。
ナベの方も残置を高橋ピトンと勘違いしてムダにエネルギーを使い、シャワーでやる気を根こそぎ奪われてその先は残置にA0連発。寒すぎてスタイルにこだわる余裕なし!
次の大岩のある滝は直登は論外なので右手の泥壁から高巻き。あっさりと巻けた。資料によっては「大岩を登る」だの「左のルンゼを登る」だの書いているが地形が変わったのだろうか?
で、すぐに涸棚。見た瞬間クライミングシューズの出番だなと分かる。
渡辺が1時間以上かけてリード。ムーブとしてはW+程度なのだが、傾斜が強いだけにハマるとエンドなのでルーファイに時間がかかり、ビレイ点についたときには赤キャメとエイリアンの小さい奴しかなくなっており、ビレイ点作成にも時間がかかってしまった(珍しくいつもはアクセサリーと化しているナッツが活躍)。
我ながらしびれるラインであったが、時間かけてしまった。昔の人はエイリアンもなしによく登ったよなあ…
佐野さんは、渡辺がぶち込んだハーケンを回収する際、近くの残置にハンマーが当たり、ハーケンの顎が吹っ飛ばしたらしい。
やっぱ残置は精神安定剤にしかならないなあ。
しばらく一瞬水流が復活したが、すぐにガレとなる。
詰めると檜洞丸のすぐしたのソーラーパネルやら風力発電やらやっている場所に出た。小屋の電気を作っているのかな?
山頂をとったあと、気持ちの良い登山道をテクテク下山。
今回、高橋さんと佐野さんは「本棚東西制覇」というタイトルをゲットし、さらに高橋さんは「吸殻を持ち帰るジェントルメン」の称号までゲット。
ナベも宮之浦に向けていい修行ができたのであった。
渡辺 記
【記録】
10月11日(日)
0730、西丹沢自然教室、0940本棚沢入渓、1050本棚、1215大岩、1235涸棚、1420涸棚の上、1525檜洞丸山頂、1720西丹沢自然教室
【使用装備】
エイリアン3つ、キャメ(0.5、0.75.1)、ザイル8mm50m×2本、ハーケン(ナイフブレード長短各2ずつくらい)
【アドバイス】
本棚直登するならウエット上が欲しい。シャワーはつらい!涸棚はクライミングシューズじゃないと話になりません。また、エイリアンが有効でした。ビレイ点では都合のいいクラックがたくさんあるのでキャメが活躍します。今回の装備でちょうど良かったかな?下山で、ゴーラ沢出合を渡渉したところでちょっと道を外した。登りでも外しかけたので、下山中ヘッドラ行動だったりする場合は注意が必要。
【写真】
入渓してすぐ。いい感じ。
最初の大きな滝。ウォーミングアップにしては厳しい。
本棚。
水流トラバースを敢行する高橋隊長。
水流が強すぎてトラバースできず、左壁から。ヌメリ落としのために手首からぶら下げていたたわしが大活躍。
大岩のある滝。左岸巻き。「大岩を登る」なんてトポがあるけど意味不明。
涸棚。涸れてます。
カンテ→凹角へ。
残置スリングの上のブロック状が脆くて怖かった。(当然A0はしていませんよ。)このブロックと抜け口が核心。
フォローする佐野さん。
下山中。
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