2010.06.12–13 治田ほか1名
ルート:金山台地~取付~中央バンド~郡界尾根~オツルミズ沢~小屋~山頂~小倉尾根下山
まず、完登できたことはとにかく、うれしく、一発大物の壁やれたと嬉しさに浸っています。
また、相棒にたいへん感謝します。
やはり佐梨の金山沢奥壁は甘くありません。かなり悪いピッチがそこそこにあります。
それは事前のトポからは読み取れないものです。今回もそれは来ました。
最後の後半、中央バンドからの雪渓の台地の上ピッチ。下からはまったく読めない。これが絶悪に近いクライムピッチ。
垂直のブッシュから垂直に近い壁の登攀、ホールドが細かく飛んでいる。丁寧に拾ってつなげるしか術はない。
丸々50mが真剣勝負。いや、順番から相棒のリードになったが、激闘の登攀としかいえません。
フォローでも、まったく嫌になる恐ろしいクライム。まったく数字では表現できないグレードです。
そして最後に垂直のブッシュ登攀。これまた、10数ピッチをこなした体にはエグすぎる。
足場がないんでハング状態での登りが続く。第二スラブ強烈。まったく恐るべし。
やっぱ佐梨の壁に挑むものは、相当の全ての山力を備えていないと危険極まわりない。
今流行の先端のフリークライムの技だけではまったく通用しません。
ああ、これが山の岩壁であり、本物の力を要求される壁だと痛感しました。
13時間のフル行動で小屋に抜けましたが、初日から体がガタガタになる強度のある山は、そうあるのではありません。
どうぞ、皆さんも気合を入れて、全身気合の塊で山やってください。そういう山を続けていると、佐梨も近づいて来るかもしれません。
もちろんそれは、求めている者にしか、訪れては来ません。
僕は、えらく以前から佐梨はいつかはやりたいと考えていたものです。第3スラブに始まり、第4スラブの最上部の事故。そしてこの第2スラブ。
どれもこれも、ほんと、やっぱ凄い所だわ。