黒部川猫又谷

2016/8/11-14黒部川 猫又谷遡行〜猫又山〜清水岳
鈴木秀昭(L)、佐藤益弘、堀内正

2016/8/11-14黒部川猫又谷を同行者(佐藤氏・堀内氏)合わせて3名で遡行した。7年越しの計画か?柳又谷に次いで非常に興味のある谷だった。 志水哲也さんの記録やや大阪わらじの会某氏ブログによると、自然の力溢れる谷のようで、非常に食指をそそられていた。 ただ両方の記憶は途中支沢で終了しており、本流源頭迄の記録は皆無であった為、今回は最源頭部まで詰める計画で実行した。 結果4日間全日天候に恵まれ、過去最高の沢行となったことを天候に感謝したい。

8/11晴れ

10:30鐘釣〜12:00猫又谷出合〜16:00 700m地点 泊地

前日の前祝の酒が残る中、一昨年の柳又遡行と同様寝坊。8:17宇奈月発の黒部峡谷鉄道で鐘釣まで、遅れても一昨年のゲンを担いで善しとする。

鐘釣到着すると、不帰谷の流石が滞留し大きなバックウォーターを形成していた。

とても川原歩きとは行かず、欅平方面の奥の露天風呂まで行き大高巻きか泳ぎか?とにかく突破しようと入渓準備をしていると地元関係者の方が近寄ってきて絶対行っちゃだめという。どうしても行くならトロッコ電車に乗って猫又まで一駅戻って行けという。猫又駅は一般人降車禁止は十分承知しており、駄目に決まっていると思いながらも駅まで戻り駅員に懇願するが、良いと言う筈は無い。私でも責任取れないし駄目というであろう。少し途方に暮れ気味で万年雪展望台あたりで同類のパーティーに会う。トマの風の方々でナント猫又谷に行くというではないか?!行く人いるんだ!と関心しびっくりした。だが同じくアプローチに悩んでいた。展望台隣の建屋脇から小道があり以前は川原まで続いていた道であったようだ。勿論途中から切れ落ちていたが、そこから泳ぎ開始した。

これが不帰谷までの一時間ほど水泳となり、とんだ苦労となった。ただただ疲れた。ザックが水没しなくて良かった。

そこから猫又までは川原歩きで、猫又駅では工事関係者がたまにこっちを見ていたが知らん振りしてやっと猫又谷までたどり着いた。

スタートに立ち同行者同士握手したのは初めてであった。トマの方々はどうしたのかな??心配になった。

その後は堰堤を一つ越え、早速マムシに入渓の挨拶を頂き30分ほどゴーロ歩き。

その後ゴルジュが2発。2発目の後半の二条の滝が少し厄介で、空荷で左落ち口の下を潜り、左の水圧の少ないところでカムを決めA0で突破した。その後ザックピストンしロープで引き上げる。

時間も良いしゴルジュ終了したところで今日は終わり。

8/12晴れ

6:40前泊地〜15:00 1500m地点泊地

5m〜10m 大きいのでも15mくらいの滝が連発する。

巻きが一度あるが、殆どが直登可能。中にはザックピストンも絡めた。

昨日の泳ぎでか?疲労が抜けない。1240m地点で45分ほどの昼寝をした。

その後一番の核心で、雪で磨かれたつるつるの四段滝が出現した。鈴木が右をリードし一段目に上がったがその先がどうにも行けそうに無い。戻ろうとしたが、支点を取る所が無く、戻れなくなってしまった。ここは大巻きになり、下から佐藤氏がリードし右壁直上ロープ50mいっぱい。フォローの堀内氏にロープを投げてもらい私も後を続いた。

1350m二俣で本流を進む。ここからは未知なる?大袈裟だが少し楽しみにテンションがあがるが、早々に15m滝が出現し右を空荷で直登、その後ザックピストンくらいの滝が出てきた後、癒しのナメ釜連続した。終始なんだかエンジンの掛からないまま1500付近で終わり。

8/13晴れ

6:50前泊地〜8:00 1940m二俣〜10:00猫又山〜14:00清水岳〜16:00不帰岳避難小屋

これといった難しいところは無くゴーロ歩きが連続し、1940m二俣に到着。地形図上で清水岳への沢筋が本流だと計画していたが、水量含めて猫又山への沢筋が本流であった。忠実に本流を詰めてお花畑に出て山頂へ。

猫又山からがこれまた跳んだ虐めで、高いハイマツと石楠花少々の藪漕ぎ。熊の通り道を利用しながら(糞が散乱)、少々ビビリながら清水岳まで3時間半掛かってしまった。

8/14晴れ

8:00避難小屋〜11:30祖母谷温泉-13:00発〜14:00欅平

寝坊して8時出。祖母谷で1時間半程昼ビール大量飲んで最高の時間を過ごした。 そしてフラフラになりながら欅平へ到着した。

所見:

思ったより厳しさは感じら無かったが、黒部の代表的支流だと思う。ゴルジュは大きく悲壮感は無いものの見事であった。大滝は無いものの連瀑地帯はちょっと疲れた。至る所にテン場は求められる。何が有るか分からないのでロープ50m2本で行ったが1本で間に合うでしょう。カムは0.2と0,3を使った。ハーケンは1回。捨て縄1本使った。

(記)鈴木秀昭

【写真】