■北アルプス/白馬・八方尾根「不帰Ⅱ峰西壁第一尾根」[雪攀]

2018/3/24-3/25 伊佐見、山崎(記)、宇井、増田


3/25 7:00唐松岳山頂BC→7:40コルから下降開始→8:30登攀開始→15:00終了→山頂経由下山

 


やはりと言うべきか、予報の通り天候は悪い方向へ向かっている。ベンチレーターから見る景色は真っ白。 未練たらたらで外を覗いては失望すること20回。ダメもとでも動こうと吹き流しから顔を出したら視界は回復していた。慌てて装備をつけて出発。風はかなり強いが耐風姿勢に入るほどでもなし。行けるかも、という希望が胸に灯る。 心配なのは、もう7時近いこと。5時出発の予定だったから2時間は遅れている。

 

冬場の記録は遂に見つからなかったが、夏の記録(登山大系)の倍と見ると目標の第一尾根はなかなかに辛いものがある。第二尾根か第三尾根に転進だろうか。昨日の偵察のトレースを踏み、コル直前から西面の谷に入る。感覚的には真下に向けて降り、谷筋が岩壁から離れだしたところで基部を絡むように雪壁を登る。このあたりはちょっとわかりにくいので、登ってみたいという酔狂な人は事前にコルまで足を伸ばして地形を確認しておいた方がいいだろう。

それにしても、第三尾根はとうに過ぎたし、第二尾根も後にしてしまったよな。着いたのはでかい岩壁の基部。やっぱり第一尾根? 伊佐見隊長半端ねぇ。

伊佐見・増田、宇井・山崎でザイルを結び、伊佐見組が先行。

 

1P:30m 夏ならなんと言うこともない左上バンドだが、冬装備+アイゼンだとかなり恐ろしい。 残置ピンとカムで支点を取ってバンドが切れたところで終了。

2P:45m 正面のフェースを10m登りガリーを直上。ガリー内には古いハーケンがある。ガリーの中段が悪い。どん詰まりの立木でビレイをし、左に15mほど歩いて回り込めばA・Bフェースのコル。 先行の二人に追いつくとBフェースの真ん中で伊佐見が苦労している。最下部では人工が入ったという。あの伊佐見が! 時間もかなり押してきているので、後続組はA・Bのギャングウェーを下りB・Cのギャングウェーを登ってBフェースの上に出ることにする。これは簡単。ザイルも出さずに済んだ。

3P:30m Cフェース 正面やや左の凹角を登る。終始藪木登り。

4P:25m Dフェース スラブというよりフェースを直上。スタンスが小さくてバランシー。ひいひい言わされる。

5P:50m Eフェース 緩い雪の斜面から奥の岩場を(ビレイ点を求めて)うろうろしていたら、ほとんど登ってしまっていたことに気づく。そのまま簡単な岩登りで肩に立つ。実質岩の部分は15m程。 肩はただの雪原なので、腰がらみで確保。 おいおい全員が登って来、登攀終了。(記録:山崎)


【所感】

最高この上なし。 Bフェースは難しかったです。出だしは被っていて無理をしても仕方がないので普通にエイドでした。

冬壁はあまり行ったことがないので確かなことは分かりませんが、今回は結構着雪が多かったのかもしれません。

プロテクションはカムのみ。

帰りは颯爽とスキー下山と思い、板を持ち上げたのが大間違いで、荷物が重すぎて、八方のコブエリアで転びまくって膝がガクガクになりました。(伊佐見)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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