越後・水無川真沢〜祓川(沢登り)

■越後・水無川真沢〜祓川(溯行)

2010.10.1-.2
L高橋、治田、大部(記録)

幣の滝
 2年前に高橋&治田で現地まで行くも、高橋さんの首痛により駐車場敗退。昨年も秋に計画を出すも3週ほど天気が微妙で実行に移せず。そしてやっと今年。高橋さんが9月一杯に取得せねばならない休暇を10/1(金)にねじ込んだため、この週末の3日間で真沢に行くことになった。しかし治さんは木曜夜に飲み会が有ると言うので、金曜朝発となる。

10/1 晴れ

 始発で東所沢駅に行き、高橋車に拾ってもらう。ヤル満の高橋隊長はすでにドカヤッケを着て、スパッツも着けていた。花園IC近くの‘道の駅かわもと’で治さんと合流し、高橋車で出発。
 水無川に架かる橋を渡ると川は水が流れている。水有川だ。林道の途中我々の進路を拒むモノも有ったが無視して藪っぽい林道に突っ込み十二平に9時過ぎに着く。

 最初は右岸の踏み跡を進む。段々不明瞭になるので途中で河原に降りる。デトノアイソメで1本。デトノアイソメには雪渓は全く無かった。猛暑の影響で今年は雪渓が少ないのか?

 そこからスグに暗峡。膝まで浸かって突破。巨岩帯の先のゴルジュに登れない滝出現。いや、まぁ頑張れば登れるかもしれないけど…。前方に高巻中の先行パーティー発見。手前の左岸のルンゼから巻く。踏み跡が有るような無いような箇所を巻いていく。沢には小さいが分厚い雪渓が残っていた。雪渓はこの一か所だけ。
 御月山沢の手前で灌木に残置スリング発見。そこで15mほど懸垂下降。そこからバンドを辿って御月山沢を渡り、左岸から支沢が入る手前で30m懸垂下降。

 巻きの最中にその先にある滝が登れるかどうか分からなかった(滝の高さが上からだと良く分からない)が、沢床に下りて見ると意外と小さく安心。その2m滝を左から簡単に越えると前方に関門の滝が見えてくる。

 関門の滝の手前のゴルジュは突破できないので右岸巻き。3人それぞれ適当なラインで巻く。実に山登魂的な巻きだった。残置スリングのある灌木で30mほど上流に向かって斜め懸垂。

 関門の滝の右岸のテラスまでノーロープで登ると、先行パーティーに追いつく。‘トマ’の2人組で、治さんの知り合いだった。
 じゃんけんで勝った高橋さんリードで関門の滝を登る。50mロープ一杯延ばして滝の落ち口。ナイフブレードを一本回収できず残置。すんません。次の滝の下まで移動してそのまま高橋さんリード。右から取りつき上部で左にトラバース。約35m。次の滝は左壁から20mオーブリード。ここでロープをしまい、左岸から巻く。

 真沢の幣ノ滝と北沢出合の大滝が見えてくる。150mと100mの滝同士で出合う素晴らしい景色。後ろを振り返るとそこら中スラブだらけ。確か簡単に沢床に下りられた…、あれっ懸垂したっけ、良く覚えてないです。北沢の右岸のテラスまでスタコラ登り、ツェルトを張る。

 下地はそこまで良くないし、そこまで寒くないし、景色も素晴らしいので外で宴会。オーブは前日の睡眠不足でうとうと。高橋さんがゴミを燃やしだすので、みな自分のゴミを燃す。その火に薪をくべ小さいながら焚火(薪はほとんど無かった)。なんだかんだで、パスタとコーヒー用のお湯を沸かせた。
 防寒着&雨具を着こんだらシュラカバ一枚でも全く寒く無かった。

10/2 晴れ

 4時半起床。外はあまり寒くない。今日も遡行日和だ。
 ギアの準備をしていると幣ノ滝を登っているトマパーティーが見える。中段で左壁を行ったり来たりしている。見た目より悪いのか。

 中段まではノーロープ。
 トマパーティーは乾いた右壁を登っているので、うちらは濡れた左壁を治さんリードで取りつく。濡れて外傾していて嫌らしい。40m延ばしてピッチを切る。
 次のピッチはオーブリード。そのまま左壁を20m直上。トラバってきた先行パーティーとルートが被るので高橋隊長の命令により渋々そこでピッチを切る。
 次は高橋隊長リード。左のブッシュを巻き気味の方が簡単そうだが、水線沿いにこだわる。すぐそこが落ち口のようにも見えたがその先も続いており45mロープを延ばす。ここでロープをしまう。
 ここからはトマパーティーと抜きつ抜かれつ。その先の20m滝は右から小さく巻く。

