■日光/奥鬼怒(会山行A隊) [沢登]

2011.07.02-03 大部、武井、成田、加藤(記録)


鬼怒川黒沢魚沢~片品川北岐沢(下)~片品川東岐沢~鬼怒沼山~日光沢温泉


【君は栃木のダイヤモンドを知っているか】

 

7月2日

”れれれー!来すぎじゃね”B隊(赤岩沢パーティ)としゃべりながらの林道アプ(ローチ)で魚沢出合を気付かずあっさりパス。“やっべ。っまいっか”オーブ隊長立ち直り早!。あやうくB隊と、赤岩沢いくところでした。

 

小滝がかかり全体的に赤い岩の沢を快適に進むと、狭いゴルジュの先に一条の8m滝がある。ここは顕著なヒトマタギ形状で、左岸&右岸のステミングで滝の正中をみんな次々に越えていく。かっちょイイー!ブラックダイヤモンドのカタログの様でした(そこまでじゃないか)。

続いて現れた15mフェース状滝は、ロープを出してクライムオン!シャワーを浴びながらオーブ隊長おおいに張り切る。がしかし黄土色のぬめり&はがれ構造の一つ目のホールドに手を伸ばした時、その下に積もったはがれ落石の山を見て、成田さんの一声あり。

”ヤベーし。ヤベーし”ヤジ(じゃないけど)がとんだおかげで、巻きに転身。巻きは一瞬で完了でした。

次第にナメがちらほら出てくると、その先はナメのオンパレード。こんなナメ街道が栃木にあるとは驚き。

続く2段20m滝はこの沢最大。ロープを出して左からいく。オーブ隊長がぬめりフェースを、軍手お雑巾で丹念にお掃除してから取りつき、中段で飛沫をあびながらも流水を右トラバースして上へ抜ける。三俣を経て、つめは本流っぽいゴージャスな水流の左VSすぐにでも涸れそうな右を検討した結果、黒沼田代に近いからと右俣をいく。

ほどなく、沢溝からはい出すと疎な針葉樹帯になり、オーブ隊長は何かに引きつけられるが如く進んで、黒沼田代に出た。

”湿原に踏み入るのって、ちょっとこころ痛むっていうか、何ていうかさあ~(オーブ隊長談)”って言いながら、ガシガシもうガシガシ入ってきました。静かで無人で鹿の足跡だらけの湿原は、ジミながらその質実剛健さは、太古を感じるに十分。湿原好きにはたまらない。

 

薄ヤブを登山道めざして登っていくと、にゃんとB隊(赤岩沢パーティ)と遭遇。20分ヤブを漕いで登山道へ出た後に、黒い岩が意外にもない3県境の山・黒岩山(2162.8m)をみんなでゲット。

登山道を2043m―2055mピーク間コルまで戻って、小松湿原めがけて北岐沢へ下降開始。湿原は以外にも見つけられなかったが、下降全体には問題なし。でも長かった。印象としては、ところどころに滝ありナメありで、水量も十分あってしっかりした沢と感じました。

どこまで下っても全然終わらない。下降途中で再会したB隊と前後して、もうマシンのように延々歩いてやっとC隊(日光沢パーティ)の待つテン場へ17時に至りました。C隊の面々が見えた時は”うれすぃーです!”の一言に尽きました。ごっちゃんした。

 

その夜、焚火色のみんなの顔は”ジンセイ最高だぜ!”って感じでこれまたよし。スーパーポジティブ武ちゃん(SPT)はいつでもスーパーポジティブ。900gのハンバーグ、そして2リットルの酒を大盤振る舞いしてヒーローだったし、本格武ちゃんカレーは超スパイシーしびれる辛さの本場の味でした。ミポリンに辛いよーんって言われてたけど、いつでもカレー屋になれるね!ってことになってました。キメは自ら張ったのに、”寝床なんか寝れっか!”と河原に直寝です。そのまま石の上で朝迎えてました。SP強し!


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


7月3日

テン場(1500m)より10分下降で、林道のUカーブ地点へ。橋から東岐沢に入渓して、ところどころに残る踏み跡を歩いたりしながらの遡行で登山道(2030m)に至りました。沢自体に顕著な悪場はなく、昔は登路として使われたことに合点がいくルート。みんなで立った鬼怒沼山(2140.8m)は、前日立った黒岩山に負けず劣らずジミな山頂だったけど、価値ありのピークでした。

 

下降は、湿原経由で登山道としました。鬼怒沼湿原は青空にワタスゲの白と湿原のみどりが映える正統派湿原で、あたりの空気自体がにゃんともさわやか。癒し系であり品があり、それでいて広い(横断に20分:出典エアリア)。湿原の真中で休憩すると、湿原ハンター成田さんは私にはわからない何かがあるらしく、湿原の隅々まで調査へ。SP武ちゃんはヤマケイのカメラマンと化し、オーブ隊長は昨冬単独で通ったこの湿原は真っ白だったなあ……。あの日はほんと……、とそれぞれがそれぞれのジンセイの一瞬を刻んでいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【まとめ】

栃木、群馬、福島の3県を舞台に、奥鬼怒源流を遡下降しました。わたしは未知の山2ピーク、沢3本、そして湿原2つをゲットできました。いい旅だったしいい会山行だったと思います。

みんなで行ったからできた。そして企画立案者の鮎のおかげと思っております。あざした。


【コースタイム】

7/2(土) 女夫淵P0640-黒沼田代1200-黒岩山1240-幕場1700

7/3(日) 幕場07:40-鬼怒沼山1140-鬼怒沼湿原1210-日光沢温泉1410-女夫淵P1540


 

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