2014年7月19日〜21日(前夜発2泊3日)
L佐藤、SL成田、鈴木、大部、伊藤
奥西河内って聞いたことありますか?すみません、私は知りませんでした。
当初この7月三連休は杉川の予定であったが、天気が悪かったため南アルプスの奥西河内に転進した。梅雨前線が東北に押し上げられているので、晴れとか雨とかの予報がどうであれ、南に向かうに限る。間もなく梅雨明けのようだが、まったく天気が読めない。 成田さん提案の奥西河内は全く考えていなかった沢ではあるが、地形図で見るとそこそこ大きな沢で、水量も多くがっつりと楽しめそうに思えた。なにより、詰め上げるところが良い。お花畑の稜線かも、とイメージした。 人数が多い上に時間もないので、みんなが納得できる転進先を探すのは難しい。がっつりやりたい鈴木さん、なにがなんでも下田川内大好きな大部さんには申し訳ないが、リーダーとサブリーダーで検討し、奥西河内に決めさせて貰った。
さて、問題はアプローチだ、神奈川県から茨城県までメンバーがちらばっているのだ。茨城県から畑薙ダムってむちゃくちゃ遠い。大和の鈴木さん宅の合流したときには23時を回っていた。 おまけに、大部さんは会社の飲み会だそうで、大部さん宅へ向かう道中に電話がかかってきたときには「イッキ!イッキ!イッキ!」のかけ声しか聞こえず、てっきり参加不能の連絡かと思ってしまった。予定変更で、まず酔っぱらいの大部さんを駅でピックアップし、それから大部さん宅に寄って荷物を積み込んでから出発、どうにか鈴木さん宅にたどり着いたのだった。神奈川県集合のみなさまにはかなり待たせてしまった。
現地、畑薙臨時駐車場、3時すぎ着、意外に車の数は少ない。いつも通り入山祝いして、ちょっと明るくなった頃に寝る。6時起床。ここで忘れ物発覚、佐藤はヘルメット、大部さんは雨具を忘れた。幸先悪い。実は車にあったことに下山してから気がついたのだが、この時点では見つからずあきらめて、それらの装備無しで行くことにした。 バスは本来8時発だけど、かなり早い時間から順次出発していった。我々は、8時くらいに8時発の最終で出発。とにかく道が悪のでいくら眠くても眠れない。
奥西河内までは15分くらいだっただろうか、それほど歩いた気がしない。奥西河内は地図で見てわかるとおり、大きな沢なので間違えることはない。右岸側の登山道を歩き、吊り橋の手前から入渓。睡眠不足と二日酔いでだれそうなところだが、入渓早々水量が多いのでそうはいかない。それなりに緊張を強いらる。どうやら増水しているらしい。 何度かちょっとビビる程度の徒渉を繰り返しながらも順調に進んでいく。釜や泳ぎはなく、見た目よりはなんでもない。 ゴーロ歩きとなると、とたんに緊張感がぬけて、ものすごく眠かったり、二日酔い状態なことに気付く。 もうそこらへんで泊まってしまいたいという気分になりながらも、予定の北沢出合い近くまでたどり着けた。
盛大にたき火をしていると、雨が降り出したので、木の陰に移動し追加のたき火を開始、さらに降りが強くなったのでフライの下に移動、雨が止んでまたメインのたき火へ、なんてやりつつも、いつもより早く寝た。
朝、目がさめると周りに人がいなかった(気のせいで実際はあと2人寝てた)ので慌てて着替えて、外に出た。秀さんも伊藤さんもだいぶ前からたき火のそばで寝ていたようだ。 朝から盛大にたき火をする。どうやら予定より早い時間に起きたいたようで、のんびりたき火をしていたわりには少し早く出発できた。
出発してすぐ北沢出合い、先行パーティーがブルーシートでビバークしていた。 昨日の調子が嘘のように今日は朝から元気だ、元気すぎて沢を一本間違えて上砂沢に入ってしまった。 雪渓歩きで二又らしきところまでに来たが、方向がおかしいことで気が付いた。このままいく手もあるかと思ったが、大変な雪壁になると思われ降りることにした。雪渓歩きの上り下りで、1時間くらいのロスとなってしまった。
さて、気を取り直して本流を登る。それにしてもどこまで行っても水量が減らない。何もない沢ではあるが、晴れた日差しとたくさんの水があると、それだけで美しくて気持ちがいい。なんて思っていたら大滝があらわれた。何もないというわけではないのである。60mというが見るからに登れそうにない、というかもともと登る気はなかったので巻く。 巻きは、左の小沢を詰めて、ふたたび本流にもどる。ここで我々は、大滝に近いところから左のルンゼを登ってさらに登ってからトラバースし懸垂で小沢へと降りたが、小沢に出合いから入っていればただの歩きですんだかもしれない。 大滝を超えると、一気に谷が浅くなり、稜線が近づいてきたように感じる。 植生もダケカンバとなり、見上げればるか上の登山道を歩くハイカーが見える。 荒川小屋へダイレクトに登る支流もあるが、我々は大聖寺平を目指すことにする。 最後はガレとハイマツになっていく。当初期待していたお花畑のイメージとはちょっと違うが、アルプスの沢の稜線付近の雰囲気だ。 最後、本流っぽいところを上がっていくと、大聖寺平ではなく赤石岳に近い方へ向かって行ってしまうので要注意だ。標高が上がるにつれバテはじめ、近くを登山道が並走しているので、3名が脱落して登山道へ。結局佐藤と鈴木だけ大聖寺平に到着。 反対側の景色など眺めると、なんだかえぐい感じの尾根が見える。よしよし帰ってから調べてやろう。(帰ってから調べたらギタ山とか丸山尾根とからしい。藪好きハイカーが登っているそうな。) 登山道を歩いていけば、すぐに荒川小屋だった。 明日の行程を考えれば、今日中ににできれば中岳避難小屋までいきたっかったが、みんなもうバテバテでここでいいじゃんってことで、荒川小屋にとまることにする。 結構はげしく雨が降ったりしたので、小屋で本当によかった。ビールも買えて助かった。 素泊まり組にあてがわれた小屋は、本小屋からは離れており、普段は物置となっているようで、中で炊事もできて好き勝手に広々と使えた。他の宿泊者には騒がしかったと思うけど、8時に寝たのでお許しを。
2時半起床。4時前出発。赤石岳経由ではなく荒川三山経由としたのは鈴木さんの希望だったが、やると決めたらやるしかない。 椹島までエアリアのコースタイムは約10時間、バスの最終は14時ということで逆算すると4時出発でギリギリなのだ。 うっすらと富士山を足元に見ながらヘッデンで出発。いや本当に富士山が低く見え、そして前岳への登りはきつかった。 稜線にあがると、笊が岳あたりはよく見えたが、塩見、赤石岳は雲が乗っている。遠望はきかなかったが、贅沢はいってられない。この転進先に決めた時も、半分くらい晴れてればいいと思っていたのだ。半分どころか、行動中は雨なし、天候に恵まれていた。
さて、椹島につくとものすごい日差しと暑さで、バスを待つ間濡れたものを乾かすことができた。これは梅雨明けでしょうと言っていたら、本当に梅雨明けだった。
2014.8.2佐藤益弘