■飯豊/大石川東俣川千代吉沢(溯行)

2010.9.1-.4
治田、高橋、長嶋、大部
●下部ゴルジュの渓相
●上部ゴルジュの渓相
●源頭の渓相
8/31

 21:30東所沢駅に集合。時間通りについたが高橋隊長から「おせ〜よ」と言われる。
 日本海東北自動車道の荒川胎内ICでおり、大石ダムの先の林道を進む(途中コンビニ3軒ほどあり)。彫刻公園の先にゲートがあり閉まっているので公園の東屋で26時に幕営。少し飲んでから寝る。暑いので長嶋・オーブはベンチで寝る。虫はあまりいないので幸先が良い。


9/1

 6時に起きると快晴。7時出発。
 林道から第一吊り橋を越え登山道を辿って第二吊り橋まで1本。意外と第一〜第二吊り橋がかったるい。ってか暑い。暑すぎる。高橋隊長はしょっぱなからウェットを履いて歩いているので辛そうだった。
 橋で入渓準備をして、完全装備で橋のすぐ先で登山道から左に別れる踏み跡を辿り、適当な小沢から本流に下り立つ。取り敢えず水に浸かる。
 絶好のゴルジュ日和。最初からゴルジュではあるが、思い思いに泳いだりへつったりして進む。入りブナイデ沢出合からゴルジュが続くが、2005年に治田・長嶋・高田パーティーで来た時よりかなり埋まってしまっているらしく足のつく箇所が多く、泳ぎはそこまで無い。治さん曰く「平均して50cmは埋まっているんじゃ」とのこと。
 前回は苦労したらしいトコも結構簡単に正面突破できたりする。長さんはしきりに「もっと水が綺麗だった気がすんだけどな〜」とつぶやく。途中空荷で側壁を登ろうとした時に下に置いた自分のザックを蹴っ飛ばしてしまう。高橋さんがなんか叫んでいるな〜と思って振りかえると高橋さんがオレのザックと供にゴルジュに浮かんでいた。すんません。ここで軍手も消失。この先の巻きが思いやられる。
 3段30m滝は左岸から巻く。この巻きの途中、耳が痛いなと思い耳に手をやると右耳にクワガタがとまっていた。
 下の河原手前の滝は何個かまとめて右岸から巻く。そんで下の河原着。
 オーブを除く3人は釣り。高橋3匹、治田3匹、長嶋1匹の釣果。
 長さんが見つけた快適な右岸の台地にタープを張り、河原で焚火を囲んで宴会。薪は豊富ですぐ火がついた。裸足でいたらかなり足をヌカ蚊に喰われたが、メジロアブとかはいないので有り難い。
 結局この日はロープを出さなかった。正直、癒し系の楽しいゴルジュって感じでした。


9/2

 朝から焚火。
 今日もゴルジュ日和で核心の日。三角ハゲ沢の出合付近に小さな雪渓があるが、問題無く脇を越えられる。
 20m滝は左岸から巻き越える。
 しばらく行くと広河原。この広河原はあまり歩きやすい河原ではなく、長いので非常にかったるい。
 上部ゴルジュに突入後、何個か滝を登ると、釜を持つ2段10mほどの滝が出てくる。ここでやっとロープを出す。やっと休憩できるぜ。治さんに引っ張られてかなり良いペースで歩くので疲れる。治さんが左壁をへつってから対岸にジャンプして流芯を越えて右壁を登る。1段目の上部でビレイ。2段目の小滝も一応ロープを引く。
 その先のゴルジュも泳いだりへつったり。長さんは積極的にラッコ泳ぎでプカプカ水に浮かぶ。
 大きな釜を持つ3m滝は左壁のクラックをオーブリード。カムをじゃらじゃらぶら下げて取りついたが、フリーで登ったらカムを取る余裕は無かった。まぁ、落ちてもドボンで済むので。
 南の大沢を分けて少し行くと巨大な雪渓の登場。先は見通せるが雪渓の先で沢が右折しているので治さんが潜って偵察に行く。治さんが雪渓の真ん中ぐらいの所で「ドンッ」と雪渓が崩壊する音が響く。一瞬時間が止まった。治さんがダッシュで戻ってくる。心臓バクバクもんだ。
 右岸の支沢を登り雪渓の先を偵察すると、ズタズタに崩れたブロックがッ続いているらしいので左岸から巻くことに。左岸の泥壁・草付きを登り小尾根を越えてトラバース。崩壊したブロックが終わる箇所までトラバースして、灌木で上流に向かって斜めに懸垂×2。
 その先の40m大滝は左岸の支沢から巻く。するともう一個奥に大滝が見えるのでまとめて巻く。2個目の滝上に灌木で懸垂。残置スリングあり。それまでは、ロープを出す箇所以外、好き勝手登って(歩いて・泳いで)いた面々もこの巻きは金魚の糞が如く治さんの後ろに一列になって巻く。
 懸垂で下り立つと先に白い靄がかかり、冷たい風が吹く。さっきより巨大な雪渓が北の大沢出合付近に登場。右岸から乗り移り雪渓が切れるとこまで行くが降りられない。戻って左岸から支沢が流入する箇所から雪渓の下に潜る。治さんと長さんが先に突っ込むもんだから、高橋さんとつい顔を見合わせてしまう。足早に突破。
 その先にも今にも落ちそうな微妙な薄い雪渓が掛るのでダッシュでかけ抜ける。
 沢が右に右折する20m滝は右壁を高橋リード。落石注意。
 その先釜を持つ滝を何個か越えると待望の河原。右岸のブッシュの中の平な箇所に泊まることに。
 治・高が釣りする間、長・大で幕場の整地&薪集め。昨日ほどではないがそれなりに薪もある。釣果は高橋さんの1匹で塩焼きにする。治さんを除く3人は裸になり体を洗う。長さんとオーブは裸で釜で泳ぐ。幕場は斜めっており少し不快。


