■西上州/鮎川「蛇喰渓谷」

2010.8.22
鮎島仁助朗
 藤岡の蛇喰伝説。
 「片目をつぶされた大蛇が、〜〜」ということで、大蛇が岩をかみ砕いて水をせき止めた所が蛇喰の渓谷になったのだとか・・・。うそだろーーーー。絶対にウソだね。こんなん信じる奴いるんか?!
 あるホームページによれば、「ものものしい雰囲気」とか書いちゃってるものもあり、…。はい、ちょっとは期待してました…。それだけれど…。
 今日は9時には帰宅しときたいので、3時に家を出て、5時前には現地に到着。「蛇喰渓谷駐車場」とデカデカと看板のあるところに車を停める。
 なんやら、蛇喰伝説など書かれているが、駐車場からは穏やかな流れの渓流が見えるだけで、肝心のその「岩を割ったような渓谷」がその駐車場からは見当たらない…。???しかし、どうやら、遊歩道も整備されているらしいので、それで向かうことにした。
 駐車場から30メートルほど先の印地橋を左に渡ると、全長500メートル、往復1キロメートルの遊歩道があった。遊歩道入り口には、これまた素晴らしい案内板があったりもする。ゴルジュチックな渓相をしめす案内板にちょっと期待が膨らみつつ、遊歩道を進むが、遊歩道から見えるのは終始、穏やかな流れのみ…。あれ〜〜??。終点らしきに展望台があるが、ゴルジュっぽいものが見えない。案内板によれば、終点あたりがゴルジュのはずなのだが、気に覆われてまったく見えないのである。展望台意味ないじゃん!よほど、左岸に走る県道のほうから、良く望めたりする……。この遊歩道と展望台は何か意味があるのだろうか??

 さてさて。わたしの目的はゴルジュを見ることと突破することなので、このゴルジュを見なければならない…。しかし、終点はヤブヤブだ…。しょうがなく、猛ヤブを漕いで降りると、あっさりと水線まで降りられた。うーむ…ゴルジュ核心部なんだけれどなー!せっかっくなので、右岸沿いにヤブを濃いでゴルジュ地形がどこまで続くのか観察してみると、ちょっと下流で橋がかかって、そこで取水されて、水量は激減し、あとは平凡な流れとなっていた…。どうやら、ここが蛇喰渓谷最下流部らしい。なるほどね。わかった。

 さーて、今度は水線沿いに戻る…。とりあえず気分を出すために、ウェットきて、ライジャケ着て、ハーネス点けて、いざ、溯行開始。
 腰まで浸かるところをかまわず進むと、足が立たなさそうなところが出てきた。。が、まったく泳ぐ気にならない。確かに時間は5時半にもかかわらず、水は冷たくない。が、まず水が汚いこと、それ以上に変にくさ〜いので、絶対に顔をつけたくないのである。ちょっと考え、岩から、対岸にジャンプすれば、見事に砂地で、健康的にも安心である。
 右に曲がって、左に曲がると、写真でよく見る核心部に突入。なおこの場所、林道から丸見えである。でも早朝なので、通る車も少なく「人目」も気にせずにすみ、安心して溯行に集中できるってもんだ。
 この場所、写真で見る限りは、泳ぐのかなーと思っていたところだったが、透明度最悪の水の流れをよくよく見れば、足がつく。よって、左壁沿いにへつるように進む。っが、問題がひとつ。この岩が、なんとも、私が経験するなかでは最高レベルのヌルヌルなのだ!アクアステルスラバーではとくにっっ!こんなところ立ち込めるハズないじゃん!しょうがなく、全身浸かってしまった…。うぇ〜〜。
 あとは、水勢が強い流れとヌメヌメを何とかとゴマカシテして適当に左岸側に渡渉すれば、核心部は終了ぅぅぅ〜〜。
 その後は、それ以上に平和な川原を1分進めば、駐車地だった。。。時間は5時40分。
 なるほど、早朝ゴルジュもいいもんだ。
 下道で家に帰ってみると、7時半。まだ妻は寝ていた。
 物々しい名前、観光文句に惹かれていったわけだが、これだけは、はっきり言わせていただく。「大ハズレ」です。溯行価値はまったくありません!
 そもそも、なぜここが観光地なのかがよくわからない。誰がこの景色に感動するんだ!!感動したヤツ出てこい!そもそも、遊歩道が整備されているが、何なんだろう?正直、遊歩道からよりも、展望台からよりも県道の方が遥か眺めがいいってどういうこと??こんな仰々しい名前つけるなよ〜〜という感じ。「蛇喰伝説」も「エスパー伊東」以上に胡散臭いし、エスパー伊東以下の面白さである。
 でも、騙された自分も悪いのです。そりゃ、写真で見る限り、きっとそんなところだろうとは思って、だからこそ単独で来たわけのだが、ちょっとぐらいは「ひょっとして…」と期待してた自分が、ちょっと恥ずかしい。いや、でもね。限られた時間をなんとかやりくりして、前々から気になるところを解決できたことはよかった!!と前向きに捉えることにしようっと。でも、これがもっと「当たり」だったらもっとよかったけれどなぁー。
 それに、この「早朝ゴルジュ突破後、9時前帰宅」コースは、今後、かなり応用が利ききそう…ということがわかったんで、それは収穫だね。この手のネタ、もっと増やしていこうっと!

 でも、蛇喰渓谷……。あいやー。こんなんでも、B級に載せてもいいのだろうか…。大いに悩むところである。

2010.8.23 鮎島 筆

【記録】
8月22日(日)晴
 開始0515、終了0545


蛇喰渓谷下部

蛇喰渓谷核心部(?)

駐車場の見事な看板

蛇喰伝説

遊歩道案内板
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