2015/7/18-20
ナベ、高橋、寺本
のんびりと10時ごろ出発し、17時ごろ四日市着。テンバを偵察したのち、湯の山温泉の麓にあるアクア・イグニス片岡温泉にてひとっ風呂浴びるが、東京都心なら1500円取っても満員であろう。それがわずか600円であった。 トンネル出たところの駐車場は満員だったので、さらに上の、地図上では湯の山温泉から上がってくる道との出合(ただしこの道は封鎖されていた)にある広い駐車場に幕。我々が一番手であったが、続々と同業他社が来た(かれらの大半は登山道を登る人やトレイルランナー、チャリンコの人だった)。
寺本さんと合流して藤内壁を目指す。久々の寺本さんだが、かつてのテラえもんの面影はない。スマートである。足はまだ万全ではないそうだが、歩く姿を見る限り、アプローチ程度なら全く問題が無いように見える。 天気は悪く、濃霧の漂う中時折パラっと降る。壁は先日までの大雨で濡れており、乾く気配が無い。 一の壁基部に荷物をデポ。とても濡れている。 でもなんとなく「本チャンのゲレンデだから大丈夫でしょう」みたいな雰囲気を高橋さんは醸し出しており、帰りたいなどとは言えない。 ハードフリークライマー寺本さんも、心配はないようだ。 仕方なく、水などはザック一つにまとめて中尾根へ。 取り付きの偽物が何か所かあるので迷いやすい。
以降、順次P4〜P1まで次々と高橋さんリードで登る。濡れていて滅茶苦茶悪かった。考えてみれば、濡れたX級が簡単なはずはないのだ。 高橋さん・寺本さんはそうでもなかったようだが、俺は全然練習していない上に成り行きでザック担当となったのがさらに輪をかけた。 ペットボトル的なものを腰にぶら下げられるアタッチメント?みたいなのが欲しい一日だった。一体何度ザックがつっかえた事か。ハーネスのビレイループからザックをぶら下げるのが有効であった。
それにしても、P2(オニギリ)は、出だし、アブミに乗ってから右上に上がるまでの4手くらいがめちゃくちゃ悪く、登行器のお世話になってしまった。高橋さんはどうやってリードしたんでしょうか?さらにP2の出口も、正面のオフウィズスが短いながらも悪く、手がボロボロになった(左のボルトルートは流水溝となっており論外)。
P1は割愛するパーティが多いそうだがせっかくなので登る。これもずぶ濡れです。 終了点から進んでピークっぽい所を目指したが、進んでも進んでもまだ一段高い所が出てきて「このままじゃロープウエー駅とかに出てしまう」ということで、適当な岩の上で一服して下降開始。
P1取り付きにダブルロープで懸垂し、P1取り付きから一段上がって、向かって左側に回り込むと支点があり、そこからダブルで懸垂。そのまま降りると登り返しがあるので、ツルムのコルに向かってかなり斜めに懸垂したらやっぱりちょっと振られた。 コルから一段下がってツルム側にトラバースし、さらにダブル懸垂もう一発。 懸垂待ち中に、一ルンゼ右股右岸側の巨大な側壁を眺めながら、凄い所にボルトが撃たれているのを眺め、寺さんの「アレ10台らしいよ」との情報に高橋・ナベともに「あり得ないな」。 トポだけ見て登る危険性を今日一日で十分に味わったが、最後にダメ押しで思い知った。
結局駐車場に降りてきたら夕方だった(笑) 寺さんと別れて、我々二人はさらに南下。時間があれば一緒に飯くらい食いたかったのですが、遅れたのは俺のせいです。すいません。
東名阪道→伊勢道に入るが、伊勢神宮方面と別れて紀勢道に入ってからは対面のトンネルが多く、疲れる。紀勢道は現時点では尾鷲で一旦終わる。ここで市街地を抜け、今度は熊野尾鷲道路に入る。対面式だが無料なのでありがたい。最終的には紀勢道と繋がるのだろう。 あとは大又川沿いの道を延々と走る。 尾鷲を抜けてからコンビニが一軒もなく、なんとか自販機でビールだけは買ったが、飯がさみしいことになりそうだなあと覚悟していたところ、169号との出合あたりに、コンビニがあって本当に助かった。下北山村スポーツ公園にて幕。
