2015.2.7 前夜発日帰り
佐藤、佐野
乙妻山に行きたかった。行くとしたら一泊二日で佐渡山もからめつつ、と思っていたが、天気が許してくれない。しかし、土曜日ならば好天だ。ここのところの山の様子と我々の調子から、条件さえよければ日帰りでも行けるだろう。私の勘では今回は条件がよさそうだ。佐野さんも「きつくないかなあ〜〜〜〜」といいつつOKしてくれた。
野尻湖近くのコンビニの駐車場で仮眠。翌朝、眠いけど出発するかー、と思ったら、あれ?ガソリンが無い。コンビニのおじさんに聞けば24時間営業のガソリンスタンドは17km走らないと無い、目の前のスタンドは7時から。せっかく早く起きたのにー…じゃなくて、時間は足りるのか?行くなら途中敗退ではなく、山頂に立ちたい。計画では朝7時発で17時下山の10時間行動。他の記録ではだいたいこのぐらいかかっているのだ。日没に間に合うかどうか。
この時点で佐野さんは転進を主張。しかし、ここで準備を整えてオープンと同時に給油すれば予定より30分遅れの7:30に大橋をスタートできる。また、前夜の話で復路は計画よりもずっと早く降りられるはずという読みで一致していたので、30分の遅れならGOだ。
できる範囲の出発準備を終えガソリンスタンドの開店を待ち構えていると、6:55に営業中ランプが点いたので飛び込む。給油終了後すぐさま移動。 スタート地点の大橋に着くと駐車スペースには車が9台でいっぱい。どうしようかと様子を見ていると、調度帰るという写真撮りの人がいたので、入れ違いで駐車できた。ラッキー。
トレースばっちりの林道を進み、黒姫側とわかれるとだいぶ減った感じがする。それでもトレースに従い、楽々と佐渡山のコルへ。途中、人の声は聞こえたが姿は見えず。先行者のトレースはコルから谷に下るラインと、トラバースで進むラインに分かれた。トラバースラインへ。こちらは明らかに単独のトレースだ。
途中、中妻沢(2209mピークの)を登る人が見えた。
北東斜面の出合いに近づくころ、トレースの主に追いついた。単独、泊りで地蔵山を目指すと言う。荷物のコンパクトさも雰囲気も目指す山も達人という感じだ。達人の話では、乙妻山への登りは梯子尾根経由の方が早いが北東斜面の方が安全性は高いとのこと。
さて、ここからはトレースはなくここから標高差1000mのラッセルだ。バーンとだっだっぴろい斜面が見えるのかと思ったら、北東斜面は地形図からのイメージよりも傾斜に変化があり、単調ではない。木もそれなりにあって、こういってはなんだが、、、なんとなく、あまり美しくない。
背後を見れば、いい天気で黒姫、妙高の景色がすばらしい。
あと、一時間くらいで稜線かなーって頃、コルから左の谷ラインへ滑り出す単独の人が見えた。ストックを振ったけど気が付いたかな。中妻沢を登っていた人だろうか。
さらに三十分くらい進み、針葉樹の密集しているところで休憩していると、雄叫びを上げながら滑っていく人が見えた。こちらも左側へ落ちて行った。
北東斜面で見かけたのはこの2人のみ。でも後で写真を確認すると我々の滑走前に合計4本のトラックがあるのでそれぞれ二人パーティーだったのだろうか。とすれば、この日に、この広大な北東斜面を滑ったのは我々を含めて6名か。
さて、稜線へ出ると、地形図の通り、凹地となっている。いい雰囲気のところだ。ここに荷物をデポして山頂を往復。山頂からの景色はすばらしく、妙高、雨飾、後立山はもちろん、なんだかさっぱりわからないはるか彼方の山まで見える。すごい、すごすぎる。
往路沿いに滑降する。雪質は快適そのもの。標高差1000mの最初から最後まで、安定して滑りやすい雪質だった。こんなことは珍しい。北東斜面で日が当たりにくいせいか、雪がゆるみにくいようだ。
シールをつけ、佐渡山のコルまで登り返す。傾斜はないが、疲れが溜まっているせいか、うんざりするくらい長く感じる。コルからはシールをはずして滑降。尾根上は雪が重いが、左側の日陰側は少し滑りやすい。林道は傾斜がほとんどないが、は時間が遅いせいか凍り始めており、板がよく走りあっという間に駐車地に着いた。
GPSによれば累積登高1500m、距離19km、がっつりがんばりました。条件に恵まれていたとは思うけど、厳冬期の日帰りでこれだけの距離と標高差の山に行ったことがなかったので、「おお、やればできるじゃん」、とまた少し世界が広がった気がしました。
2015.2.13 佐藤益弘
大橋0730 - 佐渡山南のコル0920 - 北東斜面1000 - コル1300 - 山頂1315 - コル1340 - 北東斜面滑走終了1415 - 佐渡山南のコル1525 - 大橋1600