 白龍ノ滝は右に沢が折れる箇所に掛っているので近くまで行かないと御目にかかれない。下まで行って見てみる。迫力のある滝だ。
 直登している記録もあるが、そのラインも巻きのようなラインなのでわざわざ登る気にもならないので少し戻り左岸のルンゼ状から自然なラインで巻く。
 ルンゼの左俣に入り尾根を乗っ越すとすぐに白龍の滝上。

 ナメ滝を越えると左岸から祓川がナメで入ってくる。すぐに200m以上の祓川の大滝。下部は傾斜が緩いが、上部は急に見える。さすがに200mはでかい。
 簡単そうなとこを選んで登る。中段までは右を登り、最上部の狭くなる手前で左にトラバース。
 落ち口に直登するにはロープが必要そう。後ろからくる治さんたちを1分ほど待つのが面倒くさかったのでオーブは左から巻き気味に登る事に。が、思ったより嫌らしく結局ちょっと大きく巻く羽目に。ロープを出して直登してきた治&高橋ペアと落ち口で合流。

 大滝の上の小滝を何個か直登すると、一気に源頭の様相。開けていて、天気も良いのでとても気持ちが良い。稜線近くでは紅葉が始まっている。猛暑の影響で今年は紅葉も遅いのかな?
 三俣は一番右にとる。御月山から中ノ岳への登山道は祓川の源頭を横切るので、藪こぎ無しで登山道に出られる。正午前に登山道に出られた。この時間なら今日中に下山も楽ちんである。

 高橋隊長が中ノ岳のピークを取りたいというので中ノ岳経由で十字峡に降りることに。オーブはタクシー代が掛らないし、別の山行でも使うかもしれな鉱山道を一度降りてみたかった。まぁ、今回登らなかったら次はいつになるかわからないから良いか。中ノ岳まで一本。頂上付近で山座同定を楽しんだ後は急降下。日向山(5合目)で一本。

 あっ、ここで事件です。治さんに遅れて5合目につくと、登山者と談笑している治さんは半そでの灰色のTシャツを着ている。さっきまで青いの長袖を着ていたので着替えたのかな〜?と少し不思議に思う。休憩していると、この登山道を往復する男女2人組がおりてくる。するとその女性が
 「あの〜、この標識にウチの人のTシャツ干してたんですけど〜、知りませんか?」
と訝しげに尋ねる。すると治さんが
 「あっ!!もしかしてこのTシャツ」
と今自分が着ているTシャツを指差す。女性も
 「あっ、そうですその色です」
なんて言う。治さんが
 「いや、このまま置いといてゴミになったら勿体無いから持って帰ろうと思って…」、
 女「いやこっちこそすみません、干してたんで」、
 治「いやこっちこそすみません」、

なんてやり取りをしている。治さんはTシャツをその場で脱いで男性に渡す。いや〜、笑いをこらえるのに必死でした。

 そこからもう一本で16時過ぎに十字峡へ下山。十字峡の小屋でお茶やら何やら出してもらい有り難い。ここで無線でタクシーを呼んでもらう。
 タクシーで十二平の林道を行けるとこまで行ってもらう。タクシ−の運ちゃん曰く「こっちの登山道はきたこと無い」らしい。あまり使われてないんですかね、この登山道は。十字峡から迎車代100円含めて9400円也。治&高は車に財布を忘れた&もともと持ってくる気無かったで、財布を持っているのはオーブだけ。何故か運よく1万円ちょっと持っていた。一年に一度有るか無いかの奇跡的な出来事だ。
 そこから、治&オーブで車の回収に行く。治さんペースで30分強。余裕で電車のある時間に帰ってこれました。
 鮎さんが学生のころに行った時は、パートナーが雪渓から草付きにダブルアックスランジしたと嘘か真か疑いたくなるようなやばそうな話を聞いていたが(その部分を鮎さん自身はどうやって越えたんだ??)、雪渓は巻きの途中の一か所しかなく助かった。また天気にも恵まれ、気温もちょうど良く快適に遡行できた。登れる大滝と源頭の雰囲気が気持ち良い。
 使用ギアは8×50mロープ2本、ハーケン各種(打ちまくった、残置もチラホラ、でもあまり無い)、カムはキャメの1番まで持って行ったが0.75までしか使わず(あまり良いクラックは無かった)。高橋&オーブは忍者、治さんはフェルト足袋。アクアステルスの方が有効。トマの2人もアクアステルスでした。高橋さんだけはスパッツを着けてましたが、別に不要。

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