■飯豊/内ノ倉川七滝沢[溯行]
2012年9月29-30日
治田・田中・大部U・他1
例会にて、ハルさんからプランされた内ノ倉川七滝沢。とりあえずHPを検索するとかなりのヒット数。豊野則夫著の『朝日・飯豊連峰の沢』にも掲載。5段100m、7段130m、4段60m。そして三ツ釜の滝。ふむふむ。8月だとアブ攻撃らしいが、もう大丈夫でしょう。初日頑張れば、翌日は癒しの雰囲気。よし。これはぜひとも参加だぁー。メンバーは直前の例会見学にきたHさんと含め、4人。
なんだか最近、メンバーは都内よりも都外が多いのか、今回私を除く3名は埼玉、千葉、茨城。集合は私が電車で1時間半遠征しての合流。今回一番の心配は、台風。18号は関東をそれてくれたけど、17号は日本縦断へ進路を変えた。2日目の帰りに影響があるか・・・・。
災害復旧工事の渋滞心配はあったけど、まったく渋滞なくスムースに内の倉ダムの一番奥の駐車場に到着。すでにテントが4、5張。釣り師か、クライマーか、それとも沢屋か。駐車場目の前にはフリーの練習場(杉滝岩)である岩壁。前夜祭を1時間後にようやく就寝。
【1日目:28日】
朝は雲がどんよりしていたが、準備している間に天気は回復方向。
林道を1時間歩いて、水量が少ない内ノ倉川を渡渉して七滝沢に入る。
最初のゴルジュはとりあえず巻くが、遡行図的には左岸だけど右岸を巻いたら結構緊張した。左岸を巻いた大部勝ちゃんとHちゃんは、踏み跡で楽々だったみたい。ウェットを履いているハルさんの姿を見ながら、寒くなったら雨具を着ようと思っていたけど日差しはないけど、朝から蒸し暑い陽気で、寒くはない。
巨岩帯の大岩ゴロゴロを乗り越すのは、私的には背丈の関係から足も当然短く、体も重く大変。乗り越しできずにう〜ん、う〜んとうなっていると、後ろから押してもらったり、前から手やシュリンゲが出る。助かりまっす。
まだか、まだかと前進していると前方にドカーン、出ました5段100m滝。すごい迫力。ちゃんと5段あるか数えたりする。もちろん巻きです。踏み跡をあがり、上にあがる間違えのしっかりした踏み跡とトラバースする同じくしっかりした踏み跡を確認。支流を越えてまた隣の尾根を上に上がる。
7段130mの滝前にて、なるほど・・・。逆層で私なんてつるりと滑りそうだ。雨がパラパラ降ってきた。右岸の小さな巻きに入る。記録だと途中から滝に下りたりもしているけどそのまま巻き続け、ようやく滝に降りれた。その頃には雨は止んでいた。
目の前にはまだ滝が続いている。ここはどこだ?まだ、7段の途中なのか?滝の左側をへつりを交えながら滝をいくつか登る。そして、滝は終わり先へ進むと、20mの滝。どぉ〜んと水量と深い釜。あー、さっきのは4段60mで、我々は巻かずに登ったのね。
20mは記録や遡行図では、巻きのルンゼが嫌らしいとあった。見た目は見える部分は傾斜はきつくなく、足場もありそう。しかし、くの字に曲がる1段あがるところに残置シュリンゲが2箇所。その先は見えない。ここが核心のよう。
ハルさんがこの残置をみて、“ロープを出したほうがいいだろう。”といいつつとりあえずフリーで取り付くが、やはりその1段上がるところが悪いらしく慎重だ。
後続にはロープでの確保。2番手に私が登るが、その核心部分の1段が上がれない。勝っちゃんから空荷でのアドバイスを受け、残置シュリンゲをあぶみにして、ヒィヒィ、ようやく上がれた。
勝っちゃんとHちゃんは問題なく登ってきた。たぶん、もう一本手前の巻きがHP記録による容易な巻きだったんだろう。
これであとはテン場の三俣を目指すのみ。ようやく癒し系になってきた。着いたぁー!みんながテンバる台地が右岸1m高台にあった。時間はまだ13時半。おまけのマキ付き。ほー。平らでやや細長いスペースだけど、問題なし。すぐ脇には支流。
焚き火用の薪も探せば結構集まった。今回のメンバーは私以外はみんな、竿の用意。さぁ、さぁ。釣りタイムですよぉ。今シーズンいまだに岩魚くんを味わっていない私は、みんなに頑張ってもらいたい。“いってらっしゃい♪ 4匹釣ってきてね。”
