■「ちっこい沢と夕日岳の山歩き」

(前日光/芦川蕗平沢)

2012.9.9
治田

登れない大滝

源流の小滝
 へへへ、またまたやったね。地元というには少し遠いが、でもまぁ、近いとこの沢と山だ。お勧め度は決して高くはないけど、でもね、んーん、それは二の次でいいんだ。山と沢は人の都合にあるわけではないんだから。

 前日光は大芦川の支流、蕗平沢と言う。稼げる山は夕日岳。
 昔「夕日ヶ丘の総理大臣」つう漫画があったけど、それは名だけの記憶で何を書いているのかまったく知らない。
 でも、全国でこの夕日の名を背負っている山はそうないな。
 そこに向う小さな沢、なぜかいいじゃん、…はい、ジャンジャン。

 相変わらず朝は起きられねぇ。でも7時前には出っ発だ。毎度のスキ屋で牛カレーで腹を満たし通いなれた栃木路へGO。
 古峰ヶ原の分岐を右で本流を詰めていく。小さな平らが蕗平沢だ。
 林道は崩壊して使えない。出合にPして早速準備。

 下部は新しい堆積の土砂で沢は丸つぶれ。つめ跡から昨年の夏終り?初秋の大雨の影響かと想像する。やはり途中で大きな岩盤が露出してそこが大々的に抜けて崩れた痕跡があった。
 ここ蕗平沢は魚が禁猟で本流の種沢になっているのか。でもこの荒れ方でとんと魚影を見ない。
 顕著な二俣で一休みをして、そこからやっと静かな谷が蘇ってきた。
 わずかな区間に岩魚が数匹。貴重な存在だ。これが何とか生き延びて卵を産んで下流の岩魚にと育って欲しい。
 小滝も出てきた。大滝も出てきた。登れるもの、無理なもの、選択し登っていく。ツメも小滝が連続し涸滝となる。その後は低い笹。

 夕日岳は二回目の登頂。昔、雪のある頃一人で縦走して日光の中禅寺湖へ抜けた。ともに誰もいない静かな頂を楽しんだ。

 さて、下降は凝ってみる。地図で見る出合に向けてのダイレクトな尾根を下ろうというもくろみだ。踏み後は多少ある。小ピークを幾度も越え急降下していく。低い笹の中の広葉樹林の歩行は、沢とは別次元の低山のエキスが全身に響く、癒し&活力のプロムナードだ。
 地形図の読みは必要で数箇所わかりづらい所もあるが、それがかえって退屈させずにいい。途中のオオボッチ?と記載されたプレートの平で休んだのみで一気に出合に戻してくれる。
 小さな沢と山だったが、とても楽しく充実した一日のプレゼントに感謝の気持ちでいっぱいだった。

記:治田

【記録】
9月9日(日)
 出合9:00〜夕日岳13:00〜出合15:00



@滝らしい滝の一発目。うれしいな、右をそっと登る

A登れない大滝。幅も広く20mはゆうにある。右巻きでやり過ごす

Bつめは小滝が連続する。気持ちよく一つ一つ丁寧に登っていく

C下降の尾根の中間点。オオボッチ?の標識が打ち込まれている

D低い笹に明るい樹林、最高だね。
でも凄い急な下降もあって変化にとんだ尾根になっている


山登魂ホームへ