■三国川野中川ジロト沢左俣

【日程】

2014.7.5 前夜発日帰り

【メンバー】

佐藤、佐野

【報告】

ジロトに行こうと思ってたけど、週末の天気が良くない。山形県くらいまで緯度を上げれば天気よさそうなので、そっち方面を探していたらすでに水曜日。先週末ジロトに誘ったの覚えてますか?って佐野さんから連絡が来た。先週末って会山行で飲み過ぎたときか。まったくその通り記憶が曖昧で、反省しなければならない。 ともかく、調度、転進案を含めて改めて誘おうとしていたところだった。しかも、ジロトでなくても沢+α希望ときた。まさにそのつもりで探してたので、おお!よくわかってるじゃん、とテンションが上がるが、もともとそのあたりも相談していたような気もする。一方佐野さんには転進案でぬか喜びさせてしまったようで、申し訳ない。 結局、転進案の沢+αは、雪渓+αになっている気がしたので断念し、わずかな晴れ間を期待してジロトへ行くことにした。土曜日か日曜日か、予報では土曜日の方が降水確率は低いので、土曜日に行くことにする。

和光市駅21:30集合で、なにも考えず走っていたら六日町IC23:40、高速が割引となる0:00時より前に出てしまった。不覚。 三国ダム売店の駐車場で仮眠をとることにする。天気予報は朝9時くらいまで雨ののち晴れに変わっていたので、遅めの出発と決めて、いつもより深酒して寝る。 目が覚めても二度寝して、結局起きたのは七時前。雨は降っていない。

野中川沿い車で進むと、大きな堰堤のところで道が終っているのでそこに車を停める。 堰堤より手前の道を何気なく登っていくと、野中不動尊への道だった。すぐに気が付いたが、興味がわいてしまったので、そのまま登って行ってみた。大きな岩の下がえぐれて岩小屋になっている。水流があって滝になっているので滝行に使っているような感じ。小屋もあってしっかりと管理されているようだ。お不動さんに二人の安全を祈願。

お不動さんの道を下り、途中から堰堤の方に藪をトラバースしたが、車道の奥から堰堤を越えていくしっかりした道があった。しばらく道を進んで入渓、すぐにタキ沢出合だ。 入渓早々、ヌメヌメで滑りまくる。むむ、ヌメヌメ沢だとは知らなかった。しばらく行くと、岩魚が走り始める。これは鮎島の記録にあったのを思い出した。

スラブが見え始める頃、冷気を漂わせている雪渓にぶちあたる。Aルンゼ(たぶん)出合か。ここの雪渓は厚みもありしっかりしているので上を超える。 Bルンゼ(たぶん)出合で再び雪渓。これは薄いし巻きもかなり悪そうなので素早く下をくぐる。半日後には崩壊しそうだ。 二俣で右俣を眺めると、下部に大規模な雪渓があって、布晒の滝も下の方が埋まっている。 布晒の滝を見てなんとなくオツルミズを思い出した。似てない?いや、よく覚えてないけどなんとなく。

左俣も出合から雪渓だ。じきに広場とされるところに出るが、雪に埋まっている。 雪渓から大滝のスラブに繋がっているところは一カ所しかないが、登りやすそうなところなので都合がよい。

ノーロープでも行けそうに見えるが、砂利の乗ったスラブだし、一歩上がった上がちょっと嫌らしい。佐野さんが行ってしまいそうなので「ロープ引いてってよ」と言ったら、「ロープ持ってんの佐藤さんですよ」「あ、そうか」で、佐藤から。

1P目20m 佐藤

凹角状で、2メートルあがれば傾斜が緩みそうに見える。 一歩あがると、ハーケンを打ちなさいという感じのリスがあるので、ハーケンを打ってA0してジャリジャリドロドロと這い上がり、真上の灌木でビレイ。

2P目45m 佐野

左にトラバースして行けば水流横の快適そうなスラブに入れそうだが支点が取れず嫌な感じなので上を目指す。そのまま草付を上がり、左へトラバースし、また上へ。ロープいっぱいまで。

3P目45m 佐藤

ひたすら左へ、やっと水流に出るが、ぬめっていて水線は無理。そのまま右岸に渡って灌木でビレイ

4P目45m 佐野

そのまま右岸を灌木で支点をとりながら登る。このピッチが一番悪かった。先が見えず逡巡する箇所もあった。ロープいっぱいまで。声は聞こえない。

大滝の後、少し遡行すると略奪点だ。略奪点の下の水たまりにオタマジャクシがたくさんいた。標高のわりには季節が進むのが遅い感じがする。 略奪点でしばらく景色を楽しむ。一瞬天気雨がぱらぱらと降ったような気がするが、晴れてよかった。反対側の、右俣から略奪点に上がる沢(インゼルルンゼ)のスラブもなかなか楽しそうに見える。

略奪点からの滝もロープを出して登る。

1P目 40m 佐藤

右岸に渡り、灌木づたいに登る。アングルハーケン使用

2P目 40m 佐野

右岸を登り、途中から滝の中央に移って登ろうとするが、さーっと滑落!すぐ止まって幸い怪我はなかったようだ。戻って右岸の灌木づたいに登る。ハーケン使用

3P目 40m 佐藤

次の滝も、そのままスタッカトで。滝にj直には取り付けず右岸の灌木を木登り。

この後も小滝がつづくが水洗通しで突破できないので全部右岸巻。やがて大系や記録にある通り、1.5m幅の瀞を超えると沢が右折する。ここで遡行終了の予定だったが、稜線側は砂利スラブで上がれない。下山時に分かったが、ここが丁度展望台の下だった。 もう少し遡行してから上がった方がよさそうだ。沢も雰囲気のいいナメが続いているので調度よい。 ナメが終わり、谷がさらに右折するところで、そろそろだろうと遡行を終了する。少し戻り、なるべく水平に稜線に出られそうなところから藪につっこむと、20mくらいで稜線に出た。

恐れていた藪は大したことはなく、弱点があるので案外早いペースで進める。じきに展望台だ。 天気が持ってくれたおかげで景色がよく見える。八海山はちょっと雲がかかっている。右の形のいい山はネコブ山(気になったので下山してから調べた)。それから、とくに右側に見える下津川が大渓流で気になった。いつか行ってみたいなあ。

雨量計小屋からは道があるが、ところどころ急斜面でFIXロープがある。遡行中は野中沢のどこから上がっているのかわからなかったが、大規模な崩壊のところからだった。 駐車地で野中不動尊に向かって一礼。 お不動さん、ありがとうございました!

ジロト沢。日帰りで、お手軽に越後のスラブの雰囲気を味わえるというのがいい。とくに紅葉の時期はいいだろうなあ。 何年か前に鮎島が行くまで全く聞いたこともないところだったけれど、ネットで検索するとたくさんの記録が出てくる。もはやメジャースタンダードなんじゃないかってくらいだ。幸い今回は他パーティーと遭遇することはなく、自分たちのペースでのんびりと過ごすことができてラッキーだった。すばらしい景色を独占できたのだ。 しかし、なんとなく山登った感に欠けた気がする。山頂に立たなかったからかなあ。難しい。

【記録】

林道終点駐車地7:50 - 大滝取り付き10:20 - 略奪点12:30 - 遡行終了14:30 - 展望台14:50 - 駐車地16:30

【装備】

2014.7.13 佐藤益弘

【写真】