剱岳チンネ左稜線
期間:2016年9月5〜7日
メンバー:酒井、菅原
行動概要:
9/5 日付変更後の深夜に東京発
9/6 4時半 番場島発→早月尾根→三の窓ビバーク
9/7 チンネ登攀→夜下山
登攀時の写真をいくつか添付します。
取り急ぎ、今回の山行で得られたチンネの教訓を以下に記します。今後、もし行かれる方が居られましたら、御参考にしてください。
- 「日本の岩場(下)」によると、チンネの頭からの下降は、池の谷ガリーの方向に懸垂下降が必要と書いてあるが、実際は、歩いて降りられます(ガレ場ですが)。
したがって、チンネの登攀には50m以上のシングルロープ1本あれば十分です。(我々はダブルロープ2本持っていきましたが、もっと軽量化でました。)
- 剣山頂から三の窓までの稜線歩き&ガリー下降は3〜4級程度のクライムアップ&ダウンとガレ場下降の連続です。
微妙なへつり等をノーロープで行動せざるを得ないので、こういった岩場を迅速に行動できる技術&体力がないとかなり時間がかかると思います。
(足がそろったパーティなら剣山頂から三の窓まで2時間程度)
- 今期は既に長次郎、池の谷ともに山頂付近には雪渓がありません。ガレ場歩きになります。またチンネ末端取りつきに至るまでの三の窓雪渓には
多少雪渓が残ってますが、シュルンドが開いているので、アイゼンなしでアプローチできます。
- チンネ左稜線、核心は9P目のチンネの鼻(5級)かと思いますが、残置ハーケンがたくさんあることもあり簡単です。
むしろ下部の2P目の方が(濡れていたこともあり)難しく感じました。また、下部の1、2P目では残置が少ないこともあり、カムを少々使いました。
- 三の窓にはいくつか整地されたテン場があります。計10張程度は張れると思います。また、我々が三の窓に到着した時には、小窓の王岸壁下部から染み出しがあり、水が取れました。ただし、翌日にはほぼ枯れていたので、基本的には、あてにしないで、下から担ぎ上げた方が良いと思います。
今回は天候に恵まれ、本当にラッキーでした。
また、パートナーの本チャンデビュー・菅原さんが、すごく頑張ってくれたおかげでもあります。(酒井)
私にとっては非常に厳しい日程で、体力的にもかなり辛いものがありましたが、酒井さんに何度も励まされ、足を引っ張りながらなんとかこなす事が出来ました。 私個人としては完全に力不足ですが、非常に良い思い出になりました。
酒井さん、本当にありがとうございました。(菅原)