池郷川沿いの林道を車で入る。 グレーチングが外れていたり大穴があいていたりして、日没後はとても運転できない道だ。まあ事前情報でヒルが出ると聞いていたので、林道に幕を張る気は全くなかったが。 とてつもなく深い谷の対岸の遥か下に石ヤ塔岩峰群が見えてくるが、感動するよりも「帰りが大変そうだな」と持った。 営林用モノレール発着場のすぐ先に車を止め、踏み跡を探すがよくわからなったのでモノレールに沿って降りる。岩が出ていて歩きにくい。 怒濤の池郷川を吊り橋で渡り、モノレール小屋の裏から、上流に続く踏み跡をたどる。ハッキリ言ってここから石ヤ塔までは分かりにくい。水場としてちょうどいい沢をまず横切って、その後白い岩の多いルンゼを横切るところから分かりにくくなる。距離的には遠くないはずなので、我々は適当に踏み跡を辿った。 2つ目の崩壊ガレ的なルンゼを横切るが、その先で踏み跡が池郷川に出てしまったので、周りを探すと、滝を持つ支流が見えたので、おそらくこれがトポにある「末端に滝を持つルンゼ」であろうと判断し、回り込むようにして滝の上流側に出てルンゼを辿ると、岩峰が見えてきた。おそらくこれだろう。 東面基部にデポして、北面から流れてくる沢で水を飲み(そして用を足し)、「扉を開けて」1P目に取り付く。
木の生えたコーナーを登る。 一手だけ乾いたホールドがあったほかは全て湿っていた。 下から見えていた部分が終わると、傾斜が強くなり木も少なくなるが暗い雰囲気は変わらない。何しろ今日中に帰京しないといけないので、俺にしては割と早く登った。出口の大木でビレー。キャメ6番を使ったが別に不要。
1P目終了点から10mほど歩くと濡れた傾斜の強いコーナーがあり、俺は「まさかこれじゃないだろう」と思っていたが高橋さんがこれだと言い、たしかにトポを見るとそれしかない。高橋さんが取り付く。高橋さんは出だしで苦労していたがその後はスルスルと登って行った。セカンドで後続するが、出だしのコーナーに入るまでが難しく、このウェットなコンディションで一体どういうトレーニングをすればリードできるようになるのか理解不能だった。高橋さんがランニングとしてセットしたキャメ2番と、スリットに巻いたスリングをフル活用しコーナーに入るとグッと簡単になった。その後はおぼえていないが簡単だった気がする。
上部岩壁の基部までグリップビレイでロープを伸ばす。ちょっと怖いが、たくさん木があるので落ちても引っかかるだろう。
右手の「素晴らしいチムニー」に取り付く。出だしはダブルクラック状でカムが効くが、チムニー内入ってからは完全にバック&フットの世界で、もちろん6番を持って行っているのだがチムニーはそれ以上に広く、また、気の利いたクラックもなく、プロテクションを取れる雰囲気が無い。が、幸い残置ボルトがあった。高橋さんは残置を見て「勝った」と思ったらしい。 セカンドで後続するが、チムニー内は意外とスタンス・ホールドがあり、行き詰ってもこれらを活用すればよく、この手の内面登攀としてはやさしい部類に入る。が、ボルト2本目から上でチムニー外に出るところが高度感満点で、これを楽しめるかビビるかで難易度は大きく変わるだろう。ボルト3本目直下まではなかなかのランナウトで、トップでなくて良かったと思った。難しくは無かったがそれまでがチムニーなのでとにかく高度感がすごい。
トポには北面に回り込めとあるが、すぐ上に残置リングボルトがあるので取り付いてみる。が、難しく、ビナ1枚残置してロワーダウン。 トポ通りに北面側に回り込んでみるが、高橋さんいわく「登る気しねえ」「難しくないけど時間かかりそう」な藪のついたクラックがあるらしい。俺も見てみたがビビって東面と北面の角の階段状までしか見なかった。この階段状も登れそうだが…
いずれにせよ帰路を考えるとそろそろ撤退開始しなければならなかったので、下降開始。 残置支点を借りて、終了点から空中懸垂40mで下の広場まで、広場からまた空懸、そして登ったルートを忠実にシングル懸垂2発の計4発で取り付きまで戻る。
ここから吊り橋までは楽勝だったが、登り返しは予想通りキツく、林道に着くころには汗まみれだった。 高橋さんはヒル1匹持ち帰り。石ですりつぶしてやった。
きなりの湯で急いで風呂に入り、帰りは尾鷲で弁当を買い、食べながら交代して運転するなどしたが、四日市で予想外の渋滞に遭い、さらに大井松田あたりで予想通り渋滞に遭った。
濡れた岩は難しいっす…
交通ですが、御在所までは前夜発で普通に行けますね。 紀勢道に入ってからがキツいと思います。対面が長いので。あと、四日市の渋滞は慢性的なもののようです。 帰りは伊勢からフェリーで渥美へ、なんてのもいいかも。
クライミング中は、高橋さんと寺さんの足を引っ張りっぱなしで申し訳ないです。 もっと練習します。
ナベ