■関越/土樽レスキュー訓練

2012.10.27
鮎島、治田、佐藤、小池、高橋、田中、山田、武井、小坂、細谷、伊佐見、加藤、荒井、大部U
 昨年、丹沢で無雪期訓練を実施した。その訓練自体は、4人一班で分散して基礎的なものを実施し、初歩的な訓練としてはそれなりに密度の高い訓練ができたと思うが、残念ながらレスキュー訓練まではすることができなかった。本来であれば、2日間訓練を行うのが良いのだろうが、2日も訓練をすると大変。そこで、今回は昨年出来なかったレスキュー訓練をすることにした。
 場所は、できれば2日目は実践的な登攀訓練を実施したかったので、それを前々から考えていた高マタギの白板スラブで行うことにし、レスキュー訓練自体を土樽付近で行うことにした。前もって視察した結果、それほど広くはないが、いろいろなメニューをコンパクトにできる場所があったので、そこで行うことにした。

全体レクチャー風景

ボルトうち

支点の移し替え

介助振り分け懸垂下降

背負いカウンターラッペル

ライジングシステム

ザック背負い搬出

大宴会
【場所】

土樽周辺魚野川本流某所


【行動概要】

9:00 集合
9:45 基本レクチャー
11:00 班分けロープ畳みタイムトライアル
11:15 <班行動@>=1班:A項目、2班:B項目、3班:C項目
13:00 <班行動A>=1班:B項目、2班:C項目、3班:A項目
14:45 <班行動B>=1班:C項目、2班:A項目、3班:B項目
16:15 終了


【班分け】

統括L:鮎島
 1班:治田、田中、細谷、荒井
 2班:伊佐見、加藤、小坂、小池
 3班:高橋、佐藤、武井、大部U
オブザーバー:山田メ


【班別行動】

A項目:
 @ボルトうち
 A支点の作成
 B仮固定
 C支点の移し替え
 Dユマーリング

B項目:
 @高制動の懸垂下降セット
 A懸垂下降のバックアップ方法
 B介助振り分け懸垂下降
 C背負いカウンターラッペル
 Dディスタンスブレーキ

C項目:
 @ライジングシステム(1/3、1/7)
 Aザック背負い搬出
 B吊り上げ搬出
 Cザック担架


【気づき】

(A項目)
 ・ボルトうちとはどういうものか、身をもって体験できたと思う。
 ・自分の打ったボルトに体重をかけることで、しっかり打たなければという真剣さにつながり、良かった。
 ・仮固定から支点の移し替えはわかっている人はわかると思うが、怪しいところもあるので都度実践してほしい。
 ・登り返しについて、基本的にはメインロープ末端を自分につなげてバックアップを行うが、行っているものが誰もいなかった。次回は気を付けたい。

(B項目)
 ・高制動の懸垂下降のセット方法だが、ルベルソには有効だがATCガイドには制動が強すぎて不向きだったようだ。
 ・新採用したザックとハーネスを用いての懸垂下降用の背負い法だが、かなり有効のようだ。それほど難しくないため、基本技術としたい。
 ・今回、緩傾斜のところで訓練を行ったため、振り分け懸垂とカウンターラッペルの特長がつかめなかったのが残念。
 ・基本的なセット方法はマスターできたと思うので、次回は傾斜の強いところで訓練したい。
 ・ディスタンスブレーキは息を合わせるのが大変。またセカンドのビレイで制動の高いセット方法は、少し複雑で混乱しそう。もう少し鍛錬が必要かもしれない。

(C項目)
 ・ガルダ―ヒッチからのライジングシステムはみなセットできるようになったと思う。ただし、時がたつと忘れるため、定期的に訓練が必要。
 ・1/3から1/7の移行も分かったと思う。基本的には1/3と1/7がわかればよいと思うので、この二つだけでも覚えておいて損はないと思う。
 ・実際問題としてアッセンダーがないと難しいし、また実際に引き上げるのは困難だとみなわかったと思う。それはそれで理解として必要だと思う。
 ・班によっては搬出ができなったところもあったのが残念。


【鍵パンティー事件】

 9時に現地集合としたが、大部U号(大部U、佐藤、伊佐見)が全然来ない(連絡あり)。しょうがないので、基本全体レクチャーを先に行ったが、なかなかこない。結局、3名は2時間近く遅れ、基本全体レクチャーが終わり班分け直前という段になってようやく到着した。
 なぜ遅れたか?聞くところによると、すごい渋滞に巻き込まれたとのことだが、それ以前に大部U号の車のカギがみつからず、そこで右往左往したとのことで、結局、トーマス号(軽自動車)が出動する次第になったとのこと。そういわれてみれば、車も大部U号ではない。オーブU氏によると、「前日に準備していたときまでは確かに鍵があったんだけれど、今朝、いざ車に乗ろうと思ったら、どこを探しても鍵が見つからないのよ。いやいや、まいったね。月曜日、鍵探すために会社からお休みもらっちゃった♪」とのこと。
 そんなんで、班別訓練中…。
 「そういえば、オーブUさんのカギ、どこいったんですかね〜」
 「いや、本当にそうなんだよ。どこを探してもなかったんだよね…。っあ!あった!あった!ここにあったのかよ〜!」
 ………。
 結局、見つかりました。オーブU号の車のカギ。。どこにあったかって!それは、なんとオーブUさんのパンティーの中♪。
 なぜパンティから鍵が落ちなかったのか?オーブUのパンティににポケットがあるのか?そもそもなんでパンディーの中にあるのに気付かないのか?それ以前にどうしてパンティーの中にあるのか?
 やたら、疑問は絶えないが、とにかく大騒ぎの末に発見。
 この騒動の顛末は「鍵パンティー事件」として、この会山行一番の思い出になったのだった。

 個別の反省は上記の通り。
 場所の選定としては、2日目の実践登攀訓練が雨で中止になってしまい、なにも東京から遠いところでわざわざ…という感覚がぬぐえないものの、場所自体はそれほど悪くなかったと思うがいかがだろうか。
 全体として、計画立案した身としては、会山行全体を企画するのとレスキュー講師を両方するのはしんどいな…ということ。今回、全体の調整だけでなく、レスキューメニューも考え、資料を作成した。会山行委員として全体の調整などは別に大したことでないのでよいが、レスキュー訓練メニューまで調整・準備するのはたいへんだった。個人的には大変勉強になることも多く、その点はよかったが、、、。
 ただし、レスキュー技術は毎年更新されていくし、そういった意味でも、しっかりと技術講習会を受けてもらい、それをフィードバックするレスキュー講師という役職を作ったほうがよいのではないかと感じた。たとえば、会山行企画委員がフィードバックのおぜん立てはするので、レスキュー講師はお願いするなどの棲み分けもよいだろう。
 これは今後の会の課題として、検討の余地があると思う。
 それはともかく、みなさん遠路はるばる土樽まで出向いてくれてありがとうございました。今後もよろしくお願いします。

2012.10.31 鮎島 筆



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