ハルさんと勝っちゃんは、上流へ。Hちゃんは下流へ。私は、とりあえず着替えて、あとはのんびりタープの下でゴロリと横になる。
沢でほんとにひとりぼっちだったら不安でくつろげないけど、みんながいるという一人の時間は、なんだかいいなぁ・・・・。このひとときを満喫する。
と、足音。おっ?もう釣ってきた?Hちゃんが“釣れない〜”と戻ってきて、上流へ向かうがまた戻ってきて、もう少し下流までと気合を入れて、また出掛けていった。うんうん、頑張れっ
少しすると、ハルさんと勝っちゃんが戻ってきて、勝利の微笑みを浮かべ、ちゃんと4匹釣ってきた。やったぁ〜。(パチパチ)
アプローチで捕まえた虫でハルさんが3匹。毛ばりの勝っちゃんが1匹。Hちゃんは残念でした。また今度ね。
焚き火も盛大に宴会は始まる。
毎度のことながら、訳のわからない話で盛り上がり、豊富なつまみと具たくさんの鍋、お酒に酔いしれる。
Hちゃんは、聞けば聞くほどなんだか、山に限らずかなりいろいろなことを追求、極めた全日本記録のスポーツマン。
なんだか、すごいぞ。勝っちゃんは、いつものごとくベロベロに酔っ払いながらHちゃんは同期だと喜び騒ぐ。私は焚き火に満足しながら念願の岩魚をパクパク。
21時には就寝タイム。
【2日目:29日】
予定どおり、4時起床。夜中、ザーと雨が降ったらしいが、爆睡の私は全く知らない。
昨日の夜に炊いたご飯で雑炊、お茶漬けの朝食。
6時半頃には出発。
天気予報から今日は雨を覚悟していたが、空はなんとか明るくなってきた。寒くはない。
昨日のような大岩乗り越しはなくなり、歩きやすくなる。
水量の多く深そうな釜をもつ6mヒョングリ滝は、右岸の巻きからトラバースして、滝中盤に戻り登る。17m滝は、階段状の水流右側をフリーで登る。
3段10Mの「三つ釜の滝」は小さいながらもステキではないか!一段目は左壁と右壁にわかれ登り、その後右壁を登りました。
残置シュリンゲのぶら下がった淵や赤い色の岩のナメ滝、トイ状滝、小滝が続き、忙しい。
二俣の先だったか、前だったか覚えてないけど、5mの立っている水のない滝は、ハルさんのリードに続き、Hちゃんのフリーのピンチもちフリームーブ動きに感心。ロープをおろしてもらい、勝っちゃんは二人とは違うホールドをつかい、私もどうにか登る。
まだまだ小滝が続き、ようやく源頭になり、薮こぎから草原、また薮こぎをして登山道に出る。
すぐ先に避難小屋が見え、二王寺岳山頂に到着。
なぜか“青春の鐘”と書かれた鐘。登山者が数名。今日は時々青空もあったけど山頂に着いてみればだんだんどんより。周りの山も見えない。
昨日の晩に食べなかった鍋の具入りラーメンで、お昼を食べのんびりする。なぜか、Hちゃんはお昼12時の時を知らせるといって、12時ちょうどに鐘を12回鳴らしていた。
ドコモの携帯はやはりつながらず、au携帯がつながったので、下山の二王寺神社に14:15で予約。
あとは、整備された歩きやすい登山道を下山。いつものごとくハルさんはピューと姿が消えていなくなるが、どうせタクシー待ちなのだからと、のんびり歩き14:00頃二王寺神社に到着すると既にタクシーは到着していた。
とにかくいろいろな要素をもつ沢で充実感いっぱいです。山では雨にも降られず、やっぱ、顔かなぁ〜。
帰りの電車は、台風の影響で運休、遅延と振り回され、行きに1時間半のところを2時間半かけて帰りました。電車はガラガラで座れたのですが、あー、精神的に疲れた。
記)田中
【記録】
28日:東鷲宮駅21:40合流−2時駐車場−3時寝る
29日:5時半起床−出発6:20−出合7:10−5段100m滝 9:00−4段60m11:00−20m12:00−三俣テント場13:30−1時間くらい釣りタイム−21時就寝
30日:4時起床−6時40分出発−三ツ釜 8:40−二俣−二王子岳11:30〜12:10−14:00二王子神社−タクシー−東鷲宮駅20:20
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