■甲府/太刀岡山鋏岩左岩稜(登攀)

2010.4.10
第1パーティー(赤沼・田中・佐野)第2パーティ(小坂・井草)
 左岩稜下部、クラックのフリールートに行く、井草ー小坂Pと別れ、クラックよりさらに左に10メートルほど移動。
 赤沼ー田中ー佐野Pは海谷を想定した練習ということなので、あえて既成ルートにこだわらず、「より易しく登る」つもりでルートを選定。
1p目:
 左岩稜の下部はずっとフェース状になっており、露岩と木の混じった弱点らしきところを適当に登っていく。意外に急傾斜だが木がたくさんはえており、プロテクションには不自由しない。40メートルほどロープを伸ばし、急なフェースに行く手をさえぎられたところでピッチを切る。(3級くらいだが、体感はもっと悪いかな)
2p目:
 垂直のフェースを避け、右手にカンテを回り込んでいく。木も減ってきてカムを効かせながらクラックを追いながら右上。真上の垂直フェースとの接点がフレーク上に右上に伸びている手前でロープの流れを考慮してピッチを切る。(4級20メートル)
3p目:
 フレークをアンダーでつかみ、きれいなスラブを右上すると、すぐまた露岩と木の混じった緩傾斜帯に入る。右上の顕著なピナクルを目指してトラバース気味に行きピッチを切る。(3級、一部4級40メートル)

ピナクルの反対側はきれいなスラブ状となっており、ここを懸垂下降し、10メートルくらい右に歩いてトラバースすると左岩稜の3ピッチ目終了点に合流。リッジ上に這い上がるとちょうど井草氏が3p目のリードを追えてあがってきたところだった。ここからは快適で易しい左岩稜を登りきる。最終ピッチは佐野さんリードでとんがった終了点にて記念撮影して登攀終了。

「下部3ピッチって、あんなとこ誰も登ってないよねぇ〜?」
「てことはルート開拓?」
「名前つけなくちゃ♪」
「でも再登する人いそうもないし」
 などと会話が飛び交うが、話しはそのままうやむやに・・・・(笑)
(記:赤沼)
 はじめの3Pはまさに沢の巻きかつめみたいで、土と枯葉の上を木登り状態で登る。一歩間違えば行き詰まってしまいそうなところを、赤沼さんはためらうことなくどんどん進み、ちょうど正規ルート3ピッチ目の終了点の辺りに飛び出した。(詳細は赤沼さん記録参照)さすが赤沼さん、ルーファイがばっちりである。すばらしい〜

 4ピッチ目からは急に本来の?岩登りらしくなる。靴下の中まで泥と葉っぱで汚れており、靴裏ももちろんどろどろで、乾いた岩にはじめはドキドキするものの、一気に視界も開けて快適に登れる。これまでの3ピッチとは違い、支点も出てきたが、赤沼さんはランナウト気味にガンガン進む。赤沼さんはいい写真スポットで短くピッチを切っていき、後続の私たちはいくつかの記録と見比べつつもどこなんだかよくわからないねえと話す。特に難しいところはなく、気持ちのいいリッジクライミングで楽しい。
 (たぶん)7ピッチ目、写真でよく見るナイフリッジのピッチ。セカンドだからか、高度感も気持ちいいくらいで楽しい。見晴らしもばっちりで駐車場もよく見える。このまま最後のハサミ岩基部まで行けそうだったが、赤沼さんは少し手前でピッチを切り、ベストポジションで写真を取ってくれた。次のピッチはひとつ岩をのっこすだけで、後はすたすた歩いて、左手にハサミ岩が見える、祠のある基部に着いた。
 ここまですべて赤沼さんのリードで来たが、せっかくなので、ハサミ岩のラスト1ピッチは私がリードすることにした。途中、一歩踏み出すのにかなり右往左往したところがあり、時間がかかったものの、何とかてっぺんへ。3人とも登ってから、後から来た小坂・井草Pの登りを見つつ休憩。さすがに2人とも軽やかである。
 ハサミ岩を左に回りこむとすぐに頂上への登山道があるので、そこから下山。

 結局、左岩稜を登っているときは人に会うことはなく、独占状態だった。アプローチも下山も短く、高度感ばっちりで適度に緊張感を持ちつつ、でも、ガシガシとV級くらいの岩稜歩きを楽しめるので(下部クラックはわからないけれど)、正規クラックルートを試しにもう一度きてもいいかも。日当たりばっちりなので夏は暑そうだし、冬の風は冷たそうだし、この時期おすすめです。
駐車地9:45 − 取り付き10:15 − ハサミ岩上部13:30 − 駐車地14:45
(記:佐野)

 I草&K坂パーティー、
 奇数ピッチI草、偶数ピッチK坂。
1P5.9…凹角にプロテクション取りに悩む、むずいフェースの先にナッツをいれこむとざらざらした小石混ざり合う土のバンドに。その上はクラックでハンド、フィスト、フットジャムを効かせながら上部へ最後の抜け口も泥まみれ。Iさんフィストが決まるよと声かけてくれたので試しを、しかしサイズが合わず左側にある立ち木でAO、はい上がる。
2P5.7…ここも出だし土だらけ、真っすぐなコーナークラックに見えたものの、左奥は二重クラックになっていた、出だしから中間迄をチムニィ登り上はステミング?そのまま3mあがって上のクラックにカムセットでビレー点を作る、のトポ通りにしょうとするが手持ちカムが無くなってしまい、立ち木でビレーする
3P5.8…ハンドのきく垂直クラック3mを登ると二枚板のようなスクイズチムニィが現れる、下でビレーしてる時、トップの登りで消えたIさんの、う〜、む〜、あ〜と声が聞こえくる、あ、ここはふたりが苦手のスクイズ…産むの苦しみを味わってるのね(Iさんもうすぐ2児の父)、とドキドキする心に言い聞かせ、さて自分の番。え〜ここ登るの?、いろいろ壁の中に入って試してみるけれど中間迄行ってはフォローなのに怖くて、降りるの繰り返し、でも行かなくちゃズリズリ身体をあげ右のフェースに
4P…簡単なリッジのスラブを登り小テラスから右に回り込み2m位のクラックを登り大ピナクルでビレー
5P…ここも簡単、リッジを登り斜め右上にトラバース
6P…アップダウンのあるリッジ…どこかのガイドが【天空のリッジ】と名付けたという景色抜群??
7P…リッジの続きをハサミ岩の広場迄
8P5.8…本来の9ピッチにあたる、スラブのフエースをハサミみ岩頂上迄

シングルロープ60m一本の使用の為、岩稜は本来のピッチ切りと違うところでビレーしてました。クラックの練習には下部3ピッチ迄のクラックはいいマルチ練習の場所になると思いましたが、泥んこになります。

ナッツ1Set、カム2Set(キャメ)使用したのは1Set+1〜3

前々から行ってみたいと思っていたマルチルートへ、前回の波勝崎に引き続きパートナーのおかげで行けました、ありがとうございました。
(記:小坂)
【写真】
左/リッジ上のビレイ 赤沼さんが上から撮影
右/ナイフリッジ上の田中さん
 

左/ハサミ岩を登る赤沼さん
右/ハサミ岩上部での小坂・井草P
 

同じくハサミ岩上部での赤沼さん・田中さん

山登魂ホームへ