2011/02/06 治田、鈴木、金井、細谷
氷一発目。前々から気になっていた大滝やりました。
群馬のやんばダムで水没の運命?にある名高い吾妻渓谷。その中で唯一堂々の氷の大滝として名高い不動滝。
いつかはぜひ登りたいと懇願していた氷だった。
一月末の会山行の担当と、その前の直前の高熱のインフルダウン?体調管理と会山行の日光白根に全力で、氷はまったくお預けだった。
翌週からも、氷当り年と噂されるそれを裏付ける冬型の連続気圧配置。近年暖冬の不動滝の甘い結氷がこれなら大丈夫そうだ。計画のGOである。
現地で深夜、場所が不定で携帯のやり取りの末、群馬安中在住のアイアン金井と落ち合うが、参加予定の亀田が高熱でダウンという。
体を使う仕事にダンス活動が応えたのか?ワイと同じに高熱発症では山どころでないだろう。
なんだがこれで、山登の50オーバーの面々が集い「山登おやじの会」が結成?されてしまう。
おやじ共の2時間ほどの訳のわからない話しが続いてお終い。
早朝から氷状態を半信半疑で滝に近づく。ゴルジュの途中から見事な大滝が垣間見え胸をなでおろす。
近づくと一目でⅣ前後と読めるが、そこは一発目、油断はしない。
今日は登ることも第一義だが、氷なれすることがさらに重要な一義だ。上に行きたい衝動を抑え25mのTRを張りバンバン登りまくる。
それぞれ5,6本登ったろうか、段差ありベルグラありシャンデリアありで様々なラインをTRならではの優位に基づき感覚を戻しながら登り込んだ。
腕もだいぶ疲れてきたが、確実に体の動きは良くなってきた。これらないいだろう。
小休止と軽食を腹に納めて上の大滝をつなげて完登すべくアンザイレン。Pは治田・金井、鈴木・細谷で行く。
下の大滝は50mいっぱいで滝頭に着く。長く大きく傾斜も上部で多少は強くなり登っていて楽しくなる、幸せな大滝と表現できる。
どうラインを取ってもⅣぐらいだが、実に良しなのだ。その大滝を越えると、次の上の大滝が見事な蒼氷でワイらを迎えてくれる。
とにかく、それはそれは美しく見事な滝だ。振り返っても過去を含め今シーズンでも群を抜く秀逸な大滝だ。
下部は緩傾斜であるが1/3から巨大なカリフラワーの塊が幾つか重なり、上部は垂直近い85度ほどが数メートル続く。
汚れもなく全体が綺麗な薄緑色して近づくほど芸術的な自然の造形にため息が出てしまうほどだ。
残念ながら、誰もがアタック装備で空身なのか?カメラを持参しておらずその姿をお見せすることはできない。
その登攀も姿態に負けず面白い。カリフラワー帯はその弱点を打ち込み型でなく引っ掛け中心に塊と塊の間を抜けていく。
急な上部手前で息を整え、ラインを読んで一気に登る。
結氷はやや甘かったのでピックが確実に決まるし、浅い凹角にライン取りすれば思っていた以上に楽に感じる。
それでもそれは今だから言える訳で、氷初シーズンに少々びびったことは正直に告白する。
っま、グレードは幾つかの滝を登りこんだ比較からⅤ-くらいと思う。
充実した登攀を背中に懸垂で戻るが、このおやじの会の面々はまだ登りたいのか、リード練習ということで細谷組長、アイアン金井が氷にこびりつく。
もちろんワイも暗くなるまで張り付きたいのでトラバースを反復する。そんなこんなで、帰り支度からヘッドライトのお世話になりました。
ほんま、噂以上に良い滝でした。特に上の大滝は論外に美しい。下の大滝だけではとても不動滝は語れません。というのが皆の意見。
それくらい素晴らしい滝でした。気になる氷好きのあなたに絶対お勧めの一品です。
参考グレード : 下の大滝 Ⅲ+~Ⅳ 上の大滝 Ⅳ~Ⅴ-