■関越/毛渡沢・大滑沢白板スラブ・右スラブ [登攀]

2010.5.29
大部良輔
 火曜日の例会で最近フリークライマーと化したオーブに鮎さんが「オーブ、最近面白いことして無いな〜」と散々ぼやく。その鮎さんが帰りの電車でこのスラブを教えてくれたので面白いかどうかは分からないが行ってみることに。
5/28(金)
 終電で土樽駅へ。水上行きの上越線は部活帰りの高校生が多く、中でも「一緒に甲子園目指そうぜ!」という高校球児が印象的。俺ももう少し頑張ろうと思った。土樽は小雨。

5/29(土)
 04:45起床。寒くてなかなか寝袋から出れない。もうだいぶ明るいが山はガスっている。朝飯を済ませて沢足袋を履いて出発。
 毛渡橋を渡るところで少しガスが晴れたのでスラブが見えないかと少し待ったが姿を現さず。立派な堰堤を建設しているところで大滑沢が出合う。水量は多く水は冷たい、天気もどんより。沢は藪っぽくて歩き辛い。なるべく濡れないように歩く。
 途中の唯一のまともな滝は左巻き。ガスがヒドいのでスラブを見逃したかななんて不安になってくると雪がチラホラ出てくる。そのまま少し進むと巨大な雪渓出現。記録を見るとここで右岸にスラブがドカンとあるようだが、ガスで何もわからん。取りあえず、軽アイゼンをつけて雪渓を登る。しかし登ってもスラブは見当たらない。沢の本流は右に折れており、この近くにスラブがあるはずだが見当たらない。ちょっと藪を漕いだりしてみるが見当たらない。もっと上流かな?もう通り過ぎたかな?ってかこの沢は大滑沢じゃないのか?なんて不安に駆られる。
 もう帰ろうかとも思ったが最後にもう一度雪渓を詰める。さっきより高い末端ギリギリまで来てやっとこの先がスラブだと分かる。左右のスラブが別れる少し先まで雪渓に埋まっていた。シェルントを避けて右の草付きから右スラブに取り付く。傾斜は緩く、半分歩き半分クライミングという感じ。平らな箇所でフラットソールに履き替える。スラブは濡れてはいるがフリクションも良い。岩は固い。ハーケンの利きそうなリスはあまりないが、カムが利きそうなフレークは所々ある。ガスで全体は見えないが、中間部は草付きやブッシュは少なくスキッリしたスラブだ。傾斜が強い部分もあるが、そういった部分はちゃんとホールドが豊富。上部はスラブの右は雪が残っているので左上する。
 適当な箇所で中間尾根を懸垂で下りるつもりもガスがヒドくどこが中間尾根か分からなくなってしまったので、スラブを稜線まで登る。最後が少し藪っぽい。
 稜線上は微かに踏み跡があるが藪がヒドい。そこで靴を履き替え、東進。右手(白板スラブの反対側)にもスラブがあるらしいが、モチロン何も見えない。
 大ダマリ沢を下降しようと思ったが、藪で挫折し石空沢を下降することに。スラブ帯の間の急傾斜のブッシュを伝って下降。結局懸垂無しで雪渓の上に降り立つ。また軽アイゼンをつけて下る。雪渓が無くなると藪っぽい沢になる。意外と長くつまらないな〜ってころに林道に出る。少し歩くとゲートだった。あとは駅までブラブラ歩くだけ。
 全体像が見れなかったので良く分からないが、残置もなく思ったよりも立派なスラブ(ナメ滝)だったはず。天気が良ければきっととても気持ちよいのだろうな。
 結局フラットソールならノーロープで余裕でしたが、登るライン次第だと思います。

大部 記

【記録】
5:15土樽駅-6:00大滑沢出合-8:00〜9:00スラブ基部付近-10:30稜線-13:15林道-14:15土樽駅

【写真】


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