2011.06.19 奥多摩・軍刀利&ウルシゲ谷沢
沢シーズンの足慣らし第二弾は北秋川の惣角沢・水ノ戸沢に引き続き、南秋川の軍刀利沢・ウルシケ谷沢に決定。
この二つは前者と違い、滝が多くて滝登りも楽しめそうだ。ワクワク気分で胸が膨らんだ。
メンツも募ったが、掛かりもなくて単独でGOとあいなる。もちろんソロでの谷との融合、流離もわるくない。
感性を研ぎ澄まし、谷と山からの声を聞きながら登るのだ。
【軍刀利沢】
軍刀利沢は、小屋の付近では植林伐採の作業をしている。その少し先で出合だ。
前日までの降雨で水量は多い。早速小さなゴルジュが出迎え、幾つかの小滝を戯れながら越えていく。
暗いが楽しくて良い。その内大滝登場。立っているし立派な滝だ。過去の記録では登られてないようだ。可能性はあるか?
伺ってみるが何とかなりそうな気もする滝だ。左側からの攻めだが、カムと万一を考えボルトはあったほうがいいかもしれない。
条件は水量が少ないことだ。今回では相棒がいても水勢が強くて取り付く気も起きない。
……なーんてね。こんな勝手な思い込みも、道中の楽しみの一つだ。
そうこうしている内に、学生の大パーティに遭遇。シャワークライムの滝でロープを張って順次越えている。
時もかかりそうなので失礼して、間に入って即越えてしまう。その上も幾つかの慎重に攻める滝も二つほどあり悦に浸れる。
ナメ滝も攻めようしたが足場が悪いのであきらめた。源頭は小沢から歩き安い落ち葉の道を辿る。
ハイカーの賑わいの生藤山に着いて一息。ほかに軍刀利沢を先行した男女のPも休んでいた。
下山は少し先のピークから矢沢本谷を下降する。下り易いザラザラの急斜面を一気に降りると道にぶつかり、それは林道へとつながっている。
これで一本目の沢は手中に収まり、満面の笑みで車に戻る。
タイム 矢沢林道9:10~生藤山11:20~林道12:20
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【ウルシゲ谷沢】
銀マットを座席に敷いて沢の井出達で移動する。お次は小坂志川のウルシケ谷沢の右と左だ。
林道から出合までがわかりづらいが、遡行開始。わずかで二俣。右沢は確かに滝で出合うが、これがなかなかのものだ。
頭上から落ちる水のラインと周りの壁の雰囲気は威圧的だ。気持ちを落ち着かせ、左の凹角から登りだす。
二段目で少し緩むが、出口は水線ラインしかない。今日は流れも多く、水勢をくらいながら、凹角に体を安定させて乗り越していく。
ここはいくつかの記録によると、沢慣れた人にはノーザイルと記してあるが、僕はパーティで行くなら必ずロープを張るところだ。
グレードでなく、落差が大きいので何かあれば大事故につながる。
今回は一人だからホイホイと攻めたが、それでも上段でシャワーをくらいホールドを確かめながらの一手一歩は慎重に動いた。
それを越せば、まだ幾つかの小滝が続くが皆楽しいものだ。
ツメも軍刀利と同様落ち葉の歩きで、ヤブもなく稜線に抜ける。
しかしその手前の意味のない?林道の工事は本当に疑問に思う。植林のための道なのか、今更ながらこんな時にやる必要性があるのか。
山で飯を喰っているわけでない都会人の僕は細かい事は確かにわからないが、この稜線間近の切り崩しの重機工事は本当に悲しいものだ。
気を取り直して市道山で、松屋の豚丼をたいらげる。
前回の牛鍋丼に引き続き、コンビニのおにぎりは、二まわりサイズが小さくなり量が減ったので買う気が失せて、変わりに浮上したのがいわゆる牛丼店の弁当であった。
左沢の下りは、上部の植林を抜けるとしばらくで滝がポツポツと現れる。クライムダウンできないものもあり、右巻き左巻きと幾つかをやり過ごす。
簡単なようだが、急斜面のがけ地を横切り、弱点つきで抜けていく。実はこの巻きが沢では一番重要だ。
これを求めて、この第ニ陣を計画したようなものだ。これはどんなにクライム技術を磨いても味方になってくれない。
山を歩き、谷を登り降りしないと身に付かない。この感性、カラダ感を戻したくて来たようなものなのだ。
そうこうするうちに、右沢の出合に来てあっという間に林道についてしまった。
「ごっつあんでした」で締めくくり。満ち足りたハートで帰路についた。
タイム ウルシケ谷沢林道13:10~市道山14:20~林道15:40
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