9/3

 夜中に強い雨が降り、端にいた自分は顔に雨がかかり目を覚ます。が、朝起床した時には雨は止んでいた。
 沢支度を整えてから、河原におりてまた焚火。時折小雨が降り、空は非常にどんより。ラジオで天気予報を確認すると下界の天気は悪くはないらしい。
 だいぶ上流まできても滝が連続する。だいたいが登れるが、20mほどの滝は左岸のルンゼから巻く。
 沢は段々開けてきて源頭の様相を呈してくるが小滝が続く。開けているだけに、風が強く冷たい。一日ズレていてこの天気で上部ゴルジュに突っ込んだら気が気じゃないだろう。昨日頑張って大正解だった。
 頼母木小屋の送水パイプが出てくる辺りで藪っぽくなるが、少し行くとドラム缶があり、そこから右手に伸びる踏み跡を辿る。途中で不鮮明になるので尾根を目指して適当にスタコラ登る。頼母木山から5分ほどの登山道に出る。
 ザックをデポして山頂をピストン。稜線上は風も強く、雨も本降りっぽくなってきた。寒いので、山頂はすぐお暇する。頼母木小屋で大休止。
 小屋には、地元のオジサンの単独登山者がいた。色々話したが、去り際に治さんのdaxのザックに対して「きったね〜ザックだな〜!!」の一言。
 自分はこの日のうちに下山する気満々であったが、結局?差の避難小屋に泊まることに。疲れていたので助かった。3日のうちに下山したら、治さんが「もう1本行こうか!!」と言いだすんじゃないかと内心ビクついていたので。
 強風のなか?差小屋までは意外と登りもありかったるいが1時間強でつく。小屋は2階建てで立派。御座と毛布も有るので使わせてもらう。各自のポリタンと小屋にあったペットボトルを借りて治さんと水を汲みに行く(水場は小屋の裏手に「水場」と看板があるトコにしっかりした踏み跡があり、それを5分ほど下る)。水場はただ、雨水が沢状地形を流れているようなとこ(渇水時はもっと下なのかも)で、汲んでみると、緑っぽい。まぁ雨のせいでしょうが無いのだろう。味もなんだか草の味がする。良く言えばお茶っぽい。小屋ではゴロゴロしながら各自余った酒をチビチビ飲み干し、つまみをボリボリ。やっぱり疲れていたのでだいぶ早く寝てしまった。


9/4

 今日は4時起床。う〜眠い。二度寝したい。あと3時間いや4時間寝たい。T井さんは山で毎回こんな睡魔と格闘していたのかと思う畏敬の念を払いたくなる。そんな感じの眠気をふっ飛ばし、出発。ラジオ曰く下界は天気が良いようだが、今日も風が強く時折雨が降る。まぁ、標高も低いので快晴だと逆に辛いのだが。登山道を治さんと抜きつ抜かれつしながら下る。確かに林道まで下ると晴れている。最後の林道歩きがかったるいがなんとか車着。ベンチでごろごろしているうちに高橋さんと長さんも到着。道の駅・関川にある、ゆ〜むという温泉に入り(広くてきれいな温泉でした)、道の駅でオーブ以外の3人は職場や家族やらにお土産を買う。下山が早い時間だったので夕方と呼べる時間に帰宅できたので良かった。


 2年前にも、同じメンバーで千代吉の計画があったが、天気の関係で結局、朝日の荒川に転進した。当時はど素人だったのでかなり難儀したのだが、その時よりは登れるようになっている気がしていた。がっ、下部ゴルジュは埋まってしまったせいか楽しめる程度だったが、やはり上部ゴルジュは雪渓の処理、草付きの巻きなどは非常に嫌らしかった。治さんをはじめとした経験豊富な先輩方の的確なルートファインディングあってこその無事遡行であった。自分の経験(実力)不足を実感できた良き沢でした。やはり、飯豊の沢は貫録十分であった。



●9月1日


●9月2日


●9月3日


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