八ヶ岳 権現岳東稜

日時:2011年4月16-17日
メンバー:L.高橋、大部
 
言うだけただの甘言に毎度ながら乗せられて、今年の山にGWの硫黄尾根を表明してしまったことに後悔を抱えつつ、結果がどう出ようと今週は城ヶ崎ではなく山靴履いて山に行ってみなくっちゃはじまらないということで金曜朝電車の中から大部に”権現どうよ?”とメールしたところ、”まあ、いいですけどこの時期なら日帰りですよね”と返事があった。すかさず”俺は無理”と返信。
 
4月16日
西国分寺駅に朝集合して美しの森Pまで。林道が終わり山道が沢沿いに下りると雪が出てくる。小屋に近づくにつれてそれなりの雪の量だ。徒渉は雪が繋がっていたり、浅かったりで問題なし。小屋に着くと明日天狗尾根をアタックするという関西Pが中でテントを張って昼寝していたので我々も1-2人用のツェルトを張って取りつき偵察にGO。取りつき手前のゴルジュが割れておらず通れるかを確認したかったのだ。問題なし、今シーズンのトレースまで残っている。ゴルジュには結構立派な氷柱が垂れ下がっており、ここぞとばかりNAJAを振るうがイメージしていたようには刺さらない。大部のストレートシャフトの方が遠心力を効かせてガシッと氷をとらえるのには閉口した。くそっ。ツェルトは狭く、これからは2人で泊まる場合には2-3人用にしなければならないと思った。ボッカの意味もあって持ってきたダウン400gのシュラフでも意外に寒かった。山はまだ寒いよ。
 
4月17日
雪のコンディションのいい早朝をフル活用しようということで2時起き、3時半前!に出発。ゴルジュを抜けてすぐの右手の斜面に取りつくが上部で雪がなくなってリッジ状に移る部分が少しいやらしかったがヘッデンの明りでは下方が見えないため怖くない。尾根に出たところでしらじらと夜があけ権現のバットレスが稜線近くに姿を現した。大部はすぐそこだと思っていたそうで”結構遠いんですね”などと相変わらずマイペースだ。踏み跡ののこる尾根を一服しながら辿る。バットレス基部は取りつきのリッジに向かって雪壁が左上しているのを利用して楽勝。
 
4年前に雪の降る中 佐藤ちゃん・鮎とラッセルして二日目にバットレス基部にたどりつきルートを見上げて”無理!無理!!”と引き返したところだ。あのときは壁が雪にパックされて凹凸を失っており目の届く限り残置皆無だった。
 
大部!壁が寝て見えるぞ!!
ぼこぼこしてる。
こりゃ素手だ。全然つめたくねー
残置まであるでよ〜 それも結構な数!
 
2P各45mでつるべで抜ける。
 
とにかくアイゼン登攀はコンディション次第です。冬期、なおさら厳冬期はとにかく厳しいでよ。春はいいねえ。春だって吹かれれば同様だろうけど。
 
バットレスをぬけると稜線まで一投足。きれいなスノーリッジはなくなっていたのは残念だったが山頂からこちらを見つけて”すっごーい、あんなとこ登ってる”と聞こえていい気分だ。
 
権現山頂でまだ8時半、記念写真を撮る。やっぱり山はいいですねと大部も気分よさそうだ。下山にとった川俣尾根は降りるにつれて腐った雪にズボルものの小屋裏まで雪が続いて早くて楽な尾根だった。
 
下山中左手に見えるバットレスは俺たちってグレートって思ってしまう岩稜だった。
 
ところで、GW向けて
1. 久しぶりの登山靴で両足かかとマメができたのは今回で良かった。
2. やっぱり両手バイルは雪稜で楽&安全。アイゼン縦2本爪も特に問題なし。
3. 久し振りの冬山装備でいい準備になった。
4. 足がつらなかったのは朗報。出合小屋までの往復の疲労を考えるにもっと重いザックで連泊できるのか・・・・ふ・あ・ん 
5. 首がぶり返したようでGW白紙に!これも本番じゃなくて良かったってことです。
 
 
記録
4/16 西国分寺駅06:15-美しの森P-出合小屋デポ-取りつき偵察-小屋戻り15:00
4/17 小屋発03:30-権現岳山頂08:30-川俣尾根-出合小屋11:00-美しの森P13:30
 
以上
 
記)高橋


山登魂HPへ