魚野川水系・大源太川七ツ小屋裏沢



山域:関越/谷川連峰北面/魚野川水系・大源太川七ツ小屋裏沢
日時:2014年7月26日(前夜発日帰り)
メンバー:ナベ、伊藤、加藤

ヒツゴーに行こうという事で集まった面子だったが、ナベ&伊藤は風邪気味で、10時間オーバーの行動はきついということで行動時間の短そうな沢を急きょ探し、七つ小屋裏沢に転進した。
結果として、沢自体はヒツゴーの代わりとして十分な手ごたえで良かったし、行動時間短めでよかった。真夏日の稜線行動は相当しんどかった。ヒツゴーだったら間違いなく下山はロープウエー利用だったろう…

7月25日新前橋→林道終点(旭原林道終点・大源太山登山口)
新前橋駅に集合して加藤車に乗り込み、湯沢ICで降りてコンビニで酒買ってから旭原林道に入り、ヤスケ尾根登山口へ。ビール飲んで爆睡。

7月26日
5:00起床 6:00出発 6:25村木沢出合渡渉点(入渓点) 7:10CS滝(核心) 9:10三対一の二股 10:40ごろ藪漕ぎ開始11:15稜線 11:35七ツ小屋山山頂 12:30大源太山山頂 14:35駐車場

昭文社マップにある丸木橋は流出しており渡渉。その後謙信ゆかりの道とかいう道の分岐に出る。最近ではこの道からシシゴヤの頭経由で登るのも人気らしい。我々も、稜線に突き上げた後、越後のマッターホルンと称される大源太の威容にビビった場合は、シシゴヤの頭経由で下山する予定である(笑)。我々はヤスケ尾根方面に進み、渡渉点(村木沢出合)から入渓。よく覚えていないが、割とあっという間に北沢本谷と七つ小屋裏沢の二股に出た。水量はなかなかのもの。
滝が連続し、両岸も徐々に切り立ってくる。結構釜が深く、いわゆるショートのへつり&泳ぎ→落ちたらドボン系である。
やがて4mCS滝に出くわす。上信越の沢105では左に取り付いているが、今回、左の水流は圧倒的で取り付けず、右に取り付く。ナベが挑戦し、右壁の凹状を登る。しかし、その後の左トラバースが、足が無く無理。ナベが土台となって加藤さんにショルダーで越えてもらう。伊藤さんもナベ土台で登る。ラストのナベは足場がないので難儀したが(ゴボウだとモロ水流になる)、残置を利用してなんとか越える。
以降も落ちたらドボン系の小滝が連続し、登れない滝で行き詰ったので、少し戻って左岸のルンゼ状に取り付く(ザイル使用、V)。一段上に上がると明瞭な草付トラバースラインが見えるが、ビレイ点が得られないのでさらに一段上がって岩(小滝)にカムをかませる。後続にはビレイ点一段下まで登ってもらいそこでザイルを外してトラバースしてもらった。この草付かなりぬかっておりスリップ注意。これを越えるとゴルジュは終了。一旦河原上になり、右岸から沢が出合い、雪渓が残っている。その後は再びゴルジュ状となり滝は続くものの、概ね登りやすい滝で平和的。10mくらいの大きい滝も出てくるが右側を簡単に登れた。
その後、3:1の二股。この先は平凡と上信越の沢105とかに書いてあるが、まあまあの渓相で悪くない。さらに2:1の二股を過ぎると、本流とほぼ同水量で右岸から落ちてくる沢に出合う。コイツを見送ると8mくらいの暗ったり悪相の滝。右岸のガレから巻くが、ナベはスケベ心を出して小巻にしようとして、トラバースで痛い目を見た。ガレ源頭のトラバースはかなり悪い。素直にガレ左の藪から、ガレごと高巻いた方がいい。
やがて藪がうるさくなってくる。時折読図(といっても最終的にはアイフォーンで確認していた(笑))しながらなるべく水流の多い方多い方へ進む。異様に見晴らしがよく、稜線がよく見える。進むにつれどんどん藪がうるさくなってきて、とても上信越の沢105に書いてあるような、詰めは超楽勝、みたいな雰囲気ではない。しまいには沢の両岸から笹が倒れ込んできた。沢が涸れると肩くらいの笹薮。。藪を漕いでいる途中に後ろを振り返ると、遡行図通り池があった。30分少々で登山道に出た
いわゆる馬蹄形縦走をすると、というかしないと、なかなか歩けない稜線である。非常に見晴らしがいい。稜線から見る湯檜曽川本谷は雪渓がバンバン残っていた。

七つ小屋山まで思ったより遠かったが、そこから仰ぎ見る大源太山は、とてもコースタイム1時間で登れるような山には見えない。まさにマッターホルン!でも歩いてみたら本当に1時間だった。
下りのヤスケ尾根は、ぜひ積雪期に訪れてみたい尾根だ。熱すぎてみなヘロヘロになった。

感想:思ったよりいい沢だった。下部の面白さは保障できる。平凡とされる部分もつまらないというほどではない。藪漕ぎは意外と長かったが、見晴らしがよく気持ちのいい藪だった。何より大源太山に登れたので大満足。

テクニカルメモ:下部のCS滝を越えれるかどうかがポイント。残置がかなり腐っており、場合によってはハーケンを打ち足す必要がある。けっこう釜に浸かるので、ネオプレンタイツとか履いていると積極的に攻めることができるが、あった方がいいかな〜位。カムもなくてもよいがあると安全性が高まる。今回はエイリアンサイズ〜キャメロット#1まで持って行ったが、それぞれ1回ずつくらい使った。#0.5くらいまででも十分かも。雪は途中一か所だけ残っていた。ザイルは35mで行ったが問題なし。足回りは、中流部くらいまではところどころぬめっている程度でアクアステルスが優位。しかし上流部ではかなりヌメる。とはいえ上流部は、もはやコケても大丈夫な雰囲気なので、ササヤブの詰めと下山を考えるとフエルトよりアクアの方がおすすめの沢。今回全員アクアだった。
必要とされる技術はゴルジュ突破初級くらい?でそれほど長くないのでプレッシャーはない。シーズン初めのゴルジュ突破にはちょうどいい。とはいえ、上信越の沢105には初級とあるが、核心CS滝は(少なくとも今回の水量では)ゴボウでごまかすことができないし、草付トラバースとかもあるので初心者向きの沢では決してない。
終了点から森林限界まで結構歩くので、晴れた日は水をたっぷり汲んでおかないとヤバい。

文責:ナベ

七つ小屋裏沢に入って最初の方の滝
01_七つ小屋裏沢に入って最初の方の滝

小滝と釜のセットが連続する
_小滝と釜のセットが連続する

核心のCS滝
_核心のCS滝

核心を越えても小滝と釜セット
_核心を越えても小滝と釜セット

左岸から草付トラバースで巻いた滝
_左岸から草付トラバースで巻いた滝

ゴルジュを抜けて
_ゴルジュを抜けて

_稜線直下
_稜線直下

七つ小屋山山頂
_七つ小屋山山頂

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