2011/03/06 治田、鈴木
西上州 カブコロン 兜岩の岩壁にかかる氷柱。
見た目以上に難しくハードな滝だがそれが実に良い。
通いなれた西上州も、行っていないとこもあるんです。今冬の寒気から丁度良いと考えていたのが、信州側のナメネコとカブコロン。
結果はカブコロンのみでしたが、満足な結果でした。いやー、カブコロンいい氷です。
失礼ですが、それほどでかくもなく、遠目にも岩壁に垂れる氷は確かに目立ちますが、決して困難な様子には感じませんでした。
でもね、それはやはり皆さんが経験している通り、ワイらもはまりました。
基部手前で「なーんだ噂通りでないね。つららでなくてフェースだよ。一気に正面から行けそうじゃん」なーんてな甘く見た言語が飛び交っていたのでした。
でも近づくとなんと噂通り、ヤバそうな氷に変身していたのよ。つらら状もあり、単純に堅く割れそうで打ち込みずらい、そういう直感。
ウォームアップなしでのリードは、やっぱ怖いね。しょうがね。イメージを目いっぱい作ってからトライすっか。
基部でしばらくオブザベーション。登りのイメージを最大に引き出していく。
離陸からの数メートルが嫌らしい。氷は傾斜ではなく氷質が肝心なポイントだが、足を決めてからの安定した支点取りのスクリュー打ちが消耗する。
垂直がかなり続くので、その支点取りの動作が凄く大変なのだ。幾度も腕を下げシェイクして腕力を戻し上部へつないでいく。
やっと傾斜が緩くなって気分は落ち着いてきたが、油断禁物。この気持ちの緩みがフォールの引き金になってしまうのだ。
目いっぱい引っ張って25mで太い樹木につく。ここでギリギリのTRを張る。せっかくリードしたので、とことん練習したいという魂胆なのだ。
体感グレードはⅤ+より上かなくらいで、長い分Ⅵ-でもいいかな、てな感じ。
先週の大谷不動の難しい垂直の各滝より、かなり腕に来る感じでした。
昔の登りこんだ感覚でもⅤ+よりはあるなと感じましたが、道具の発達した今は的確なグレードが正直分かりません。
消耗しましたが、もちろんフイフイは使わずフリー?にこだわりまっせ。
それは先週の大谷不動でも同じこと。一度使えばそれは癖になり、安全安心のもとレストからのクライムになってしまう。
それは感覚で言えばフリークライムのハングドックに近い感覚となってしまう。
高性能のスクリューが開発され片手で打ち込める現在、上手い連中は当然テンション無しで抜けていくので、その意識と実践は文句なしに必要不可欠だ。
でもだからと言って、垂直部の支点取りは難しく厳しいので、やはりフイフイテンションからの練習もこれまた必要不可欠。
慣れてからフイフイなしでトライしてほしい。
セカンドのテクノ鈴木はしょっぱなテンションの連発。やはり離陸からして難しいのだ。
慣れれば安定して来るが、それでも疲労からか、一瞬の打ち込みの甘さや足の決めの甘さで氷から離されてしまう。
ワイもリード後に違うラインから2本攻めてみる。やはり微妙に違う。
右側はつららで壊さないデリケートな登り、左は凹凸が無いので足が決めづらく、その分しっかりとバイルを決めることが要求された。
今回は数回のトライでも疲労は激しく、早めに切り上げた。
帰りに行けなったナメネコを探しに林道を上に詰める。荒船不動の手前の林道からそれは見えた。
右のカブコロン、左にやや下がってナメネコ。
それは見事にワイらを誘っていた。次回はそこで氷のノウハウを学びたい。
参考グレード : カブコロン Ⅵ-